一戸建ての家を売りたい!はじめてでも失敗せずに高く売る為の全知識
一戸建ての家を売りたいけど、“どのように進めれば良いの?、そもそもちゃんと売れるの?、高く売るための方法や注意点は何?”などと様々な疑問に悩んでいませんか?
不動産価格が高騰していて、中には購入価格よりも値上がりしている物件も多い昨今、自宅や投資用の一戸建ての家の売却を検討するには絶好の時期であるのは間違いありません。
しかし、一戸建ての家は売り方ひとつで最終的な売却価格に何十万・何百万といった大きな差が生まれることもあるため、きちんと「売却の流れ・注意点」や「賢い売り方」を理解して、損をして後悔しないようにしておくことが肝心です。
このページでは、元大手不動産会社に勤務し、延べ2,000件以上の不動産売却に携ってきた筆者が、はじめての人でも一戸建ての家をスムーズに高く売れるようになるために、以下の流れに沿ってご紹介します。
- 一戸建ての家売却の流れ10ステップと必要な書類・費用まとめ
- 一戸建ての家の売却で失敗しないために押さえておくべき6つの注意点
- 相場よりも高く一戸建ての家を売るための6つの秘訣
- ローンが残っている一戸建ての家を売りたい場合の3つの売り方
- 早く一戸建ての家を売りたい場合の2つの方法
- 一戸建ての家を高く売りたいなら押さえておくべき最も大切な2つのポイント
すべて読めば、「一戸建ての家の売却のいろは」について、プロと同等の知識が身につき、賢く売却できるようになるでしょう。
売り時は今!利上げで今後戸建て価格は下落する
2024年に日銀が行ったゼロ金利の解除は、住宅ローン金利を引き上げ、これまで好調だった不動産相場の暴落へとつながります。
アメリカでは2022年に大きな利上げがあり、都心のビルが半値で売却されるなど、実際に不動産価格の暴落が起きています。
来年以降は売却益が半減するリスクもあり、かろうじて低金利が続く2024年はまさに土地の売り時と言えます。
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目次
1. 一戸建ての家売却の流れ10ステップと必要な書類・費用まとめ
一戸建ての家の売却の流れとしては、細かく分けると上記のような10のステップがありますが、重要なフェーズとしては大きく4つのフェーズがあるだけです。
基本的には、仲介不動産業者に任せておけば、全ての工程をスムーズに進めることができますので、初めての人でも特に心配する必要はありません。
※各ステップの細かい解説については『一戸建ての家売却の流れ10ステップと必要書類・賢く売る方法まとめ』をご覧ください。
そして、各フェーズで必要となる書類等をまとめると以下のようになります。
※必要書類についての一つ一つの細かい解説はこちらの記事をご覧ください。
また、一戸建ての家の売却により出入りする可能性のある費用・税金をフェーズ毎にまとめると以下のようになります。
※一戸建ての家の売却でかかる費用についての解説はこちらの記事をご覧ください
一見、複雑で難しそうに見えますが、一つ一つのステップは非常にシンプルで、一度聞いてしまえば全く難しいことはありません。
2. 一戸建ての家の売却で失敗しないために押さえておくべき6つの注意点
一戸建ての家の売却で失敗しないための6つの注意点 | |
1. | 必ず複数の業者から売却価格査定をとって比較する |
2. | 査定額も大事だがその根拠はもっと大事 |
3. | 査定額と適正価格は必ずしもイコールではない |
4. | 誰を売却ターゲットとするかで相場は変わる |
5. | 最終的な売出し価格は自分で決めるべき |
6. | 最初は一社と専任媒介契約、ダメなら複数社と一般媒介契約へ |
一戸建ての家の売却で損をして後悔しないために必ず押さえておくべき注意点としては主に上記の6つが挙げられます。
上記6つの注意点をしっかりと押さえておけば、「不当な価格で売却して損をしてしまう」「業者選びに失敗して後悔する」といったようなよくある失敗を回避することができるようになります。
以下、一つ一つ具体的に解説していきます。
2-1. 必ず複数の業者から売却価格査定をとって比較する
- 入り口は多い方が信頼できるパートナーに出会える確率が上がる
- 情報が多い方が相場の確認の精度が上がる
- 売出し価格・仲介手数料の等の条件交渉のための比較材料になる
まず大前提として押さえておくべきポイントとして、一戸建ての家の売却価格査定では、業者により査定額は大きく異なります。
それは、業者により特性(営業エリア、規模、得意分野、自社広告媒体の有無、在庫物件、問い合わせ状況等)が全く異なるためです。
特に不動産はエリア特性が強いため、得意な営業エリア外の案件の場合には過去事例の確認のみといった機械的な査定のみで全く頼りにならないような業者も中には存在しています。
そのため、一戸建ての家の売却価格査定では必ず複数社(自分が納得のいく業者に出会うまで何社でも)から査定を取り比較することが大切です。
2-2. 査定額も大事だがその根拠はもっと大事
どのようなマーケティングを行っているかで業者の実力や良し悪しがわかる
複数の業者を比較する際に、査定額ばかりに目がいってしまう人が多いですが、実はそれ以上に大事なポイントが「査定の根拠」です。
不動産の売買は、売り手と買い手の合意で価格が成立する上、全く同じ物件は存在しない唯一無二の財産であるため、類似物件の売買事例や近隣相場といったものはあくまで一つの参考基準にずぎず、その物件の適正な価格査定をするにはより具体的なマーケティングが必要です。
しっかりとしたマーケティングを行なっている業者であれば、査定額の根拠について、その物件固有の事情を見極めて、「どんな人が購入者の候補で、どんな物件が競合となり得て、現在いくらで売出し中であり、それと比較した上で有利・不利な点はこうであるから、今回はいくらぐらいで売り出すのが妥当」といったような具体的な説明があります。
このようにしっかりとした良い業者を選ばないと、「売り出しても全く買い手つかない → 価格を下げる → 結局安く売る羽目になってしまう」という負のスパイラルに陥る可能性があるため注意が必要です。
2-3. 査定額と適正価格は必ずしもイコールではない
- とりあえず媒介契約を取るためだけの高額査定に注意
- 一社のみの場合には反対に割安査定されるケースも…
前項のように、きちんとしっかりとしたマーケティングに基づく個別具体的な査定額の根拠を説明できる良い業者であれば「査定額=適正価格」と言えますが、中には、とりあえず媒介契約を取りたいがために不当に高額な査定額を提示してくる業者も存在するため注意が必要です。
そういった業者は、とりあえず専任媒介契約をして一定期間自社のみの専売状態をつくった後で、売出し前に価格の値下げを提案してきたり、一時高額なまま売出した後で、当然に買い手がつかないためすぐに値下げを提案してきて結局安く売るというのが常套手段です。
また、反対に一社だけの問い合わせで競合がいない状態の場合には、できるだけ早く売買を成立させて営業の手間を減らすために適正価格よりも敢えて安く査定をしてくるというケースもあるため、一社の言うことだけを鵜呑みにするのはご法度です。
2-4. 誰を売却ターゲットとするかで相場は変わる
明確なターゲット想定の上での査定になっているかを確認する
一戸建ての家は購入目的が自宅用の人と投資用の人では妥当と感じる価格が異なるのが一般的です。
そのため、誰を売却ターゲットとするか次第では、最終的な売却価格にも大きく影響する可能性あり、査定においても必ず確認すべきポイントです。
2-5. 最終的な売出し価格は自分で決めるべき
きちんとした相場確認のもと自分で決めた方が納得のいく売却ができる
当然のことならが、最終的な一戸建ての家の売出し価格の決定権はあくまで売主にあります。
そのため、もし自分の売却希望額と業者の査定額に差がある場合には、希望額が相場から大きく逸脱していない限りは、まずは希望額で売り出すようにするべきです。
結果的に、希望額では売れずに値下げすることになったとしても、その方が最終的に納得のいく満足度が高い売却になるでしょう。
2-6. 最初は一社と専任媒介契約、ダメなら複数社と一般媒介契約へ
専任媒介の方が良い条件を引い出しやすく優先的に頑張ってもらえる
前述の通り、一戸建ての家の売却の媒介契約には専任性の強さによって以下の3種類があります。
3種類の媒介契約 | ||
種類 | 概要 | メリット・デメリット |
専属専任媒介契約 |
| <メリット>
<デメリット>
|
専任媒介契約 |
| <メリット>
<デメリット>
|
一般媒介契約 |
| <メリット>
<デメリット>
|
それぞれ一長一短があるため、どれがベストかは一概には言えませんが、業者から見た際には一社独占の専任契約である「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」の魅力が当然に高く、言い換えると「様々な要望を聞いてもらいやすく、案件も優先して取り組んでもらえやすい」ということなるため、まず最初は信頼できる業者へ1~2ヶ月間の短期で専任契約して様子を見ることをおすすめします。
3. 相場よりも高く一戸建ての家を売るための6つの秘訣
一戸建ての家を高く売りたいといった場合に最も大切なことは、同じような条件の競合物件よりも買い手から見た印象を良くすることです。
特に中古の一戸建ての家の購入者は、「価格・立地・間取り・広さ・設備グレード」といった基本的な条件がマッチする複数の物件を比較検討し、最も気に入った物件に購入希望を出すという行動をとります。
そのため、相場よりも高く一戸建ての家の売却するためには、基本的な条件の良さをアピールするだけでは足りず、競合物件と比較された際の相対的な印象の良さを演出することが大切です。
その演出の方法として、最も効果的な秘訣としては、以下の6つが挙げられます。
相場よりも高く一戸建ての家の売却する為の6つの秘訣 | ||
1 | 重要度 ★★★★★ | 広告用写真は必ずプロ仕様のものを用意してもらう |
2 | 重要度 ★★★★★ | 目立つ損傷部は事前に補修しておく |
3 | 重要度 ★★★★★ | 水回り部分は入念に掃除しておく |
4 | 重要度 ★★★★★ | 内見前に不要な物は処分しておく |
5 | 重要度 ★★★★☆ | できるだけ家具がコーディネートされている状態で見せる |
6 | 重要度 ★★★★☆ | 住んでみないとわからないようなプラス情報を整理して伝える |
一つ一つは小さなことですが、実は、これらが完璧になされている物件は意外と少なく、すべて完璧にしていればそれだけで大きな差がつきます。
以下、具体的に解説していきます。
3-1. 広告用写真は必ずプロ仕様のものを用意してもらう
これは、業者選びの際の条件や比較ポイントとしても重視すべき点ですが、広告用の物件写真は必ずプロに撮ってもらった高品質なものを用意してもらうようにしましょう。
購入検討者は、必ずまず最初にインターネットで物件の広告写真を見て興味があるかを判断します。
その際、プロが撮った写真か素人が撮った写真かでは明らかに大きな差があり、最初に興味を持ってもらえるかどうかだけでなく、その後の印象にも大きく影響するためマスト条件とも言えるぐらい重要なポイントです。
実例:某不動産広告サイトに掲載されていた同じ物件の広告写真比較
以下は、某大手不動産広告サイトに掲載されていた一戸建ての家売り物件の広告写真です。
それぞれの売り主が仲介業者との媒介契約に基づき、仲介業者によって広告掲載されているものですが写真のクオリティだけで全く物件の印象が異なってくるのがわかると思います。
<プロが撮ったであろう高品質な写真>
<素人が撮ったであろう少し残念な写真>
どちらの写真の方が問い合わせが多いかは、容易に想像ができるのではないでしょうか。
<写真掲載すらない物件広告>
さらに最悪の場合には写真すらない物件広告も見受けられます…。
もはや問い合わせをする人が居るのかすら疑問が湧きます。
3-2. 目立つ損傷部は事前に補修しておく
(出展:エースリペアHPより)
(出展:エースリペアHPより)
インターネット広告の写真や条件に興味を持った購入検討者は、次に実際の物件の内見を行うのが一般的です。
そして、その際に重要なポイントの一つとして、目立つ損傷部は事前に補修しておくことをおすすめします。
それは、物件の印象にも大きく関わりますし、買い手からすると前のオーナーがどの程度大切に住んでいたかという点も意思決定の大きな材料になり得るからです。
あくまで同じような基本条件の物件の中で相対比較されているという点を肝に銘じ、最終判断は意外と小さな差で行われるということを強く意識しましょう。
3-3. 水回り部分は入念に掃除しておく
(出展:ぴかぴかハウスクリーニング柏HPより)
(出展:くらしのマーケットHPより)
(出展:ホワイトハウスHPより)
一戸建ての家の住戸内で、物件の印象やグレード感を大き左右する箇所は水回り部分です。
水回り部分は最も汚れが出やすく、前のオーナーの生活の仕方が一番現れる部分でもあります。
さらに、壁紙や建具・フローリング等は素人目にはあまり違いがわかりにくく印象に残りにくいのに対し、キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス等ははっきりと印象に残ります。
そのため、内見時に良い印象を演出する上で、水回り部分のきれいにしておくことは必須と言えます。
3-4. 内見前に不要な物は処分しておく
(出展:ここかじ魔法のお片づけより)
物件の良し悪しを判断する上で、非常に重要なポイントが、実際の広さだけでなく「感覚的に広く感じるか」という点です。
住戸の平米数自体は広くても、物が多くて感覚的に広く感じないということや、逆に、物があまりなく実際の平米数以上に広く感じるなどということは、誰もが経験したことがあると思います。
購入検討者が内見をするタイミングは大抵1度だけしかありませんので、その際に良い印象を持ってもらうためにも、できるだけ不要な物は処分して感覚的な広さを演出するようにしましょう。
3-5. できるだけ家具がコーディネートされている状態で見せる
(出展:家撮り部HPより)
引越しのタイミングや売却の事情等で難しいケースもあると思いますが、できれば内見時には家具がコーディネートされた状態で見せる方が得策です。
新築一戸建ての家のモデルルーム等を見に行くと必ずおしゃれな家具ですべての部屋がコーディネートされていると思います。
これは、部屋の使い方をイメージしやすくしたり、上手くコーディネートすることでおしゃれな印象を与えたりといったメリットの他にも、空の部屋よりも部屋を広く見せられるといった効果もあります。
よく、家具や家電等を買いに行った際に、「店頭では大きすぎて部屋に入らないのでは」と思ったモノが、実際に部屋に入れてみると意外ときれいに収まり、むしろ部屋が広く感じるという経験があるのではないでしょうか。
このように、程よく家具がコーディネートされている状態の方が、様々な点でメリットがありますので、できるだけ家具がコーディネートされている状態で内見対応されることをおすすめします。(※既に空き家になっている場合には、レンタル家具等でコーディネートまでやってくれる業者もあります。)
3-6. 住んでみないとわからないようなプラス情報を整理して伝える
内見のタイミングで購入検討者が確認したい項目は、実際の物件の印象については当然ながら、日当たりや風通し・騒音等の住んでみないとわからない情報も多く含まれます。
そのため、ただ物件を見せるだけではなく、住んでみないとわからないようなその物件プラス情報を事前に整理しておき、直接伝えてあげるだけでも印象が良くなります。
住んでみないとわからないうようなプラス情報の例
- 風通しが良く夏場夜はクーラーいらずで電気代が安い
- 遮音性が高く近隣の騒音等は全く聞こえない
- 近隣住人は非常に礼儀正しくて良い人ばかり…等
物件の印象だけでなく、住んだ後の生活のイメージも良く伝われば強力な差別化になります。
関連記事
今回ご紹介した一戸建ての家を高く売る為の秘訣以外にも、一戸建ての家の売却で損をしない為の注意点について網羅的にまとめた以下のページもご参考にして下さい。
4. ローンが残っている一戸建ての家を売りたい場合の3つの売り方
一戸建ての家を売りたいと思っても、売りたい物件にローンが残っている場合には、金融機関による抵当権がつけられており、そのままの状態で所有権移転登記をすることはできないため、引渡しまでのいずれかのタイミングでローン残債を一括返済する必要があります。
ローン残債のある一戸建ての家を売りたい場合の流れとしては、主に以下のようなケースがあります。
- 自己資金(預貯金等)で決済・引渡し前に一括返済するケース
- 売却代金(+自己資金)で決済・引渡しと同時に一括返済するケース
- 売却可能価格では残債金額に足りず自己資金もない場合にはどうなる?
以下、それぞれのケースの流れと注意点を解説していきます。
4-1. 自己資金(預貯金等)で決済・引渡し前に一括返済するケース
<流れ>
- 売買契約〜決済・引渡しまでの間に一括返済し、抵当権抹消登記をしてもらう
<注意点>
- 事前に金融機関へ連絡・相談しておく
- 決済日までに抵当権抹消登記を完了してもらうか、今回の担当司法書士と連携してもらう
この場合、特段大きな注意点はなく、売買契約〜決済・引渡しまでの間で自分で金融機関へローン一括返済の手続きを行い、金融機関に抵当権抹消登記をしてもらうだけです。
決済・引渡しの日までに抵当権抹消登記が間に合わないようであれば、仲介業者や担当司法書士と連携してもらい、決済時に同時に処理してもらうようにすれば問題ありません。
4-2. 売却代金(+自己資金)で決済・引渡しと同時に一括返済するケース
<流れ>
- 売買契約〜決済・引渡しまでの間に金融機関・仲介業者・担当司法書士の関係者で打ち合わせを行い、決済・引渡しの当日にお金のやり取りと登記手続きをすべて同時に処理してもらう
<注意点>
- 当初に仲介業者に「売却代金によるローン一括返済」の前提を伝えておく
- 事前に金融機関・仲介業者・担当司法書士と決済方法について打合せをして了承を得ておく
現実の一戸建ての家の売却で最も多いのがこのケースです。
基本的に、「売却代金によるローン一括返済」の前提で一戸建ての家の売却をスタートしておけば、仲介業者がすべて取り仕切って段取りを組んでもらえます。
決済方法については、仲介業者にとっても非常に重要なポイントであるため、当初に必ず質問される項目ではありますが、くれぐれも曖昧なまま進めることのないよう、最初に「売却代金によるローン一括返済」が前提である旨を伝えるようにしましょう。
4-3. 売却可能価格では残債金額に足りず自己資金もない場合にはどうなる?
<流れ>
- 住み替えローン(買い替えローン)の可能性を検討する
- (1がダメなら)金融機関と相談の上、了承を得て一緒に売却活動をする(任意売却)か金融機関による競売申請による売却しかない
<注意点>
- 住み替えローンの審査は厳しい
- 住み替えローンは、売却と購入を同時にできる場合にしか使えない
- 売却後でも一部残債が残ることになるため引き続きの返済は必要である
- 残債部分についても担保が必要
- 任意売却・競売は、あくまでローン返済が困難で、このままいくと貸し倒れになることが明白な場合等でないと受付けてもらえない
- 任意売却・競売の場合には個人の信用評価が下がる可能性がある
一定の経済力はあり、住み替えにより返済能力が確保できる場合
収入が減った等で今の一戸建ての家のローン返済が重たいのでマンションや安い一戸建ての家等へ買い替えたいといった場合等に発生するケースです。
住み替え先の購入金額に現ローンの残債を上乗せした場合でも担保評価や返済能力に問題がないと判断された場合には住み替えローン(買い替えローン)にて、買い替えることが可能です。
その場合には、売却と購入の決済を同時にできることが条件となりますので、借入先の金融機関と相談しながら進める必要があります。
住み替えるだけの経済力はなく返済も困難な場合
住み替えるだけの経済力はなく返済も困難な場合には、任意売却や競売という方法で売却を検討することになります。
本当に返済が困難な状況でこのままいくと貸し倒れになる可能性が高いといったような場合には、借入先の金融機関と協議の上、貸し倒れリスク回避のために、まずは任意売却の検討ということになります。
すべては各金融機関毎の判断となりますので、まずはローンを借りている金融機関へ相談しましょう。
5. 早く一戸建ての家を売りたい場合の2つの方法
相続や海外転勤、債務整理等でとにかく早く一戸建ての家を売りたいというケースもあると思います。
その場合には、当然、じっくりと高い価格で買ってくれる買い手を探している暇はありませんので、相場よりも安くなるということを前提に考えておかないといけません。
とにかく早く一戸建ての家を売る方法としては、主に以下の2つの方法があります。
- 買取業者による買取
- 仲介で安く売出す
以下、それぞれの方法について解説していきます。
5-1. 買取業者による買取
買取価格は概ね相場の6~7割程度が目安だが、とにかく早く確実に売れる
一戸建ての家の売却では、通常、不動産業者の仲介により一般の購入希望者へ売却するのが一般的ではありますが、一部、買取を行っている業者も存在します。
この場合、車等の下取りと同じような原理で、買取った一戸建ての家を必要に合わせてクリーニング・リフォームして再販(または賃貸)するため、当然のことながら買取価格は相場よりも安くなります。
物件の状態やリフォームの必要性等によっても変わってきますが、買取価格は概ね相場の6~7割程度が目安です。
売却価格は極めて低くなってしまいますが、「1ヶ月以内に売りたい」等、期限がかなり短い場合には有効です。
5-2. 仲介で安く売出す
買取よりは時間と手間が掛かるが、相場の1割安程度で抑えられ早く売れる
もう一つの早く売るための方法としては、通常の仲介で、すぐに買い手がつきそうな割安価格で売出すという方法です。
物件やエリア需要によっても異なりますが、相場よりも1割程度安い価格で売り出せば直ぐに買い手がつき早く売れる可能性が高くなります。
この場合、売却の確実性や早さは買取のよりも劣りますが、売却価格としては買取よりも有利に売却できます。
「買取保証付き仲介」という合わせ技もある!
1~2ヵ月といった期限を決めて仲介で売出し、期限までに売れなかった場合に業者に買取ってもらうという「買取保証付き仲介」という契約方法もあります。
「とにかく早く確実に、でも、できるだけ高く売りたい」という場合には、大手の不動産業者に「買取保証付き仲介」でお願いするのが得策でしょう。
6. 一戸建ての家を高く売りたいなら押さえておくべき最も大切な2つのポイント
一戸建ての家の売却で利益を最大化するためには、下記の2つを意識することが大切です。
- 賢く見積もり査定を取り、「売出し価格を高く」する
- 売却費用でも最も大きな「仲介手数料」を抑えつつ、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼する
一戸建ての家を売る際には様々な費用が掛かりますが、売り方次第ではあまり費用を掛けずに売却することも可能です。
そして、その中で最も大きな金額を占める重要な費用が「仲介手数料」です。
仲介手数料は、不動産業者や交渉によっても変わってきますが、宅建行法により上限額が決められており、ほとんどの業者がその上限で料金設定しています。
宅建行法に基づく、仲介手数料の上限額は以下の通りです。
宅建業法に基づく仲介手数料の上限額 | |
---|---|
「売買価格」 × 3% + 6万円 + 消費税 | |
売買価格3,000万円(消費税10%)の場合 | 105万6000円 |
売り主にとっての利益を最大化するためには、この「仲介手数料」を抑えながら、「売出し価格を高く」して、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼することが最も大切です。
6-1. 仲介手数料を安く抑えるには
前述の通り、仲介手数料は、何も言わなければほとんどの業者で上限価格設定されているため、必ず複数社比較しながら安くしてもらうよう交渉することが大切です。
交渉によっては、通常3%のところを2%で引き受けてもらえるといったようなケースも多く、仮に売却価格3,000万円の物件であればそれだけで税込み33万円も費用を抑えることができます。
そのため、まずは無料一括査定サービス等を活用して、複数の業者に売却価格の査定と共に媒介条件の提示をお願いするようにしましょう。
無料一括査定ならここがおすすめ
不動産売却の無料一括査定サービスはたくさんありますが、運営会社の信用度や参加企業群の優良度から見ても、NTTデータスマートソーシングが運営する『HOME4U』が圧倒的におすすめです。
『HOME4U』は、数ある不動産無料一括査定サービスの中でも最も老舗で20年以上の歴史と累計50万件以上の実績があります。また、NTTデータグループ企業が運営している点からも信用度が圧倒的です。
HOME4U公式ホームページ「https://www.home4u.jp」
地元業者も含めて幅広くリサーチしたい場合にはここもおすすめ
『HOME’S』は、大手の不動産業者以外にも地元の不動産業者の登録が非常に多く、登録業社数が3,800社以上と、数ある無料一括査定サービスの中でも最大規模の業者です。
先の『HOME4U』の2,300社以上と比較しても圧倒的な登録業社数と言えます。
特に地方等、大手の不動産業者以外にも、地元の不動産業者を含め幅広いリサーチがしたい人にはおすすめです。
HOME’S公式ホームページ「https://www.homes.co.jp/satei/」
6-2. 売出し価格を高くするには
結論から言うと、複数社から査定を取り、最も高い査定額(場合によってはそれ以上の価格)を基準に、その価格で売出す前提での条件をそれぞれの業者と交渉することが必須です。
物件の売出し価格は、売り主に決定権があるため、ある程度自分で決めることができます。
しかしながら、仲介業者は媒介契約を結ぶと買い主を見つる努力をする義務が発生するため、自分の実力以上の仕事や条件が割に合わない仕事は当然に受けません。
仲介業者からすると、「できるだけ条件の良い物件を相場より安く仲介することで、早く簡単に仕事が回せる」というメリットがあり、自分たちが無理なくまとめられる価格でしか査定しないという裏事情もあります。
そのような、業者都合の理由で売り主が損をするというのはあってはなりませんので、必ず複数社から査定を取ると共に自身でも相場を調べ、最低でも最高査定額(それが腑に落ちない場合には自身で調べた価格)を基準にそれぞれの業者と交渉するようにしましょう。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。
「一戸建ての家を売りたい場合の売却のいろはや賢く売却する方法」についての疑問や悩みが解消できたのではないでしょうか。
一戸建ての家の売却は、一見難しそうで、「とても多くの手間や労力が掛かるのでは?」という勘違いをされている人も多いですが、売却後の確定申告も含めて実は意外と簡単に売却できてしまいます。
本ページでは「一戸建ての家売却のいろはや賢く売却する方法」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で、後悔しない上手な売却を検討してみて下さい。
〈本ページでご紹介したサービス・業者〉
※売却検討にあたっては、同時に「貸した場合の収益性」も検討すべきです。
- 資産価値が落ちにくい都市部等にある
- 年間賃料が売却査定額の5%以上(表面利回り5%以上)で貸せる
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