事例からみる主な8種類の土地活用|各種特徴とおすすめな人
土地活用を検討しているけど、「そもそも土地活用にはどんな種類があるのか」「どのように検討すればよいのか」がわからず、なんとなく様々な事例を探していませんか?
土地活用はエリアや土地の条件等によってそもそもできる種類が限定され、実現したい目的によっても最適解は変わってくるため、 事例だけでなんとなく土地活用の方法を決めるのはとても危険です。
世の中にある事例は、あくまでひとつの事例にすぎませんので、自分の土地でどんな土地活用ができるかはまずはハウスメーカー等の専門家に相談するのがてっとり早くおすすめです。
このページでは、これまで土地活用のコンサルティングを業務として300人以上の土地オーナーの最適な土地活用について支援をしてきた筆者が、「事例をもとに代表的な8種類の土地活用の特徴とおすすめな人」について、以下の流れに沿ってご紹介します。
- 駐車場経営の事例とおすすめな人
- 賃貸住宅経営の事例とおすすめな人
- トランクルーム経営の事例とおすすめな人
- ソーラー経営の事例とおすすめな人
- オフィス経営の事例とおすすめな人
- 商業系施設経営の事例とおすすめな人
- 医療系施設経営の事例とおすすめな人
- 介護系施設経営の事例とおすすめな人
- 土地活用を業者に相談する際の2つの注意点
このページをすべて読めば、「代表的な土地活用とそれぞれの特徴」についての理解が深まり、「自分にとってベストな土地活用」の検討に向けて、自信を持って第一歩を踏み出していただけるようになるでしょう。
土地活用が初めてで難しく感じる方は、このページを読んで大枠のイメージを持ったら、まずは複数の専門家に意見を聞くことをおすすめします。
その際に大事な注意点があり、建築会社や不動産会社等に直接電話をすることは絶対にやめましょう。なぜなら、この業界では電話をとった人が担当になるという慣習があるため、土地活用の専門家ではないレベルの低い担当がついてしまう・・・ということになりかねません。
確実に複数業者の専門担当者と連絡を取りたい方は、NTTが運営する「HOME4U土地活用」などの信頼できる一括登録サイトを利用して、専門担当者からの連絡を待つことをおすすめします。
- 「HOME4U土地活用」公式ページ: https://www.home4u.co.jp/
目次
1. 駐車場経営の事例とおすすめな人
駐車場経営とは、自分の土地を車が駐車できるよう大きさに合わせて駐車区画割りし、区画毎に利用者へ賃貸する土地活用です。
駐車場経営には大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」という2つの活用形態があり、さらに、それぞれの活用形態には以下の2種類の方式があります。
※一切業者に頼らず全てを自分で行うということもあり得ますが、一般の素人の方にとっては現実的ではありません。
1-1. 駐車場経営の事例
月極駐車場とコインパーキングのそれぞれのよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「実家(空き家)」→「月極駐車場」へ
(※画像はイメージです。出典:http://blog.goo.ne.jp/jtraffic-line/e/9f30e21bbeebe153955e053f8baec13c)
<活用前>
- 相続で実家を取得したが空き家の状態
収支:−15万円/年間(固定資産税・都市計画税分マイナス)
<活用後>
- 月極駐車場としてとして5台分賃貸
- 駐車場にすると土地の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収支:2.5万円×5台×12ヶ月−20万円=130万円/年間 ※収益化を実現
使う予定のない実家の跡地等の遊休地をあまり費用をかけずに活用し収益化できた事例です。
「アパート庭先の空地」→「コンパーキング」へ
(※画像はイメージです。出典:http://www.sekiwa.co.jp/field/keiei/parking.html)
<活用前>
- 法規上の制限(建ぺい率)で建物が建てられず、共用庭として利用
収支:−10万円/年間(固定資産税・都市計画税分マイナス)
<活用後>
- コインパーキングとして4台分賃貸
収支:3万円×4台×12ヶ月−10万円=134万円/年間 ※収益化を実現
既に活用済みで建物が建っている土地でも、空地部分をうまく活用することでさらなる有効活用が実現できた事例です。
1-2. 駐車場経営がおすすめな人
駐車場経営はリスクや制約が少ないため多くの人に向いている土地活用ですが、特に以下の5つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- お金を掛けずに土地活用したい人
- 将来どうなるかわからないので、転用性や流動性を確保したまま土地活用したい人
- 相続税の納税用地や売却予定地なので、短期間だけ土地活用したい人
- 狭小地や法規上の理由等で建物が建築できない土地を活用したい人
- 既に建物が建っている土地の空きスペースを活用したい人
お金を掛けずに土地活用をしたい人
- 土地は所有しているが、借金にはには抵抗がある
- 土地活用はしたいが、自己資金は出したくない
土地を保有していれば、多くの場合その土地を担保に金融機関から借り入れを行うことが可能であり、自己資金をあまり出さなくても様々な土地活用が可能ですが、上記のような人には自己資金0円から手軽に始められる駐車場経営はおすすめです。
将来どうなるかわからないので、転用性や流動性を確保したまま土地活用したい人
- 将来的に子供に相続させる土地なので子供の代で色々検討できるよう可能性を残しておきたい
- 思い入れのある土地なので出来るだけ残していきたいと思っているものの、将来的にもし資金需要が発生した際に備えていつでも売却できる状態にしておきたい
といったような転用性・流動性確保ニーズのある人にとっては、駐車場経営は最適な土地活用といえます。
相続税の納税用地や売却予定地なので、短期間だけ土地活用したい人
- 既に相続対策を進めており、検討の結果、納税の為に流動性を確保しておかないといけない
- 将来的な売却が確定しているので、建物は建てたくない
上記のようなニーズのある人については、現金の代わりに土地を国に治めることにより納税する「物納」も認められやすく、売却する場合でも更地と同等の査定がつく駐車場経営がまさに「王道の活用法」といえます。
狭小地や法規上の理由等で建物が建築できない土地を活用したい人
- 保有している土地が狭く建物の建築には向いていない
- 市街化調整区域内に位置している土地等、そもそも建物が建てられない
等の活用方法が限られる土地についても、駐車場経営であれば需要次第で対応可能な場合がほとんどです。
既に建物が建っている土地の空スペースを活用したい人
- 自宅の庭先の空きスペースがもったいない
- もともと倉庫にしていたが、特に使わないので活用したい
既に建物が建っている土地でも、建築基準法の建蔽率の制限からいくらかの空地がある場合がほとんどです。そういった建物敷地の一部であっても道路に接し車が進入できれば小規模でも需要次第で駐車場経営が可能です。
少しでも土地から収益を生みたいという人にはおすすめです。
「駐車場経営」の詳細な検討方法については下記の記事をご参考にして下さい。
2. 賃貸住宅経営の事例とおすすめな人
賃貸住宅経営とは、所有する土地に賃貸アパートや賃貸マンション等の賃貸住宅を建築し、一般の入居者へ賃貸することで賃料収入を得るかたちの土地活用です。
賃貸住宅の経営(管理)方法には主に以下の3つの方法があります。
- 一括借上方式(サブリース):借上料率相場は90〜80%程度
- 管理委託方式:管理費相場は3〜5%程度
- 自己管理方式 :募集のみ業者に委託。賃料は全て自己の収入となる
各管理方法の概要とメリット・デメリットは下図のとおりです。
2-1. 賃貸住宅経営の事例
賃貸アパートと賃貸マンションのそれぞれのよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「実家(空き家)」→「賃貸アパート」へ
(※画像はイメージです。出典:http://www.myhome-construction.com/works/rental/detail.html?id=36)
<活用前>
- 相続で実家を取得したが空き家の状態
収支:−20万円/年間(固定資産税・都市計画税分マイナス)
<活用後>
- 駐車場付き賃貸アパート3戸を総額4000万円で建築
- 建築資金は全額ローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 建物が新しくなるとその分建物の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:12万円×3戸×12ヶ月=432万円/年間
支出:土地建物の税金(約20万円/年間)、ローン返済(約165.6万円/年間)
収支:432万円-185.6万円=246.4万円/年間 ※収益化を実現
使う予定のない実家の跡地等の遊休地を、自己資金なしで活用し上手く収益化できた事例です。
「古アパート+月極駐車場」→「賃貸マンション」へ
(※画像はイメージです。出典:http://www.designersmansion-tokyo.com/bukken_detail.php?id=13871626)
<活用前>
- 築30年以上の2階建古アパート8戸と月極駐車場8台を賃貸
- 土地のポテンシャルを最大限に活かしきれていない状態
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
収入:(7万円×8戸+2万円×8台)×12ヶ月=864万/年間
支出:土地建物の税金(約130万円/年間)
収支:864万円−130万円=734万円/年間
<活用後>
- 土地を最大限に活用して5階建マンション23戸と月極駐車場4台を総額4億円で建築
- 建築資金は全額ローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 建物が新しくなるとその分建物の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:(11万円×23戸+2.5万円×4台)×12ヶ月=3156万/年間
支出:土地建物の税金(約330万円/年間)、ローン返済(約1657万円/年間)
収支:3156万円-1987万円=1169万円/年間 ※大幅増収
自己資金なしでも、土地のポテンシャルを最大限に活かして収益力を大幅に増加させながら、大きな相続税節税効果も同時に実現した事例です。
2-2. 賃貸住宅経営がおすすめな人
賃貸住宅経営は、リスクとリターンのバランスや節税効果、土地対応性等の総合的な面からも最も多くの土地オーナーに適応できる土地活用ですが、中でも特に以下の6つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 賃料相場が高いエリアに土地を持っている人
- 地価が高いエリアに土地を持っている人
- 相続対策をメインの目的に土地活用がしたい人
- 住環境の良いエリアに土地を持っている人
- 比較的安定性を重視した土地活用がしたい人
- 駅から徒歩10分以内の都市部に土地を持っている人
賃貸住宅経営の最大のメリットは、「節税効果が高く、比較的多くのエリアで経営可能」という点にあります。
そのため、相続税や固定資産税等の節税を目的とした土地活用であれば、まずは賃貸住宅経営の可能性を検討するとよいでしょう。
賃料相場が高いエリアに土地を持っている人
- このあたりでは一等地と呼べるような良い場所なので、きちんと活用して残していきたい
- 住環境の良い都心の人気エリアなので、それに相応しい土地活用がしたい
賃料相場の高いエリアに所有地がある場合には、安定性・収益性・節税効果が高く総合的な面でメリットの多い「賃貸住宅経営」がおすすめです。
このようなエリアでは、必然的に様々な土地活用の可能性があることが多いですので、幅広く可能性を検討すべきですが、選択肢の中には必ず「賃貸住宅経営」を入れるようにしましょう。
地価が高いエリアに土地を持っている人
- 都市部のブランド地で地価が高く、固定資産税が高いのでなんとかしたい
- 税金対策で土地活用がしたいが、自己資金は出せない
地価が高いエリアに土地を持っている場合、「固定資産税が高い」「相続税が心配」という悩みを持っている人が多いですが、賃貸住宅経営(住居系の土地活用)を行うことで土地の固定資産税は最大6分の1に、土地の相続税評価額はエリアによりますが概ね18~21%引きなり、節税効果が非常に高くなります。
さらに、自己資金がない場合でも土地の担保評価が高くなるため、事業費のほぼ全てを金融機関からの借入で賄うことも可能ですので、地価の高いエリアの土地活用では賃貸住宅経営は非常に適しており、おすすめです。
相続対策をメインの目的に土地活用がしたい人
- 収益性も当然大切だが、相続対策にとして最も効果の高い土地活用がしたい
- 現在は遊休地の状態なので相続税が心配
相続対策としては、相続税法において様々な特例が設けられている賃貸住宅経営(住居系の土地活用)が最も有効であるため、必ず選択肢の中に入れて最有力候補として検討を進めるべきです。
仮に毎年の収益自体は大きくなかったとしても、相続時の節税効果分まで含めて考えると有利になるケースも多いです。
住環境の良いエリアに土地を持っている人
- 閑静な住宅街にある土地を活用したい
- 近くに生活利便施設も充実していて日当たりのよい低層エリアに土地を持っている
上記のような住環境の良い住宅としての価値が高いエリアに土地を持っている人は、賃貸住宅経営で最も大切な要素の一つである「生活環境条件」を満たしているため、賃貸住宅経営が向いている可能性が高いです。
さらに、駅から徒歩10分圏内等の利便性の高い立地であれば「立地条件」も満たした文句無しの環境ですので、「安定性」「収益性」「節税効果」等のバランスが取れた「アパート経営」を最有力候補に検討し、中高層建築も可能なエリアであれば土地を目一杯活用した「マンション経営」等も検討するとよいでしょう。
比較的安定性を重視した土地活用がしたい人
- 土地を残すために土地活用はしたいが、大きな投資は不安なので安定性を重視したい
- 長期的に考えた時に、将来のことはわからないのでなるべく安定性の高い土地活用がしたい
数ある土地活用の種類の中で、国が買取価格を固定している「ソーラー経営」についで安定性が高いのは「賃貸住宅経営(住居系の土地活用)」といえます。
当然、エリア毎の人口動態やマーケットニーズをきちんと捉えて、需要のあるプランニングを行う必要はありますが、それらがクリアできていれば長期に渡って比較的安定経営可能なのが「賃貸住宅経営(住居系の土地活用)」です。
安定性を重視するのであれば、「賃貸住宅経営」は選択肢の中に入れて検討するようにしましょう。
駅から徒歩10分以内の都市部に土地を持っている人
- 駅から徒歩至近の都市部にある使わない実家の土地を上手く活用したい
- 駅まで近くアクセスの良い立地だが、どんな土地活用がよいかわからない
都市部で駅から徒歩10圏内の至近にある土地を持っている人は賃貸住宅経営で最も大切な要素の一つである「立地条件」を満たしているため、賃貸住宅経営が向いている可能性が高いです。
周辺の住環境等にもよりますが、「安定性」「収益性」「節税効果」等のバランスが取れた「賃貸住宅経営」を最有力候補に検討し、場合によっては1階部分にテナントを誘致する店舗併設型賃貸住宅等も検討するとよいでしょう。
「アパート経営」の詳細な検討方法については下記記事をご参考にして下さい。
『土地活用でアパート経営をするべき人と失敗しない為の全知識』
「マンション経営」の詳細な検討方法については下記記事をご参考にして下さい。
3. トランクルーム経営の事例とおすすめな人
トランクルーム経営とは、トランクルーム業者と共同で自分の土地にコンテナを用いた施設を建築したり、建物の一部を収納スペースとして区分し、一般の利用者へ収納スペースとして貸し出す方式の土地活用です。
トランクルーム経営は大きく分けて、以下の2つの型式と3つの運営方式があります。
<型式>
- コンテナ型:コンテナを並べただけのものや、廊下や階段を設置したコンテナ施設を建築する型式(主に郊外に多い)
- ルーム型:日当たりの悪い一階や空き部屋・空きフロア等の建物の一部をロッカーやパーティション等で区分して貸し収納スペースとする型式(主に都市部に多い)
<運営方式>
- 一括借上方式(サブリース):コンテナ施設や建物を土地オーナーが建築しトランクルーム業者へ賃貸する方式
- 業務委託方式:土地オーナーが設備投資と経営を自分で行い、集客や管理のみトランクルーム業者へ委託する方式
- 事業用定期借地方式:トランクルーム業者へ土地を定期借地するだけの方式
3-1. トランクルーム経営の事例
トランクルーム経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「老朽化した古アパート」→「コンテナ型トランクルーム」へ
(※画像はイメージです。出典:引越しの見積もり.jp)
<活用前>
- 築30年以上の2階建古アパート6戸と月極駐車場6台を賃貸
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
収入:(6万円×6戸+1.5万円×6台)×12ヶ月=540万/年間
支出:土地建物の税金(約63万円/年間)
収支:540万円−63万円=477万円/年間
<活用後>
- 投資額を抑えて短期回収路線で10基(区画)のトランクルームと月極駐車場6台へ
- 整備費用は自己資金で総額1000万円
- 住居系建物でなくなると土地の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:(4.5万円×10区画+1.5万円×6台)×12ヶ月=648万/年間
支出:土地建物の税金(約230万円/年間)
収支:648万円-230万円=418万円/年間 ※減収だが高利回り
収支額自体は多少減少したものの、投資額を約2.5年で回収できるという非常に高利回りな土地活用ができた事例です。
3-2. トランクルーム経営がおすすめな人
トランクルーム経営は潜在的需要が多く比較的高利回りな土地活用であるため多くの人に向いている土地活用ですが、特に以下の5つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 住環境の良くない土地を活用したい人
- 短期間で回収可能な土地活用がしたい人
- 賃貸住宅は飽和しているエリアなので他の土地活用を検討したい人
- 駐車場が埋まらないので別の土地活用を検討したい人
- 所有している建物の空室や空きスペースを有効活用したい人
住環境の良くない土地を活用したい人
“線路や高速道路が目の前に通っており、騒音や振動がひどい”
“高い建物に囲まれた北側接道の土地で、全く日が当たらない”
上記のように、土地は所有しているものの人が住むには住環境が良くないというケースは意外と多く、そういった土地で住宅を建築すると賃料や入居率等の面で大きく不利になってしまいすが、トランクルームでは特に大きなデメリットにはならず、むしろ日が当たらない方が保管環境としては良いというような場合すらあります。
住環境の良くない土地を活用したい場合にはトランクルーム経営はおすすめです。
短期間で回収可能な土地活用がしたい人
“将来子供にあげる土地なので、10年ぐらいで次の転用が考えられるようにしておきたい”
“ずっと残す予定の土地なのでとりあえず活用したいが、将来どうなるかわからないので短期で回せるようにしておきたい”
といったような転用性・流動性確保ニーズのある人にとっては、施設建築が必要ではあるものの、その分収益性が高く比較的短期で回収可能な上、居住権や営業権等が発生しないことから比較的転用も容易なトランクルーム経営は最適な土地活用といえます。
賃貸住宅は飽和しているエリアなので他の土地活用を検討したい人
“親から相続した土地を活用したいが、賃貸住宅は既にたくさん建っているため入居が不安”
“既に賃貸住宅を所有しているので別の土地活用でリスクを分散したい”
上記のように賃貸住宅以外での土地活用を検討したい人にとっては、法規さえ満たせば比較的様々な土地に対応可能で高利回りも狙えるトランクルーム経営は一考の価値の高い土地活用です。
駐車場が埋まらないので別の土地活用を検討したい人
“流動性や転用性は確保しておきたいが、駐車場は埋まらなくて困っている”
“埋まらない駐車場を活用したいが、あまりお金は掛けたくない”
埋まらない駐車場を活用する場合、流動性・転用性の確保や初期投資についてのネックが発生する場合が多いですが、トランクルームであれば、居住権や営業権等も発生しないため比較的売却や取壊しも容易で、賃貸住宅等と比較して初期投資も少なくてすむため、代替案として有効な活用方法といえます。
所有している建物の空室や空きスペースを有効活用したい人
“築年数も古く空室も目立ってきたが、まだ入居者もいるため簡単には建替えできない”
“プライバシーやセキュリティー観点で条件の悪い一階部分を住居ではなく有効に活用したい”
トランクルームは物を保管する施設ですので、築年数や住環境に関係なく既存物件でもリフォームすることで有効活用が可能です。
実際、都市部のルーム型トランクルームは既存物件のリフォームが多く、新築に限らず既存物件で悩まれている人にとっても魅力的な活用方法です。
「トランクルーム経営」の詳細な検討方法は下記記事をご参考にして下さい。
4. ソーラー経営の事例とおすすめな人
ソーラー経営とは、その名の通り、土地や建物の屋根等に設置したソーラーパネルによって太陽の光を電力に変換し、発電した電力を、決められた価格で既存の電力会社へ売電するというものです。
法律で定められた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、設置したソーラーパネルの発電規模により10年間ないしは20年間の固定価格で売電することが可能です。そのため、賃貸住宅経営等のその他の土地活用と比べて、空室を気にすることなく、長期的な安定収入が見込めます。
4-1. ソーラー経営の事例
ソーラー経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「未使用農地や資材置き場等の遊休地」→「ソーラー」へ
(※画像はイメージです。出典:https://amnimo.com/column/027/)
<活用前>
- 親が営んでいた郊外の農地を相続するが、農業を継続するつもりはない
- 賃貸住宅や駐車場等の需要はほとんどないエリア
収支:−10万円/年間(固定資産税・都市計画税分マイナス)
<活用後>
- 農地転用して、発電容量約80kW分のソーラーパネル設置
- 整備費用は総額2400万円で、土地を一部売却した資金で充当
- 農地転用して宅地になると土地の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:約8万kW(年間発電量)×11円(固定買取価格)×1.1(消費税)=96.8万/年間
支出:土地の税金(約30万円/年間)、
収支:96.8万円-30万円=66.8万円/年間 ※20年間安定した収益化に成功
建物建築での収益化が難しい郊外の遊休地をローンを組まずに20年間安定した収益化ができた事例です。
4-2. ソーラー経営がおすすめな人
ソーラー経営は2012年に制定された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により新たな土地活用として注目が集まっています。用途が少なく遊休地として放置されていた土地もソーラー経営で最有効活用につながるかもしれません。特に以下の5つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 地価が安いエリアの土地を活用したい人
- 人口が少ない地域等住宅や駐車場の需要が見込めない土地を活用したい人
- 投資額を少なく土地活用がしたい人
- 安定性を最重要したい人
- 転用性を確保しておきたい人
地価が安いエリアの土地を活用したい人
- 「固定資産税が安いので税金対策を考える必要はないが、遊休地を手軽に活用したい」
- 「特に保有コストが高くないので、何も考えずに遊休地のまま放ったらかしになっている」
上記のように、土地は所有しているものの郊外の地下の安い土地で特に保有コストも高くないため、あまりリスクをとってまで活用する気はなく現在は遊休地という人は意外と多いですが、特にそういったニーズの人には手間がかからずリスクの低いソーラー経営はおすすめです。
人口が少ない地域等住宅や駐車場の需要が見込めない土地を活用したい人
- 「田舎の土地で人が少なく、とても賃貸需要があるとは思えない土地はどうしたらいいの」
- 「周りにアパートは建っているものの、空室だらけでとてもじゃないけど自分はできない」
人口が少ない地域ではそもそも収益目的の土地活用は難しいですが、唯一ソーラー経営であれば安定した比較的高利回りな土地活用ができる可能性があります。上記のようなニーズのある人はまずはソーラー経営の可能性を検討しましょう。
投資額を少なく土地活用がしたい人
- 「代々相続されている土地なので残しておきたいが、借金をしてまで多額の投資はしたくない」
- 「地方の土地で何をやっても高い利回りは期待できないので投資額は少なく土地活用がしたい」
上記のように「土地活用はしたいが、多額の投資はしたくない」という人には、ソーラー経営は建物を建てる必要のない数少ない土地活用の一つであり、比較的場所を選ばず全国で安定経営が可能という観点からも最適な選択肢といえるでしょう。
安定性を最重要したい人
- 「親から相続した土地を活用したいが、賃貸住宅は既にたくさん建っているため入居が不安」
- 「既に賃貸住宅を所有しているので別の土地活用でリスクを分散したい」
上記のように賃貸住宅以外での土地活用を検討したい人にとっては、法規さえ満たせば比較的様々な土地に対応可能で非常に安定性が高くエリアによっては他の土地活用よりも高利回りが狙えるソーラー経営は一考の価値の高い土地活用です。
転用性を確保しておきたい人
- 「流動性や転用性は確保しておきたいが、駐車場は埋まらなくて困っている」
- 「埋まらない駐車場を活用したいが、コストの面でも転用性の面でも建物は建てたくない」
埋まらない駐車場を活用する場合、流動性・転用性の確保や初期投資についてのネックが発生する場合が多いですが、ソーラーであれば、居住権や営業権等も発生しないため比較的売却や取壊しも容易で、賃貸住宅等と比較して初期投資も少なくてすむため、代替案として有効な活用方法といえます。
「ソーラー経営」の詳細な検討方法については下記の記事をご参考にして下さい。
5. オフィス経営の事例とおすすめな人
オフィス経営とは、所有する土地にオフィスビルを建築し企業等のテナントへ賃貸することで賃料収入を得るかたちの土地活用です。
オフィス経営の経営(管理)方法は、上図のように「自己経営(管理委託)」か「一括借上(サブリース)」の2種類が一般的ですが、立地の良い都市部等では土地を事業者に貸すだけの「事業用定期借地方式」によるものもあります。
5-1. オフィス経営の事例
オフィス経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「老朽化した古マンション」→「オフィス」へ
(※画像はイメージです。出典:http://www.r-store.jp/room/24153)
<活用前>
- 築35年以上の5階建古マンション18戸を賃貸
- 土地のポテンシャルを最大限に活かしきれていない状態
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
収入:(7万円×8戸+9万円×10戸)×12ヶ月=1756万/年間
支出:土地建物の税金(約95万円/年間)
収支:1756万円−95万円=1657万円/年間
<活用後>
- 土地を最大限に活用して8階建オフィスビルを総額3.5億円で建築
- 建築資金は全額ローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 住居系でなくなり建物が新しくなると土地・建物の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:50万円×8フロア×12ヶ月=4800万/年間
支出:土地建物の税金(約470万円/年間)、ローン返済(約1450万円/年間)
収支:4800万円-1920万円=2880万円/年間 ※大幅増収かつ高利回り
自己資金なしでも、土地のポテンシャルを最大限に活かして収益力を大幅に増加させられた事例です。
5-2. オフィス経営がおすすめな人
オフィス経営は立地を選ぶ限定的なエリアのみで成り立つ土地活用であるため、誰でも行うことができるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 比較的大きい駅の至近に土地を所有している
- 人通りの多い道路沿いに土地を所有している人
- 日当たりが悪い等、住環境の良くない土地を所有している人
- 高利回りな土地活用がしたい人
比較的大きい駅の至近に土地を所有している
- 駅至近の人通りの多い土地を活用したいが、どんな土地活用がよいかわからない
- 駅前のメリットを最大限活かした土地活用がしたい
いうまでもなく駅前の人通りの多いエリアの土地であれば、住居系の土地活用よりも商業系やオフィスにむいています。
そのような土地は収益性を求められる、とても恵まれた立地にありますので、それぞれのメリットを活かして、低層階には商業系テナントを入れて上層階にはオフィスを入れるという混合型の土地活用の可能性を検討するとよいでしょう。
人通りの多い道路沿いに土地を所有している人
- 幹線道路沿いの土地を活用したいが、どんな土地活用がよいかわからない
- 幹線道路沿いという特徴(メリット)を最大限活かした土地活用がしたい
幹線道路沿いの土地では、交通騒音や交通振動等の問題から住居系の土地活用では入居者から敬遠されがちな傾向がありますが、オフィスであれば大きなデメリットにはならず、むしろアクセス性の良さ等から適している場合あります。
幹線道路沿いに土地を所有している人はオフィス経営の可能性も検討することをおすすめします。
日当たりが悪い等、住環境の良くない土地を所有している人
“線路や高速道路が目の前に通っており、騒音や振動がひどい”
“高い建物に囲まれた北側接道の土地で、全く日が当たらない”
上記のように、土地は所有しているものの人が住むには住環境が良くないというケースは意外と多く、そういった土地で住宅を建築すると賃料や入居率等の面で大きく不利になってしまいすが、オフィスでは特に大きなデメリットにはなりません。
住環境の良くない土地を活用したい場合にはオフィス経営は一考の価値があります。
高利回りな土地活用がしたい人
- まだ相続を考えるような年齢でもないので、節税効果よりも収益性にこだわって土地活用がしたい
- 他に賃貸住宅等の低リスクな不動産は所有しているので、収益性重視で土地活用を検討したい
オフィス経営の最大のメリットは収益性の高さであり、需要の高いエリアであれば他の土地活用と比較しても高利回りな土地活用が可能です。そのため、土地活用の目的として、多少リスクを取ってでも収益性を最も重視するという人にとっては最適な土地活用といえます。
6. 商業系施設経営の事例とおすすめな人
商業系施設経営とは、所有する土地にコンビニや飲食チェーン店舗等の店舗事業者と共同で店舗や商業施設を開発・出店する形式の土地活用です。
交通量や人通りの多い道路ほど有利であり、土地の規模に応じてコンビニからショッピングセンターまで様々な商業系施設があります。
商業系施設経営の経営(管理)方法は、上図のように自分で建物を建築する「リースバック方式(一括借り上げ方式)」か土地を貸すだけの「事業用定期借地方式」の2種類が一般的です。
6-1. 商業系施設経営の事例
商業系施設経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「老朽化した古アパート」→「コンビニ」へ
(※画像はイメージです。出典:http://そうだったんだ.com/life/7856/)
<活用前>
- 築30年以上の2階建古アパート10戸と月極駐車場6台を賃貸
- 「交通量の多さ」という土地のメリットを活かしきれていない状態
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
収入:(5.5万円×10戸+0.5万円×6台)×12ヶ月=696万/年間
支出:土地建物の税金(約55万円/年間)
収支:696万円−55万円=641万円/年間
<活用後>
- 立地特性を最大限に活かして平屋のコンビニ店舗を総額6千万円で建築
- 建築資金は全額ローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 住居系の建物でなくなると土地の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:80万円×12ヶ月=960万/年間
支出:土地建物の税金(約205万円/年間)、ローン返済(約249万円/年間)
収支:960万円-454万円=506万円/年間 ※減収だが高利回り
自己資金なしでも、土地の立地特性を最大限に活かして高利回りな土地活用が実現できた事例です。
6-2. 商業系施設経営がおすすめな人
商業系施設経営は人通りの多い道路沿いや商業集積地等、店舗需要があるエリアでなければ経営が成り立たないため、エリアや場所が限定され誰にでもできるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 収益性を重視する人
- 幹線道路沿いに土地を所有している人
- 人通りの多い道路に接道した土地を所有している人
- 周辺に生活利便施設が少なく、地域の利便性向上や価値向上に貢献したい人
収益性を重視する人
- まだ相続を考えるような年齢でもないので、節税効果よりも収益性にこだわって土地活用がしたい
- 他に賃貸住宅等の低リスクな不動産は所有しているので、収益性重視で土地活用を検討したい
ロードサイド店舗経営の最大のメリットは収益性の高さであり、他の土地活用と比較しても非常に高利回りな土地活用が可能です。そのため、土地活用の目的として、多少リスクを取ってでも収益性を最も重視するという人にとっては最適な土地活用といえます。
幹線道路沿いに土地を所有している人
- 幹線道路沿いの土地を活用したいが、どんな土地活用がよいかわからない
- 幹線道路沿いという特徴(メリット)を最大限活かした土地活用がしたい
前述のとおり、幹線道路沿いの土地では、交通騒音や交通振動等の問題から住居系の土地活用では入居者から敬遠されがちな傾向がありますが、逆に店舗であれば交通量が多いほど適しています。
幹線道路沿いに土地を所有している人はまずはロードサイド店舗経営の可能性を検討することをおすすめします。
人通りの多い道路に接道した土地を所有している人
- 駅前や商業エリア等のにぎやかな道路沿いの土地で、高収益な土地活用がしたい
- 住宅街から駅までの通り道にある土地なので、人通りの多さを活かした土地活用がしたい
幹線道路沿いの土地同様、人通りの多い土地の1階部分は防犯面やプライバシー面で住居系の建物では敬遠されますので、店舗の可能性を検討すべきです。
人通りが多いということは商業系と住居系両方の需要がある可能性が高いため、店舗のみを建築してもよいですし、2階部分以上に賃貸住宅を併設したマンション形式での活用を検討するのもよいでしょう。
周辺に生活利便施設が少なく、地域の利便性向上に貢献したい人
- 土地活用をするなら、自分の収益のためだけでなく、地域住民が喜ぶ土地活用がしたい
- 車社会で周辺に何もなく、高齢化も進んできている地域なので、自分の土地を活用して地域のためになるようなことがしたい
店舗というと、まず最初に収益性が思い浮かびそうですが、前述の通り、ロードサイド店舗は地域の利便性向上や雇用創出等、地域発展に貢献できる数少ない土地活用の一つです。
同時に収益性も求められますので、上記のような地域貢献志向の高い方には非常に検討価値の高い土地活用といえます。
7. 医療系施設経営の事例とおすすめな人
医療系施設経営とは、所有する土地に開業医や医療法人等の医療事業者と共同でクリニックや病院を開発・開設する形式の土地活用です。
診療科毎に見込める診療圏内に一定以上の人口が存在し、需要が見込める場合に、あらかじめ開業医や医療法人と提携した上で、開発を行うのが一般的です。
医療系施設経営の経営(管理)方法は、上図のように自分で建物を建築する「リースバック方式(一括借り上げ方式)」か土地を貸すだけの「事業用定期借地方式」の大きく2種類がありますが、比較的規模の小さいクリニックであれば「リースバック方式」が、比較的規模の大きくなる病院であれば「事業用定期借地方式」が多いです。
7-1. 医療系施設経営の事例
医療系施設経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「老朽化した古アパート」→「内科クリニック」へ
(※画像はイメージです。出典:http://www.aiwahousing.jp)
<活用前>
- 築30年以上の2階建古アパート8戸を賃貸
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
- 他にアパートを複数棟所有しており、収益よりも社会貢献ニーズが強いオーナー
- 住宅街ながら医療系施設がなく不便なエリア
収入:6万円×8戸×12ヶ月=576万/年間
支出:土地建物の税金(約65万円/年間)
収支:576万円−65万円=511万円/年間
<活用後>
- 開業希望医師への長期一括貸しを前提に総額7千万円で内科クリニックを建築
- 建築資金は全額ローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 住居系の建物でなくなると土地の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:70万円×12ヶ月=840万/年間
支出:土地建物の税金(約250万円/年間)、ローン返済(約290万円/年間)
収支:840万円-540万円=300万円/年間 ※減収だが地域の利便性向上
所有地を活かして、既存所有アパートとの競合を避けながら、地域住人への貢献度の高い土地活用を自己資金なしで実現できた事例です。
7-2. 医療系施設経営経営がおすすめな人
医療系施設経営は場所を選ぶため誰にでもできるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 社会貢献性を重視する人
- 近くに病院の少ない住宅地やその周辺に土地を所有している人
- 200坪以上の比較的大きなサイズの土地を所有している人
- 住宅の供給が過剰なエリアに土地を所有している人
社会貢献性を重視する人
- 代々残してく予定の土地なので、人のためになるような土地活用がしたい
- 他に賃貸住宅等の不動産は所有しているので、社会貢献性重視で土地活用を検討したい
医療・福祉が課題となる今後の日本の社会を見据えた際に医療系施設経営は最も社会貢献性の高い土地活用の一つといえます。
土地活用の目的として、「自分の資産を活かして社会のために」という意識の高い人にとって、医療系施設経営や介護施設経営は最適な土地活用です。
近くに病院の少ない住宅地やその周辺に土地を所有している人
- 最近住宅街が整備されてきており、周辺に医療系施設が不足している
- 近隣のエリアがこれから開発される予定であるが、医療系施設はあまいない
人口が増えると必ず問題になるのがインフラや医療・福祉系施設の整備ですが、もともと医療系施設が足りていないエリアや、今後大きく人口が増えるようなエリアでは医療系施設の需要が高いといえますので、そのようなエリアに土地を所有している人には、医療系施設経営は最適の土地活用といえます。
200坪以上の比較的大きなサイズの土地を所有している人
- 土地の規模が大きいので一般の賃貸住宅では戸数が多くなってしまい、空室が心配
- 折角のまとまった土地なので、小分けにせず、最大限活かして一体で活用したい
大規模な土地を活用する際に必ず出てくる懸念が「需要と供給の問題」であり、空室リスクをヘッジするために、「とりあえず土地を小分けにして小さく始める」ということはよくある話ですが、医療系経営ではむしろ一定規模以上の土地がひつようであり、まとまった土地を安定的に活用することが可能です。
住宅の供給が過剰なエリアに土地を所有している人
“親から相続した土地を活用したいが、賃貸住宅は既にたくさん建っているため入居が不安”
“既に賃貸住宅を所有しているので別の土地活用でリスクを分散したい”
上記のように賃貸住宅以外での土地活用を検討したい人にとっては、診療圏の医療需要と医師の開業希望さえ見つかれば、法規的には比較的様々な土地に対応可能で社会貢献生も高い医療系施設経営は一考の価値の高い土地活用です。
8. 介護系施設経営の事例とおすすめな人
介護施設経営とは、高齢者人口の多い地域や介護需要が多く施設が不足しているエリアにおいて、介護事業者と共同で介護施設を開設する形式の土地活用です。
介護系施設経営の経営(管理)方法は、事業者により上図のように自分で建物を建築する「リースバック方式(一括借り上げ方式)」か土地を貸すだけの「定期借地方式」の大きく2種類がありますが、基本的に民間建築の場合には「リースバック方式」が一般的です。
下図にまとめている通り、介護系施設には多くの種類が存在し、種類によって提供されるサービスが異なるため必要な建物規模や民間建築の可否・総量規制(行政による建築規制)の対象等が違ってきます。
8-1. 介護系施設経営の事例
介護系施設経営のよくあるパターンの活用事例をご紹介します。
「古アパート+月極駐車場」→「介護付有料老人ホーム」へ
(※画像はイメージです。出典:https://www.starts-cam.co.jp/architecture/steel_case03/)
<活用前>
- 築30年以上の2階建古アパート2棟16戸と月極駐車場36台を賃貸
- 土地のポテンシャルを最大限に活かしきれていない状態
- 建物も老朽化しており、維持するには大規模な修繕が必要
収入:(8万円×16戸+2万円×36台)×12ヶ月=2400万/年間
支出:土地建物の税金(約615万円/年間)
収支:2400万円−615万円=1785万円/年間
<活用後>
- 土地を最大限に活用して3階建介護付有料老人ホーム70床を総額8億円で建築
- 建築資金は1.6億は介護事業者からの保証金、残額はローンで充当(30年返済・金利1.5%)
- 建物が新しくなるとその分建物の固定資産税・都市計画税が上がるものの…
収入:595万円×12ヶ月=7140万/年間
支出:土地建物の税金(約1160万円/年間)、保証金返還(533万円/年間)、ローン返済(約2650万円/年間)
収支:7140万円-4443万円=2697万円/年間 ※大幅増収と社会貢献を両立
自己資金なしでも、土地のポテンシャルを最大限に活かして収益力を大幅に増加させながら、社会貢献性と大きな相続税節税効果も同時に実現した事例です。
8-2. 介護系施設経営経営がおすすめな人
介護施設経営には基本的にまとまった大きさの土地が必要であるため誰にでもできるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 社会貢献性を重視する人
- まとまった大きさの土地を安定的に活用したい人
- 駅から遠い土地で収益性の高い土地活用がしたい人
- 既に賃貸住宅経営をやっているため、他の土地活用で節税効果を重視したい人
社会貢献性を重視する人
- 代々残してく予定の土地なので、人のためになるような土地活用がしたい
- 他に賃貸住宅等の不動産は所有しているので、社会貢献性重視で土地活用を検討したい
今後の日本の社会を見据えた際に介護施設経営は最も社会貢献性の高い土地活用といえます。
土地活用の目的として、「自分の資産を活かして社会のために」という意識の高い人にとって、医療系施設経営や介護施設経営は最適な土地活用です。
まとまった大きさの土地を安定的に活用したい人
- 土地の規模が大きいので一般の賃貸住宅では戸数が多くなってしまい、空室が心配
- 折角のまとまった土地なので、小分けにせず、最大限活かして一体で活用したい
大規模な土地を活用する際に必ず出てくる懸念が「需要と供給の問題」であり、空室リスクをヘッジするために、「とりあえず土地を小分けにして小さく始める」ということはよくある話ですが、介護施設経営では大規模な土地を最大限に安定的に活用することが可能であり、そういったニーズのある人にとっては最適な土地活用といえます。
駅から遠い土地で収益性の高い土地活用がしたい人
- 所有地が駅から遠い土地なため、一般の賃貸住宅等は不向きといわれた
- 駅からの距離が遠いため、駅前の物件よりもかなり安い賃料で貸している
介護施設経営の大きなメリットとして、「駅からの距離等のアクセス性に大きく左右されない」ということが挙げられます。
当然、アクセス性は良い方が良いのは事実ですが、介護施設経営ではアクセス性よりも住環境が優先されるため、周辺の生活利便施設さえ整った場所であればアクセス性が良くない場所であっても、相対的に収益性の高い土地活用が可能です。
また、介護付き有料老人ホーム等の要介護度の高い人向けの施設では、地域毎の需給バランスが重要であり、アクセス性も住環境も良くない場合でも大きな問題とならないケースも多くあります。
そのため、上記のようなニーズを持った人にとっても介護施設経営は検討価値の高い土地活用といえます。
既に賃貸住宅経営をやっているため、他の土地活用で節税効果を重視したい人
- 相続税対策で土地活用を検討しているが、既に所有している賃貸住宅と競合しないような土地活用がしたい
- 節税効果が最も重視する項目だが、賃貸住宅は飽和しているため他の土地活用を検討したい
節税効果のある土地活用というと「住居系の土地活用」に限られるため、主に「賃貸住宅経営」か「住居系の介護施設経営」に絞られてきます。
その中でも、賃貸住宅経営は最も一般的であり、全国的に飽和しているエリアも多いですが、介護施設経営はまだまだ足りていない地域が圧倒的であり、節税効果を重視する人にとっても検討価値の高い土地活用です。
「介護系施設経営」の詳細な解説については下記の記事をご参考にして下さい。
9. 土地活用を業者に相談する際の2つの注意点
土地活用を業者に相談する際には、必ず以下の2つの注意点を守るようにしましょう。
- 土地活用専門の担当者(部署)に依頼する
- 複数の業者を比較した上で条件交渉する
規模の大きなハウスメーカー等では、戸建住宅をメインに扱う担当者・部署と土地活用をメインに扱う担当者・部署の大きく2種類が存在しますが、当然のことながら土地活用については土地活用をメインに扱う担当に依頼するべきです。
しかしながら、基本的に建築会社では最初にコンタクトを取った営業マンが担当となるケースが多いため、中には戸建住宅メインの担当が土地活用の提案を行うということも多くあり得ます。そのため、より良い提案をしてもらうためにも、むやみに住宅展示場等の営業マンに相談するのではなく、土地活用を専門に扱う部署へ直接問い合わせることをおすすめします。
また、当然のことながら、同じ土地であっても業者や担当者によって提案内容や条件に大きな差が出てきます。プランや構造等、無限に提案の余地のある土地活用において、すべての可能性を検討するのは不可能ですが、後悔することのないように可能な限り少しでも多くの業者を比較検討した上で、しっかりと条件交渉するようにしましょう。
上記2点を踏まえて、最も簡単で便利な方法として一括資料請求サービスの活用がおすすめです。
一括資料請求サービスを活用するメリット
一括資料請求サービスを活用すると、相談者の「住所」や「建築地」「相談内容」などをもとに最適な専門部署に繋いでもらえます。
また、一度に複数社にまとめて依頼できるので、手間を掛けずに多くの業者を比較することができます。
土地活用の一括資料請求サービスを行っている会社は10社以上ありますが、私が対応エリアや対応種類、参加企業・実績等の観点で、いろいろと比較した上で、総合的に最もおすすめなサイトは大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」です。
まずはこのサイトから一括資料請求して情報収集した後に、気になる業者に本格的に相談するとよいでしょう。
HOME4Uには、不動産売却など土地活用以外にも色々なサービスがありますので、下記の土地活用専用の公式ページから一括請求するとよいです。
HOME4U(ホームフォーユー)土地活用:https://land.home4u.jp
10. まとめ
いかがでしたでしょうか。
代表的な土地活用についての理解が深まり、所有地の活用方法についての疑問や悩みが大きく解消できたのではないでしょうか。
所有地の条件や土地活用の目的に照らして、最適な活用方法は人それぞれ異なりますが、土地は所有しているだけでも毎年安くない税金が掛かりますので、折角の土地を負の資産にしないためにも、積極的に活用して収益を生み出す方法を検討するのが得策だと思います。
本ページでは「代表的な8種類の土地活用の特徴とおすすめな人」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で行えば、きっと後悔しない土地活用ができるでしょう。
ご自身のニーズに合わせて、最適な活用方法を比較検討してみて下さい。
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土地活用は、後からの計画の変更が難しいため、時間をかけてじっくりと最適な方法を検討するべきです。
将来的なニーズのある人は、大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」などの一括資料請求サービスを利用しながら、早めにまずは事前情報収集から検討を始められることをおすすめします。