土地売却のプロが教える仲介手数料の相場と安くするノウハウ全集
土地売却を検討していて、「売却にかかる仲介手数料っていったい何のための費用なの?」「いくらぐらいかかって、安く抑えたりできるの?」と気になっていませんか?
首都圏の土地価格は過去20年で見ても高い水準にあり、自宅や投資用の土地売却を検討するには今が絶好の時期であることは間違いありません。
しかし、土地売却にかかる様々な費用の中でも圧倒的に大きな金額となる「仲介手数料」については、しっかりとその必要性や金額等について理解していないと、「思っていたよりも全然利益が上がらなかった…」なんてことにもなりかねません。
このページでは、元大手不動産会社に勤務し、延べ2,000件以上の不動産売却に携ってきた筆者が、「土地売却にかかる仲介手数料に関する全知識」について、以下の流れに沿ってご紹介します。
すべて読めば、「土地売却にかかる仲介手数料」について、プロと同等の知識が身につき、安く抑えて賢く売却できるようになるでしょう。
売り時は今!利上げで今後地価は下落する
2024年に日銀が行ったゼロ金利の解除は、住宅ローン金利を引き上げ、これまで好調だった不動産相場の暴落へとつながります。
アメリカでは2022年に大きな利上げがあり、都心のビルが半値で売却されるなど、実際に不動産価格の暴落が起きています。
来年以降は売却益が半減するリスクもあり、かろうじて低金利が続く2024年はまさに土地の売り時と言えます。
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目次
1. 土地売却時の仲介手数料とは何のための費用なのか?
仲介手数料を安く抑えるために、まず最初に、「そもそも仲介手数料とはいったい何のための費用なのか」ということを理解しておきましょう。
1-1. 土地売却の仲介手数料とは
不動産業者に買い主を見つけて来てもらうところから、契約・引渡しまでスムーズに行うためのあらゆるサポートをしてもらう対価として支払う手数料
土地売却には、概ね下図のような4つのフェーズと10のステップがあります。
これらのステップを素人が全て一人で行うのは知識的な面でも時間的な面でも難しいため、専門の不動産業者と媒介契約を結び、全体的なサポートをしてもらうのが一般的です。
その媒介契約に基づく全体的なサポートの成功報酬として支払うのが「仲介手数料」です。
“単純に広告を出して買い主を見つけてくるだけ”といった誤った理解をされている人も多いですが、実際にこれらのステップの中では多くの段取りが必要で、滞りなくスムーズに行うためには相応の知見も必要であるため、実は、専門家によるサポートには相応の大きな価値があると言えます。
仲介業者を使わずに仲介手数料なしで土地売却することは可能か?
もし、上記のステップを全て自分できる場合には、仲介業者を使わずに土地売却することも可能です。
その場合、土地売却にかかる費用の中で圧倒的に大きな金額となる「仲介手数料」をかけずに売却でき、利益を大きくすることができます。
しかしながら、仲介業者を使わずに土地売却する場合には以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- 売却期間中かなりの時間と労力を売却活動に割かなければならない
- 個人間売買となるため買い主側から見た信用が下がる
- 買い主に対する金融機関の融資条件に宅建業者による仲介が必須となっていることがほとんど
- 売却後にも何かあった際には自分で対応しなければならない
当然のことながら、仲介業者はそれを専門の仕事としているため毎日売却活動に十分な時間と労力を割くことができますが、自分で売却する場合にはそれと同じように相当の時間と労力を割く必要があります。
また、個人間売買の場合には買い主から見た信用性が下がることから、物件への問合せ自体が少なくなったり、買い主がローンによる取得を検討している場合には金融機関の融資条件に当てはまらず対象から外れてしまうリスクもあります。
1-2. 土地売却の仲介手数料に含まれる業務の内容
仲介手数料の対象となる仲介業務には、一般的に以下のような内容が含まれています。
- マーケティング・ターゲティング
- 測量・各種調査の手配
- 探客・広告活動
- 現地確認等の段取り手配・立会い
- 条件交渉の代行・仲立ち
- 融資サポート
- 契約書・重要事項説明書の作成
- 登記手続き手配
- 残置物処分や解体工事等の手配・サポート
- 確定申告のためのサポート
- その他個別に必要なサポート等
色々と書いてありますが、要は“土地売却に必要なことはほぼ全て”です。
そのため、不動産業者と媒介契約を結ぶだけで、売主はほぼ何もしなくてもまるで執事のように全てサポートしてもらえます。
1-3. 土地売却の仲介手数料が発生するタイミング
売り先決定・契約時に50%、決済・引き渡し時に50%を、二回に分けて業者に払うことが一般的です。
契約時点で資金に余裕がない場合などは、仲介業者との交渉により、決済・引渡し時に売却額の中から一括して支払いをするケースもあります。
2. 土地売却の仲介手数料の法定上限と現実的な相場
土地売却の仲介手数料には、宅建行法により定められた法定上限があり、仲介業者はその額を超えて手数料を受領してはならないことになっています。
その法定上限と実際の現場での現実的な相場について解説していきます。
2-1. 土地売却の仲介手数料の法定上限
宅建行法に基づく、仲介手数料の上限額は以下の通りです。
売買価格(税込み) | 仲介手数料の金額 |
---|---|
200万円以下の金額 | 5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下の金額 | 4%+消費税 |
400万円を超える金額 | 3%+消費税 |
土地売却の場合、ほとんどのケースで400万円を超えると思いますが、400万円を超える場合に簡単に仲介手数料上限額を計算するための計算式はこちらです。
簡易計算式:仲介手数料の上限額 =「売買価格」 × 3% + 6万円 + 消費税
仲介業者が一件の案件で売り主と買い主双方から受け取る仲介手数料は、それぞれ上記の計算式の金額以内でないといけません。
逆に言うと、売り主も買い主も同じ仲介業者が見つけてきた場合には、合計で「売買価格の6%+12万円+消費税」もの多額の仲介手数料を受領しても良いことになっています。
2-2. 土地売却の仲介手数料の現実的な相場
仲介手数料は、ほとんどの業者が法定上限で料金設定しているとういのが現実です。
当然のことながら、商売としてやっている仲介業者からすると、できるだけ高く仲介手数料をもらえた方が良いため、初期の段階では、ほとんどの業者が法定上限で料金設定しています。
また、他の業界と違って、あまり価格破壊が起こらないのが不動産業界の特徴で、長らく仲介手数料は「3%+6万円+消費税」が当たり前といった慣習が根付いています。
3. 土地売却の仲介手数料は安くできる!目安・方法と注意点
前項でご紹介したとおり、「3%+6万円+消費税」が当たり前といった慣習が根付いている仲介手数料ですが、実は、多くの業者を比較しながら事前に上手く交渉していけば安くしてもらえるケースも多いです。
その際の目安や具体的な方法を解説していきます。
3-1. 土地売却の仲介手数料を安く抑える上での目安
- 目安:「2%~2.5%+消費税」程度(※物件次第では、最高で半額の1.5%というケースもある)
仲介手数料を安くしてもらう際の絶対的な目安というものがあるわけではありませんが、私が仲介してきた過去2,000件以上の案件や周囲で目にしてきた経験則からすると「2%~2.5%+消費税」程度というケースはよくありました。
しかしながら、そのような値引きをするケースとしては、あくまで限定的で主に以下のような場合に多いです。
- 何度も取引を頂いているお得意様へのサービスとして値引く
- 大事な顧客や取引先からの紹介でサービスとして値引く
- 案件が少ない時期に、他の仲介業者と競合していてやむなく値引く
- 金額が大きな案件で、他の仲介業者と競合していてやむなく値引く
- すぐに売れそうな人気案件で、他の仲介業者と競合していてやむなく値引く
- 今後の継続的な取引が見込めそうな顧客で、他の仲介業者と競合していてやむなく値引く
1や2は特別な人へのサービスですので、誰もが受けられるものではないと言えますが、3~6は複数の業者を比較しながら上手く交渉すれば、誰にでも可能性のあるケースと言えます。
特に「3と4」や「3と5」など複数の条件が当てはまった場合等では大きく値引きをしてもらえる可能性も高くなり、最高で半額の1.5%まで値引きされたケース等も目にしたことがあります。
そのため、仲介業者を選ぶ際には必ずできるだけ多くの業者を比較して、事前に仲介手数料を安くしてもらう交渉をしてから媒介契約を結ぶようにしましょう。
3-2. 土地売却の仲介手数料を安く抑えるための3ステップ
参考までに、実際に仲介手数料を安く抑えるための賢い交渉の進め方についてご紹介します。
仲介手数料を安く抑えるためには、以下の3ステップに沿って交渉を進めるのがおすすめです。
- ステップ①|複数社から査定を取り条件を比較する
- ステップ②|最も仲介手数料の安い業者の条件を基準に他の業者と交渉する
- ステップ③|ステップ②を何度か繰り返した後に最も条件の良い業者と最終交渉する
以下、一つ一つ具体的に解説していきます。
ステップ①|複数社から査定を取り条件を比較する
まずは、できるだけ多くの業者(5社以上が理想)から売却価格査定を取り比較しましょう。
できるだけ多くの業者から査定をとる目的としては、単に後の交渉材料を集めることだけではなく、下記のような点について具体的な説明ができる力のある業者と出会う確率を上げるというものがあります。
- ターゲットとなる購入者像
- 競合となりうる物件と比較した上で有利、不利な点
- 具体的な販売手法(どのように広告を売っていくか等)
上記のようなマーケティングがしっかりとできていない業者と契約しても、仮に仲介手数料で多少経費が抑えられたとしても、そもそもの売却価格で損をしてしまいかねません。
そのため査定を取る際は、業者から査定の根拠について上記のような具体的な説明があるかどうかについても注目し、説明がなかったり、質問にも納得のいく回答がない業者については、次のステップ以降の交渉の対象から外しておきましましょう。
ステップ②|最も仲介手数料の安い業者の条件を基準に他の業者と交渉する
複数社の査定が出揃ったところで、一度すべての業者に「仲介手数料を安くしてもらえないか」という相談をしてみます。
次に、相談に応じてくれた業者の中で最も安い業者の条件を基準にして、その他の業者に「これ以上の条件でやってもらえないか」という相談・交渉を行いましょう。
ステップ③|ステップ②を何度か繰り返した後に最も条件の良い業者と最終交渉する
ステップ②の交渉を必要に合わせて何度か繰り返すと、各業者の最終条件が出揃うことになりますが、ここで大切なのが、「最も条件の良い業者に、即決を条件に最後の一声でさらに安くしてもらえないかどうかを聞いてみること」です。
上手くいくと、「最後の気持ち程度の値引き」や「別のポイントでの付加サービス」等のさらに良い条件がもらえる可能性もあります。
このような流れで進めていくと、最良の条件を引き出せる可能性がグッと高まってくるでしょう。
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3-3. 土地売却の仲介手数料を安く抑える上での3つの注意点
仲介手数料は安くしてもらうよう交渉していく上では、当然に注意点も存在するため、きちんと理解して上で行うことが大切です。
土地売却の仲介手数料を安く抑える上で、抑えておくべき注意点は以下の3つです。
- 業者が仲介手数料を値引くのはあくまで魅力的な案件だからと心得る
- やりすぎると割りの良い他の案件を優先される可能性がある
- サービスの質を担保した上でどれだけ安くしてもらえるかが一番大切
上記の3点は非常に重要なポイントですので、以下一つ一つ具体的に解説していきます。
業者が仲介手数料を値引くのはあくまで魅力的な案件だからと心得る
仲介業者が仲介手数料を値引くのには当然に理由があり、“その物件が簡単に売れて十分な利益が取れそうな魅力的な条件の物件だから”です。
仮に、1億円の土地を仲介するのと2千万円の土地を仲介するのとでは、売却のフローやサポートの内容は変わらないのに報酬は5倍も違ってきます。
また、簡単に買い手が見つかりそうな好立地・希少エリア物件等の人気物件と、同じような条件の類似物件が多数売りに出ているような物件等とでは、売却までにかかる時間と労力が大幅に違ってきます。
これらのような業者側の本音事情も理解して、自分の所有する物件が業者にとってどれだけ魅力的な物件なのかをそれぞれの業者に確認しながら、的を得た範囲内で最大限の交渉をするように心掛けましょう。
業者の懐事情や得意分野等によっても、同じ物件でも魅力度の評価は変わってきますので、やはりできるだけ多くの業者を比較することが大切になってきます。
やりすぎると割りの良い他の案件を優先される可能性がある
前項のとおり、業者も商売としてやっている以上、割りの良い案件を優先しながら全案件を回していくというのは自然なことです。
そのため、仲介手数料等の条件を交渉しすぎると、仮に媒介契約できたとしても、対応が遅くなったり、知らないところで良い買い手を別の案件に回されてしまったりといった「サービスの質の低下」に繋がるリスクもありますので注意が必要です。
あくまで「人が提供するサービス」であるため、一方的な強い交渉ではなく、相手が快く受け入れられるような内容で交渉するようにしましょう。
サービスの質を担保した上でどれだけ安くしてもらえるかが一番大切
複数の業者と交渉の末、最終的な条件が揃った段階で業者を決める際には、「仲介手数料の安さ」よりも「サービスの質がきちんと担保されるか」の方が重要です。
前項のように、仲介手数料は安く抑えられたとしても、サービスの質が悪くなってしまうような不誠実な業者を選んでしまうと、「結果的に全く良い条件の買い手がみつからずに無駄な時間だけを費やしてしまう…」なんてことにもなりかねません。
このような事例は業界のあるあるですので、「誠実で安心して任せられそうな業者の中でどれだけ安くしてもらえるか」というスタンスで検討するようにしましょう。
4. 仲介手数料だけじゃない!土地売却でかかるその他の費用
土地売却では、一般的に売却額の10%前後の費用がかかるとされています。最も大きなものは仲介手数料ですが、その他にも少額のものから数十万単位のものまで、数多く発生してきます。
売却活動中や、売却後において、いざ費用が発生したときに焦らないためにも、費用の内容や発生のタイミングまで抑えた上で、余裕を持った資金計画を立てていくことが重要です。
土地売却にかかる費用について、以下の3種類に分けて解説していきます。
- 必ずかかる費用
- 状況次第でかかる費用・税金
- 戻ってくる可能性のある費用・税金
4-1. 必ずかかる費用
一般的な仲介業者を通しての売却の場合、仲介手数料と同じく、印紙代ついては必ず発生してきます。
印紙代(印紙税)
印紙代(印紙税)とは、簡単に言うと、「売買契約書の作成にあたりかかる税金」です。
印紙税の額は、物件の売却価格(契約書に記載される金額)によって以下のようになります。
売却価格 (契約書に記載された契約金額) | 税額 |
---|---|
100万円超、500万円以下のもの | 1,000円 |
500万円超、1,000万円以下のもの | 5,000円 |
1,000万円超、5,000万円以下のもの | 1万円 |
5,000万円超、1億円以下のもの | 3万円 |
1億円超、5億円以下のもの | 6万円 |
5億円超、10億円以下のもの | 16万円 |
売買契約書は売主用、買主用に二枚作成されることが多く、それぞれが自分の分の契約書の印紙代を負担するのが一般的です。
契約書を作成する売買契約の際に支払いが必要となります。
4-2. 状況次第でかかる9つの費用
- 測量費用
- 境界確定費用
- 物件調査費用
- 追加広告費
- 残置物処分・解体費用
- 抵当権抹消登記費用
- ローン返済手数料
- 譲渡所得税・住民税
- 消費税
物件の状態や売主の事情、高く売るための戦略等、「状況次第でかかる費用」には上記のような9つの費用が挙げられます。
売主の方針次第でかけずに済むものから、条件が当てはまると必ずかかるものまで様々ですので、以下一つ一つ解説してきます。
測量費用
測量費用は、売出し時の物件内容の確定のために必要な費用です。
現況図を作るための「現況測量」と隣地との境界確定までやる「確定測量」があり、少なくとも土地の売却にあたっては「現況図」が必要であることから、もし手元に現況図がない場合や、図面はあるものの古すぎて現況と正確に合致するか不明な場合には改めて現況測量する必要があります。
稀に、古い測量図や全く測量図をつけずに土地が売りに出されているケースもありますが、そのような物件では実際の大きさが不明確であり、リスクが大きすぎて買い手がつかない可能性が大です。
- 現況測量費の目安:100㎡の四角い土地の場合 → 10~20万円(高低差・敷地内容により変わる)
- 目安期間:測量1~2日程度、図面作成1週間程度
境界確定費用
境界確定費用とは、前項の測量に伴い隣地との境界まで確定するための確定測量にかかる費用です。
土地の購入希望は、「境界がすべて確定されている土地」と「一部未確定の土地」とでは、当然に前者を好みますので、確実に高値で売却したい場合には確定測量により境界確定までしておいた方が得策です。
しかしながら、境界を確定するためには、全隣地の所有者全員と現地立会い等で意思確認を行い、登記書類への署名捺印まで必要になることから、ただでさえ相応の時間と手間がかかる上、一人でも非協力的な隣地所有者がいると完了できないという難しい作業が要求されます。
そのため、土地家屋調査士や測量士等に委託する費用と確定完了までにかかる時間(やってみないとわからない)が売主にとっての大きな負担となり得るため、状況によって判断すべきでしょう。
- 確定測量費の目安:100㎡で隣接地が4つの場合 → 30~40万円(広さ・状況によって変わる)
- 目安期間:現況測量1~2日程度、境界確定・図面作成3ヶ月程度(物件によっては〜数年もある)
物件調査費用
物件調査費用とは、工場跡地等で、明らかに土壌汚染等が心配されるような場合に、その状態を調査するための調査費や、明らかに地盤が悪そうな場合等で建物建築の可能性を探る上での地盤調査の費用等のことです。
基本的に、通常の住宅地等ではそこまでの調査は行いませんが、上記のような理由から調査をして結果を公表しないと買い手がつかなさそうな場合等に売却戦略としてあえて行うケースがあります。
こちらも、相応の費用と時間がかかる上、結果次第ではより売りにくくなる可能性もあるため、仲介業者と相談しながら状況次第で判断した方がよいでしょう。
- 土壌調査費用の目安:100㎡の土地の場合 → 30~50万円
- 目安期間:調査から報告書の作成完了まで → 1ヶ月弱
追加広告費
一般的な広告(レインズやポータルサイトへの登録、チラシのポスティング、店頭での紹介)の費用ついては業者負担となります。
しかしながら、有料であることを確認の上、売り主から業者に別途広告を依頼した場合には追加広告費が発生してきます。
宅建業法の中で、売り主からの依頼のない広告費用の請求は禁止されてるため、基本的に売主側から依頼をしない限りは費用が発生することはありません。
- 目安予算:売り主から特別に依頼しない限りゼロ(基本的に不要)
残置物処分・解体費用
残置物処分・解体費用は、売却土地に何か私物や売買契約によって事前に解体・処分する約束をしたモノや建物・工作物等がある場合に発生する費用です。
ゴミや私物の備品等の小さなものから樹木や老朽建物・工作物等の大きなものまで様々な対象がありますが、売主が費用負担するか買主が費用負担するかは契約条件の交渉の内容によって変わります。(どちらにせよ売却代金増減によって調整されるのが一般的です)
また、場合によっては購入希望者の現地確認の際の印象を上げるために売り出し前に処分するケースもあります。
手持ち資金に余裕がない場合には、契約手付金の金額を多めに交渉するか、仲介手数料の部分金を減らすないしは無しにするように事前に交渉しておきましょう。
- 処分費用の目安:軽トラック一台分 → 3~5万円(残置物の種類、状態によって変わる)
- 解体費用の目安:木造建物(30坪)の解体の場合 → 100~150万円(解体物の構造や広さによって変わる)
抵当権抹消登記費用
抵当権とは、仮に物件の持ち主がローンの返済に行き詰まった場合、銀行が物件を競売に出して残債を回収できる権利のことを言います。
ローンが残っている物件には、銀行による抵当権がついていますが、売却して所有権を買主に移すためには、ローンを完済し、抵当権を外す手続きというのが必要になります。
通常、決済・引渡し時に買い主から支払われる代金にてローンを一括返済し、同時に司法書士が抵当権を消し、所有権を買主に移す手続きをまとめて行うことになります。
所有権を移す手続きにかかる税金と、司法書士への報酬が「抵当権抹消登記費用」ということになります。
- 目安予算:1.5万円程度(不動産1個につき1,000円+諸経費+司法書士報酬)
ローン返済手数料
前述の通り、物件の所有権を買主に移すには、抵当権を外すためにも、ローンの完済が必須となりますが、一定期間の支払いが残っているローンを一括返済する形となる場合には、それについても費用がかかってきます。
こちらは、金融機関との契約内容によって金額は大きく異なりますが、決済・引渡し時に一括返済するタイミングで数万円程度の手数料がかかります。
- 目安予算:3万円程度(金融機関・契約内容による)
譲渡所得税・住民税
土地売却で譲渡所得(売却益)が出た場合、翌年3月の確定申告により譲渡所得税及び住民税といった税金を支払わなければなりません。
譲渡費用(仲介手数料、確定測量費、空き家の解体費等の売却費用)については課税対象となる利益から差し引くことが可能になります。
課税対象となる譲渡所得(売却益)は、具体的に下記の計算式で求められます。
- 譲渡所得=「売却価格」−「取得費」−「譲渡費用(仲介手数料等)」
売却物件の用途や売却目的・売却理由等により様々な特別控除が用意されているため、最終的にかからずに済むケースの方が多いですが、仮にかかる場合には、物件の所有期間に応じて税額が大きくなりますので、事前に理解して残しておく必要があります。
- 所有期間5年超の場合:売却益にかかる税率=20.315%
- 所有期間5年以下の場合:売却益にかかる税率=39.63%
※売却益=売却価格ー物件の取得費ー売却費用(仲介手数料等)
消費税
一般個人にはあまり関係のない話ですが、売り主が消費税の課税事業者に該当している場合には、土地売却の建物部分について消費税がかかりますので注意が必要です。
課税事業者とは、基準期間(前々年度1年間or前年度の上半期)の課税売上が1,000万円以上ある個人及び法人のことを指します。
課税事業者に該当している場合には、建物部分につき消費税を買い主から預かり、翌年の確定申告により納付しなければなりません。
土地(区分所有対象地含) | 建物 | |
一般個人 | 非課税 | 非課税 |
非課税事業者(個人事業主・法人) | 非課税 | 非課税 |
課税事業者(個人事業主・法人) | 非課税 | 課税 |
消費税は、仮に買い主から預かっていない場合でも事業者に納付義務があり、金額も多額になりますので、特に個人事業主等で課税事業者に該当している人は気をつけましょう。
4-3. 戻ってくる可能性のある3つの費用・税金
- 固定資産税・都市計画税の清算金
- ローン保証料
- 所得税
上記3つの費用は、土地売却によって逆に戻ってくる可能性があります。
特に、特に固定資産税・都市計画税の清算金については決済日までの月割り計算で清算して、必ず戻ってくるため、しっかりと押さえておきましょう。
以下、一つ一つ解説していきます。
固定資産税・都市計画税の清算金
固定資産税・都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者に対して1年分の納付請求がいく仕組みになっています。
そのため、引渡し時において、すでに1年分の税金を売り主が納付済みの場合には、引渡し日〜年末までの期間に応じた分の税金が決済時に清算され、買い主から売り主に支払われることになります。
ローン保証料
売却予定物件をローンで取得し、その際に保証会社に保証料を支払っている場合には、一括返済時点で未経過期間に応じた分の保証料が返ってきます。
具体的な返還金額については、金融機関や当初支払った保証料、未経過期間等によっても異なりますので、確認したい方はローンを借りた金融機関に問い合わせてみましょう。
所得税
前述のとおり、土地売却で利益が出た場合には翌年の確定申告により各種税金を納めなければいけません。
逆に売却益がなく、売却益の計算結果がマイナスとなった場合には、確定申告時に給料等の他の所得からマイナス分を差し引くことで所得税を減らすことができます。
この際、サラリーマン等で毎月所得税を源泉徴収されている人であれば、払い過ぎている分の所得税が返ってくることになります。
払い過ぎている所得税は、自分で確定申告を行わないと還付されませんので、売却益がマイナスとなった場合でも、必ず翌年の確定申告を忘れずに行うようにしましょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
「土地売却にかかる仲介手数料」についての疑問や悩みが解消できたのではないでしょうか。
仲介業者を通しての土地売却の場合、仲介手数料は必ず発生してきますが、やり方次第では手数料率を引き下げることで、負担を抑えることも可能となります。
本ページでは「土地売却にかかる仲介手数料と賢く売却する方法」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で、後悔しない上手な売却を検討してみて下さい。
〈本ページでご紹介したサービス・業者〉