土地活用で駐車場経営をするべき人と失敗しないための全知識
所有する土地で駐車場経営を考えているけど、“本当に駐車場でよいのか”、“事業性はどうなのか”、“具体的にどのように検討を進めればよいのか”等、悩んだり迷ったりしていませんか?
確かに駐車場経営は手軽はじめられる土地活用ですが、一口に駐車場経営といっても実は様々な種類が存在し、きちんと自分の土地やエリアに合わせた駐車場を検討しないと、はじめてから全然利用者が決まらず赤字経営なんてことにもなりかねません。
実際、車が生活必需品ではない都市部では、リーマンショック以降の車離れからエリア内の駐車場が空いてしまい、利用者が料金や駐車し易さ等の面でより条件の良い駐車場へ流れてしまった結果、税金を考えると赤字経営というオーナーは少なくないのが現状です。
このページでは、これまで土地活用のコンサルティングを業務として300人以上の土地オーナーの最適な土地活用について支援をしてきた筆者が、事前にしっかりと準備をすれば最も手軽に始められてリスクも低い「駐車場経営」について、向いている人と成功する為のポイントを以下の流れに沿ってご紹介します。
- 駐車場経営とは|一覧表でわかる全4パターンの活用・方式
- 駐車場経営のメリット・デメリット
- 駐車場経営に向いている人
- あなたの土地で駐車場経営をはじめるための4ステップ
- 絶対にしてはいけない駐車場経営で失敗する4つのポイント
このページをすべて読めば、駐車場経営をしたいと思っている人はもちろん、土地活用でどうすればよいか困っている人も、自信を持って第一歩を踏み出していただけるでしょう。
土地活用が初めてで難しく感じる方は、このページを読んで大枠のイメージを持ったら、まずは複数の専門家に意見を聞くことをおすすめします。
その際に大事な注意点があり、建築会社や不動産会社等に直接電話をすることは絶対にやめましょう。なぜなら、この業界では電話をとった人が担当になるという慣習があるため、土地活用の専門家ではないレベルの低い担当がついてしまう・・・ということになりかねません。
確実に複数業者の専門担当者と連絡を取りたい方は、NTTが運営する「HOME4U土地活用」などの信頼できる一括登録サイトを利用して、専門担当者からの連絡を待つことをおすすめします。
- 「HOME4U土地活用」公式ページ: https://www.home4u.co.jp/
目次
1. 駐車場経営とは|一覧表でわかる全4パターンの活用・方式
駐車場経営とは、自分の土地を車が駐車できるよう大きさに合わせて駐車区画割りし、区画毎に利用者へ賃貸する土地活用です。
駐車場経営には大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」という2つの活用形態があり、さらに、それぞれの活用形態には以下の2種類の方式があります。
<月極駐車場>
- 管理委託方式:月極駐車場には業者に募集・管理のみを委託する方式
- 一括借上方式:業者に整備した駐車場全てを一括して貸し業者が一般の利用者へ転貸する方式
<コインパーキング>
- 土地賃貸方式:業者に土地を貸すだけの方式
- 自己経営方式:自分で投資して駐車場を整備し管理・運営を業者に委託する方式
もちろん、一切業者に頼らず全てを自分で行うということもあり得ますが、一般の素人の方にとっては現実的ではありませんので、このサイトでは主に上記の4つの方式の駐車場経営についてご紹介します。
以下の表にそれぞれの方式をまとめております。
各方式の詳しい説明は「4. あなたの土地で駐車場経営をはじめるための4ステップ」の中で行っておりますので、そちらをご確認ください。
2. 駐車場経営のメリット・デメリット
土地活用には、大きく分けて下図のような4つのタイプと17種類の活用方法があります。
←スマホの方は左右にスクロールができます→
種類 | 土地対応性 | 投資額 | 収益性 | 安定性 | 節税効果 | 手軽さ | 転用性 | 流動性 | 資産保全性 | 社会貢献性 | ||
売る | 売却 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | × | ◎ | × | × | |
貸す | 定期借地 | △ | ◎ | × | ◯ | ◯ | ◎ | × | × | △ | × | |
自己活用 | 駐車場経営 | ◎ | ◯ | × | △ | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | |
賃貸住宅経営 | 賃貸アパート経営 | ◯ | △ | △ | ◯ | ◎ | ◯ | × | ◯ | ◎ | △ | |
賃貸マンション経営 | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | × | ◯ | ◎ | △ | ||
トランクルーム経営 | △ | ◯ | ◯ | △ | × | ◯ | △ | ◯ | ◎ | △ | ||
ソーラー(太陽光発電) | ◯ | ◯ | × | ◎ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ||
オフィス経営 | × | × | ◎ | △ | × | × | × | ◯ | ◎ | △ | ||
商業系施設経営 | コンビニ | × | △ | ◎ | △ | × | △ | × | △ | ◎ | ◯ | |
ロードサイド | × | △ | ◎ | △ | × | △ | × | △ | ◎ | ◯ | ||
医療系施設経営 | クリニック | × | × | ◯ | △ | × | × | × | △ | ◎ | ◎ | |
介護系施設経営 | 老人ホーム | × | × | ◎ | ◯ | ◎ | × | × | △ | ◎ | ◎ | |
サ高住 | × | × | ◯ | ◯ | ◎ | △ | × | ◯ | ◎ | ◎ | ||
デイサービス・ショートステイ・小規模多機能 | × | △ | ◯ | ◯ | × | △ | × | △ | ◎ | ◎ | ||
グループホーム | × | × | ◯ | ◯ | × | × | × | △ | ◎ | ◎ | ||
共同活用 | 等価交換 | × | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | × | |
土地信託 | × | ◎ | △ | △ | ◯ | △ | × | × | △ | × |
中でも駐車場経営は一見するとその他の土地活用と比較して最も手軽に始められそうなイメージがあり、実際多くの土地オーナーが手軽に駐車場経営を行っておられますが、やはりそれなりのデメリットも存在し、きちんとメリットデメリットを理解した上で検討をする必要があります。
駐車場経営の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
2-1. メリット
- 比較的多くの土地へ対応可能
- 自己資金0円からでもはじめられる
- 途中で他の土地活用への転用が容易
- いつでも容易に土地の売却が可能
- 短期間の活用が可能
駐車場経営のメリットは何と言ってもその手軽さが挙げられます。他の土地活用に比べ土地を選ばず様々な場所で行うことができ、砂利敷きにロープを張る程度の投資で始められたり、コインパーキングの場合には業者に土地を貸すだけで自己資金0円からでも始められます。
また、土地に建物を建てずに行える上に、駐車場の立ち退きは概ね1~3月程度で比較的容易に行えるため、途中で他の土地活用へ転用が容易であり、売却時にも建物解体費等の無駄な減額査定要素が発生せず、将来的な転用性や流動性(換金性)を確保したい場合には非常に有利な土地活用といえます。
2-2. デメリット
- 比較的収益性が低い
- 固定資産税や相続税等の節税効果が全くない
- 不況時の車離れ等、比較的景気の変動による影響を受けやすい
駐車場経営は比較的ローリスクな土地活用であるため、デメリットはそれほど多くはありませんが、大きなポイントとしては「収益性の低さ」や「節税効果のなさ」が挙げられます。
比較的収益性が低い
投資額が少なく始められる分、その土地から生まれる収益額も建物を建築して行う土地活用と比較して少なくなります。
固定資産税や相続税等の節税効果が全くない
土地は保有しているだけで毎年固定資産税や都市計画税が掛かり、資産としての評価も高額になるケースが多く相続の際の相続税も気にする必要がありますが、賃貸住宅等の人の住まいを建築する場合にあるような税金の優遇が全く受けられません。
一例として、住宅用地の場合には固定資産税が最大で6分の1まで軽減されるため、特に土地の評価が高いエリアほど税金面だけでも収益性に大きな差となるケースもあります。
注:エリアにもよりますが、特に都市部では車は贅沢品とされ、不況時には維持費を節約する観点から車を手放す人も多くなります。そのため、オフィスや商業施設ほどではないものの、少なからず景気の変動による影響を受けやすいというデメリットもあります。
3. 駐車場経営に向いている人
駐車場経営はリスクや制約が少ないため多くの人に向いている土地活用ですが、特に以下の5つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- お金を掛けずに土地活用したい人
- 将来どうなるかわからないので、転用性や流動性を確保したまま土地活用したい人
- 相続税の納税用地や売却予定地なので、短期間だけ土地活用したい人
- 狭小地や法規上の理由等で建物が建築できない土地を活用したい人
- 既に建物が建っている土地の空きスペースを活用したい人
3-1. お金を掛けずに土地活用をしたい人
- 土地は所有しているが、借金にはには抵抗がある
- 土地活用はしたいが、自己資金は出したくない
土地を保有していれば、多くの場合その土地を担保に金融機関から借り入れを行うことが可能であり、自己資金をあまり出さなくても様々な土地活用が可能ですが、上記のような人には自己資金0円から手軽に始められる駐車場経営はおすすめです。
3-2. 将来どうなるかわからないので、転用性や流動性を確保したまま土地活用したい人
- 将来的に子供に相続させる土地なので子供の代で色々検討できるよう可能性を残しておきたい
- 思い入れのある土地なので出来るだけ残していきたいと思っているものの、将来的にもし資金需要が発生した際に備えていつでも売却できる状態にしておきたい
といったような転用性・流動性確保ニーズのある人にとっては、駐車場経営は最適な土地活用といえます。
3-3. 相続税の納税用地や売却予定地なので、短期間だけ土地活用したい人
- 既に相続対策を進めており、検討の結果、納税の為に流動性を確保しておかないといけない
- 将来的な売却が確定しているので、建物は建てたくない
上記のようなニーズのある人については、現金の代わりに土地を国に治めることにより納税する「物納」も認められやすく、売却する場合でも更地と同等の査定がつく駐車場経営がまさに「王道の活用法」といえます。
3-4. 狭小地や法規上の理由等で建物が建築できない土地を活用したい人
- 保有している土地が狭く建物の建築には向いていない
- 市街化調整区域内に位置している土地等、そもそも建物が建てられない
等の活用方法が限られる土地についても、駐車場経営であれば需要次第で対応可能な場合がほとんどです。
3-5. 既に建物が建っている土地の空スペースを活用したい人
- 自宅の庭先の空きスペースがもったいない
- もともと倉庫にしていたが、特に使わないので活用したい
既に建物が建っている土地でも、建築基準法の建蔽率の制限からいくらかの空地がある場合がほとんどです。そういった建物敷地の一部であっても道路に接し車が進入できれば小規模でも需要次第で駐車場経営が可能です。
少しでも土地から収益を生みたいという人にはおすすめです。
4. あなたの土地で駐車場経営をはじめるための4ステップ
駐車場経営のできるできないの判断は実は簡単で、下記の4ステッップに従うだけで誰でも行う事ができます。
最終的には業者にマーケティングや提案をしてもらうことになるため、自分で色々と調べるのが面倒だという方は全てを業者に丸投げし、いきなりステップ④に進んで頂いても問題ありませんが、後々後悔しないためにも、自分できちんと内容を理解した上で最終的な判断ができるよう各ステップを確認することをおすすめします。
- ステップ①|所有地の敷地条件で駐車場経営が可能かを調べる
- ステップ②|所有地周辺の月極駐車場とコインパーキングの需要と供給を調べる
- ステップ③|月極かコインパーキングかを決める
- ステップ④|事業パートナーとしての管理・運営業者を決める
4-1. ステップ①| 所有地の敷地条件で駐車場経営が可能かを調べる
もっとも基本的なことですが、そもそも自分の土地に車が駐車できるのかを確認する必要があります。道路と接しており高低差もない土地であれば特に大きな問題はありませんが、「道路との高低差のある土地」や「敷地内で高低差のある土地」等は駐車場経営に向かない場合もありますので注意が必要です。
道路付の確認
車が出入り可能な道路との接道があるかを確認します。できれば幅員4m以上の道路であることが望ましいです。基本的に車が通れれば問題はありませんが、狭い道路を通らないと出入りできない土地等は利用者から敬遠されがちです。また、土地によっては前面に歩道や街路樹・ガードレール・道路標識・電柱等の障害物があり移設不可な場合などもありますので、事前にそのような障害物がないか確認する必要があります。
※参考
街路樹・ガードレール:役所との協議次第で進入路(概ね6m程度)に掛る部分については撤去可能なことが多い。
道路標識:警察署との協議次第で数m程度なら移設可能な場合が多いが、不可なものもあるので注意が必要。
電柱:電力会社のものと電話会社のもの等がある(大概電柱に社名が記載されている)が、支線のあるものや変圧器が設置されていないものであれば大概移設可能、支線や変圧器があるものは不可な場合が多い。
高低差の確認
前述の通り、道路と敷地に高低差がある土地や敷地内に高低差がある土地については車が駐車できるように土地を造成する必要が出てくる可能性があります。どの程度の高低差があると支障があるかという問題は土地の広さや形状によっても変わってくるため一概には言えませんが、敷地内に車路を設けないタイプの駐車場を整備する場合には道路とフラットに近い状態まで土地を造成する必要があります。
仮に高低差があったとしても進入路をスロープ型にして敷地内をフラットに整備すれば駐車場経営は可能ですので、所有地に高低差がある場合には、一度、不動産業者や駐車場業者に駐車区画割の提案をしてもらうとよいでしょう。
敷地形状の確認
敷地形状は駐車可能な台数に大きく影響を及ぼすため、収益性を左右する重要なポイントです。当然整形地の方が駐車区画割がしやすいため有利と言えますが、要は「何台駐車可能か」ということがポイントになりますので、必ずしも整形地でなくても駐車台数が多く取れる敷地は駐車場経営に向いているといえます。
※参考
普通車1台当りの必要駐車区画:(最小)2.5m×5m程度 (理想)3m×5.5m程度
駐車場内に整備する車路幅員:(最小)4m以上 (理想)5m以上
※3ナンバーの大型車が不自由なく駐車するためには理想サイズにて駐車区画割を行うことをおすすめします。
上記が目安サイズになりますので、上記のような基準で何台駐車可能かを検討していくことになります。こちらも不動産業者や駐車場業者に駐車区画割の提案をしてもらうとよいでしょう。
その他
エリアによっては管轄行政庁による条例等の規制で、“道路から直接バックして駐車する「串刺し型駐車」は〇〇台まで”といったような駐車場の区画割についての規制があったりする場合もありますので、事前に役所に確認をすることをおすすめします。
4-2. ステップ②|所有地周辺の月極駐車場とコインパーキングの需要と供給を調べる
所有地の半径1km圏内に月極駐車場とコインパーキングが何カ所あるかを調べます。インターネットで検索をすれば簡単に駐車場情報を入手することが可能です。
以下に便利なサイトをご紹介します。
◆月極駐車場: パーキングポイント
※自分の土地の住所を入れるだけで簡単に検索できます。
◆コインパーキング: NAVITIME
※自分の土地の住所を入れるだけで簡単に検索できます。
その際にチェックするポイントは以下の3点です。
- 月極駐車場及びコインパーキングが何カ所あり、稼働状況はどうか
- それぞれの料金相場はいくらぐらいか
- それぞれどのような駐車場形態か(平置き、立体、砂利敷き、アスファルト敷き、等)
月極駐車場及びコインパーキングが何カ所あり、稼働状況はどうか
所有地の周辺に月極駐車場やコインパーキングが有り、それらの稼働状況が良いようであれば、そのエリアは需要が供給を上回っており、駐車場経営が可能なエリアといえます。
月極駐車場の場合、管理会社へ現在の空き状況を問い合わせれば簡単に稼働状況を確認することが可能です。しかしながら、コインパーキングの場合には時間貸しのため、正確な稼働状況を確認することは困難であり、様々な時間帯で現地を確認することで概ねの稼働状況を判断することになります。その上で、稼働状況がよさそうであれば、コインパーキング業者へマーケティングを依頼しましょう。
それぞれの料金相場はいくらぐらいか
駐車場の料金相場はエリア毎に概ね一定しており、あまり差がつかないのが特徴です。
料金設定に差が出るケースとしては「駐車場の整備形態」や「駐車のしやすさ」によって、例えば、「出入りしやすい太めの道路に接した屋根付き駐車場」等の場合で相場より2〜3割程度高くなる場合もありますが、それ以上の大きな差がでることはほとんどありません。
従って、周辺の既存駐車場の料金相場を調べることで、自分の土地で駐車場経営を行った場合の収入を予測することができます。
それぞれどのような駐車場形態か(平置き、立体、砂利敷き、アスファルト敷き、等)
「どのような駐車場形態にするか」は投資額や稼働率へ影響するため、まさに「経営戦略」ともいえる、とても重要なポイントになります。
周辺の既存駐車場は、自身が新たに駐車場経営を行った場合に競合となりますので、どのような駐車場形態でどのようなクラスの車が駐車されているかをしっかりと確認することが大切です。
利用者の立場からすれば、同じ料金設定であれば、ハンドルを取られて運転しにくく、飛び石等で車体に傷がつくかもしれない砂利敷きの駐車場よりも、運転しやすく安全なアスファルト敷きの方が良いと思いますよね?
また、高級車が多いエリアなどでは、そもそも砂利敷きの需要が全然ない等のエリア特性がある場合もありますので要注意です。
そのエリアにおける利用者のニーズに合わせて、同ランクの駐車場を少し低めの料金設定で貸したり、同じ料金設定だが整備形態をワンランク上げる等のやり方で、競合との差別化を図るという考え方もあります。
4-3. ステップ③|月極かコインパーキングかを決める
これまでのステップを経て自分の土地での駐車場経営の可能性がある人は、次のステップとして、具体的に月極駐車場にするかコインパーキングにするかの検討を行います。
ここでは、以下の流れに沿って月極かコインパーキングかを決める際のポイントをご紹介します。
- 月極駐車場とコインパーキングの違いとそれぞれのメリット・デメリット
- 月極駐車場経営をするべき人
- コインパーキング経営をするべき人
月極駐車場とコインパーキングの違いとそれぞれのメリット・デメリット
前述のとおり、駐車場経営には大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」という2つの活用形態があり、月極駐車場には「管理委託方式」と「一括借上方式」、コインパーキングには「土地賃貸方式」と「自己経営方式」があります。
月極駐車場とコインパーキングの違いは、簡単にいうと駐車区画を「月単位で賃貸するか、時間単位で賃貸するか」の違いですが、はじめる際の初期投資の有無やエリアによって安定性・収益性等も異なってきますので、それぞれのメリット・デメリットをきちんと理解した上で検討するようにしましょう。
<月極駐車場>
月極駐車場は自分で整備した駐車場を一台ずつ月単位で利用者に貸す形式の駐車場で、募集及び管理のみを不動産業者に委託する「管理委託方式」が最も一般的です。しかしながら、近年、大手コインパーキング業者等がオーナーに代わり駐車場の空きリスクを肩代わりして駐車場経営を行う「一括借上方式」のサービスを行うケースもでてきております。
「管理委託方式」
管理委託方式の場合、業者等の提案やアドバイスを基に自分で駐車区画割や駐車料金設定等の経営計画を立て、駐車場を整備した上で、利用者の募集(仲介)と集金や利用者からのクレーム対応、場内の清掃等の管理を不動産業者へ委託し、1台あたり定率の管理委託料を支払うことになります。
管理委託方式のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 比較的どんな場所でも対応可能な場合が多い
- 月単位で貸すため、収支計画が立てやすく、稼働率の良い駐車場では安定した収入が見込める
- コインパーキングと比較して車止めや料金精算機等の設置が必要ない分、駐車台数を多くとれる
デメリット
- 空いた場合の収入減が比較的大きくなる
- 時間貸しの場合と比較して、比較的低収入になりがち(収入に上限がある)
「一括借上方式」
一括借上方式の場合、業者がマーケティングを行い、駐車区画割や料金設定等の経営計画を立てます。オーナーはその計画に沿って駐車場を整備し、業者へ駐車場を一括して貸すことで、毎月あらかじめ設定した定額の賃料を受取るとることができます。
一括借上方式のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 稼働率に関わらず安定収入が得られる
- 駐車場経営に関わる煩わしい手間は全て業者がやってくれる
- コインパーキングと比較して車止めや料金精算機等の設置が必要ない分、駐車台数を多くとれる
デメリット
- 対応可能なエリアが、業者の営業エリア等によって限定される
- そもそも時間貸しの場合と比較して低収入になりがち(収入に上限がある)な上に、管理委託方式と比較してリスクが低い(ほとんどない)分、さらに低収入になる
<コインパーキング>
コインパーキングには、前述の通り、土地賃貸方式と自己経営方式があり、どちらの方式で行うかで投資額や収入額が大きく変わってきます。しかしながら、どちらの方式であれ、時間貸し需要のあるエリアにおいては、一般的にコインパーキングの方が月極駐車場よりも多く収入を得ることができる傾向にあります。
一例として、
駐車可能台数10台、月極駐車料金2万円/1台、時間貸駐車料金100円/1時間とした場合、1ヶ月間の最大収入は、
月極駐車場:2万円×10台=20万円
コインパーキング:100円×10台×24時間×30日=72万円
となり、大きな差が出てきます
もちろん、実際には、駐車設備の設置による台数の差が生まれたり、管理・運営委託費の差があったり、稼働率による収入減がある等、様々な変動要因があるため上記のような単純計算にはなりませんが、管理・運営委託費やコインパーキング業者の取り分を考慮しても、時間貸し需要があり高稼働率が期待できるエリアではコインパーキング経営の方が有利なケースが多いです。
「土地賃貸方式」
土地賃貸方式の場合、オーナーは単に土地をコインパーキング業者に貸すだけで、駐車設備等の設置や集客・管理・運営といった駐車場経営自体は全てコインパーキング業者が行うことになります。オーナーは土地の賃貸料を毎月一定額ずつコインパーキング業者から得る形で安定収入を確保することができます。
土地賃貸方式のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 初期投資がかからない
- 稼働率に関わらず安定収入が得られる
- 駐車場経営に関わる煩わしい手間は全てコインパーキング業者がやってくれる
デメリット
- 時間貸し需要のあるエリアに限られる
- 自己経営方式と比較して、リスクが低い(ほとんどない)分低収入になる
- 稼働率がよくても収入が増えない
- 車止めや料金精算機等の設置が必要な分、駐車台数が少なくなる
「自己経営方式」
自己経営方式の場合、駐車設備の設置や駐車場の整備は自分で行い、集客・管理・運営をコインパーキング業者へ委託することになります。車止めや料金精算機等の初期投資が発生するため、4つの中で最も投資額が大きくなりがちですが、その分、コインパーキング業者への委託費を除いた駐車場収入は全て自分で得ることができます。
自己経営方式のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- なんといっても、稼働率次第で高収入が狙える
- 全て自己所有となるため、他者からの制約等を受けない
デメリット
- 時間貸し需要のあるエリアに限られる
- 収入が安定しない
- 初期投資が大きくなる
- 車止めや料金精算機等の設置が必要な分、駐車台数が少なくなる
以上の内容を踏まえ、自身の目的に合わせて最適な活用形態を選択する必要があります。
月極駐車場経営をするべき人
これまでの話を踏まえ、以下のような条件にあてはまる人は月極駐車場経営を検討するべきです。
- 「住宅街や周りに商業施設のないエリア等の、時間貸し需要の少ないエリアに位置する土地を保有している人」
- 「土地が小さく、コインパーキングにしてしまうと駐車台数が多く取れない人」
- 「周囲の環境等の理由から、頻繁に車が出入りして欲しくない人」
収益性の面ではコインパーキングに劣るケースが多い月極駐車場ですが、様々なエリアに幅広く対応可能で、周辺環境への影響も比較的少ないため、「とりあえず手軽に土地活用を」という人には最適な活用方法です。
コインパーキング経営をするべき人
逆に、前項の条件に当てはまらない人は、収益性の高いコインパーキング経営を検討するべきです。
駐車場経営のメリットである「手軽さ」「転用性」「流動性」はそのままに、より収益性を求められるのは時間貸し需要のあるエリアに土地を保有するオーナーの特権ともいえます。
その中でも、
より安定性を重視したい人は「土地賃貸方式」を、より収益を求めたい人は「自己経営方式」を検討するべきです。
コインパーキング業者にも大手~地場まで様々な会社がありますので、条件を比較検討しながら、あなたの土地で収益を最大化させる事業パートナーを慎重に選びましょう。
4-4. ステップ④|事業パートナーとしての管理・運営業者を決める
「駐車場経営の手軽さ」は、最初に経営方針を決めればそのあとの管理・運営は業者に丸投げするだけで経営ができることにあります。
そのため、管理・運営業者を決めることは、大切な資産の活用を任せる事業パートナーを決めるということでもあります。そして、その業者次第では稼働率に大きな差が生まれる可能性もありますので、しっかりと見極めて信頼できるパートナーを選ぶ必要があります。
本項では、後から後悔しないための業者選びのポイントと代表的な業者の比較についてご紹介します。
月極駐車場経営で良い管理・運営業者を選ぶための3つのポイント
月極駐車場の場合、賃貸住宅等と同様に不動産業者に募集や管理運営を委託するケースが最も一般的です。
なかには募集のみ委託して管理・運営は自分でやるとうオーナーもいらっしゃいますが、場内でのトラブル対応や台数が多い場合の集金管理・料金滞納があった場合の対応等、煩雑な対応が発生しますので、本業としてやられる人以外はおすすめできません。
そして、良い管理・運営業者を選ぶ際のポイントとして、
- 無駄のない駐車区画割を提案してくれる
- 既存管理駐車場の場内がきれいに保たれている
- オーナーから仲介手数料をとらない、管理・運営委託費が安い
上記3つのポイントを満たす業者はオーナーにとって非常に良い業者といえます。
無駄のない駐車区画割を提案してくれる
駐車区画割については、実は不動産業者によって大きな差が出るポイントです。
オーナーにとっても不動産業者にとっても駐車台数が増えることは収入の増加に繋がるため、望ましいことなのですが、台数を増やすために駐車区画を小さくしたせいで大型車から敬遠され稼働率が落ちるといったことはよくあることです。
どんな車も止めやすいように車路の位置や区画毎の大きさを変えたりしながら、駐車台数の確保と稼働率を両立した提案をしてくれる業者を選びましょう。
既存管理駐車場の場内がきれいに保たれている
不動産業者によっては、「毎月管理・運営委託費を貰っているにも関わらず、ほとんど現地にもいかず管理がずさん」なんてこともよく聞く話です。
場内の管理状態は当然稼働率へも影響しますし、不法投棄等があった際にはオーナーが処分費を払う羽目になり無駄な経費が発生することにもなりかねません。
その際、その業者がちゃんと行き届いた管理をしてくれるかは、既存の管理駐車場の場内を見れば一目瞭然です。
管理・運営業者を決める際には、必ず事前にその業者が管理している既存の管理駐車場をチェックするようにしましょう。
オーナーから仲介手数料をとらない、管理・運営委託費が安い
不動産業者に委託した場合のオーナーが負担する費用としては、主に管理・運営委託費や募集に伴う仲介手数料がありますが、そのような費用はオーナーの収益を圧迫する要因になりますので、なるべく低く抑えたいもの。
なかには、募集広告費等の名目で別途費用を請求してくる不動産業者もあるようですが、月極駐車場の利用者は周囲1km圏内程度の人がほとんどですので、特別な広告費をかけて募集する必要性はほぼないといえます。そのような業者は絶対に選んではいけません。
管理・運営委託費の相場は、エリアにもよりますが、毎月1台あたり1カ月の駐車料金の5%程度が多いですが、①管理物件数が多い②十分に経営が回っている、左記二点の条件を満たす業者等では3%程度で引き受けてもらえる場合もあります。(逆に、経営が苦しくて案件欲しさに安請け合いをしている場合もありますので、必ず①と②の条件を満たす業者の中で比較しましょう。)
仲介手数料は、宅地建物取引業法46条及び国土交通省の報酬に関する告示の中で、下記のように上限が定められています。
「宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の1.1倍に相当する金額以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該貸借の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が借賃の1月分の1.1倍に相当する金額を超えてはならない。」
要は、不動産業者は1つの仲介で「賃料の1カ月分+消費税まで」しか仲介手数料を取ってはならないということですが、それを借手から取るか、貸手から取るか、半々にするか等は不動産業者によって方針が異なります。
概ね、利用者(借手)から取る場合が多いですが、不動産業者によっては、利用者から取る仲介手数料を低く抑えた方が借手を見つけやすため、敢えてオーナーに仲介手数料を請求する業者もありますので、そのような業者はおすすめできません。
※エリアによって商慣習が異なる場合等もありますので、必ず周辺の相場条件を確認するようにしましょう。
コインパーキング業者による違いと主な業者の比較
コインパーキング業者は大手から地場まで様々な業者が存在し、エリアや経営方式よって対応可能な業者が変わってきますので、どの業者が良いとは一概には言い切れません。
前述の通り、土地賃貸方式か自己経営方式かによっても対応可能な業者は異なりますし、同じ経営方式であっても業者によりマーケティング結果が異なることから設定料金やオーナーへの支払い賃料、その他契約条件等が少なからず違ってきます。
そのため、自分のニーズに合った経営方式を選ぶだけでなく、同じ経営方式の中でも複数の業者から提案をもらい、マーケティングや契約条件の妥当性について比較検証するべきです。
以下に代表的なコインパーキング業者と対応可能な経営方式についてまとめております。
←スマホの方は左右にスクロールができます→
業者 (ブランド名) | コインパーキング | 月極駐車場 | |||
土地賃貸方式 | 自己経営方式 | 管理運営委託 | 一括借上 | ||
グループ① | 三井のリパーク | ◯ | × | ◯ | ◯ |
タイムズ24 | ◯ | × | ◯ | ◯ | |
NTTル・パルク | ◯ | × | ◯ | ◯ | |
グループ② | ナビパーク | ◯ | ◯ | × | × |
タイムパーキング | ◯ | ◯ | × | × | |
日本システムバンク | ◯ | ◯ | × | × | |
ユアーズパーキング | ◯ | ◯ | × | × | |
グループ③ | エイブルパーキング | ◯ | × | × | × |
マストパーク | ◯ | × | × | × | |
One Park | ◯ | × | × | × |
グループ①「三井のリパーク、タイムズ24、NTTル・パルク」
言わずと知れた大手コインパーキング業者です。管理駐車場数の多さや、圧倒的な安定的資本基盤をもっている等、事業パートナーとしての信頼感が抜群です。
特徴として、駐車設備の販売・管理等の「自己経営方式」のサービスを行っておりませんが、月極駐車場の「管理運営委託」や「一括借上」のサービスを行っているため、月極かコインパーキングかを比較する際には非常に役に立つ業者です。
特に、月極駐車場の「一括借上」サービスを行っている業者は少ないため、時間貸し需要が少ないエリアなので月極駐車場経営を考えているが極力リスクはとりたくないといった人にもおすすめです。
グループ②「ナビパーク、タイムパーキング、日本システムバンク、ユアーズパーキング」
「土地賃貸方式」「自己経営方式」両方に対応可能なコインパーキング業者です。
駐車場設備の販売や運営・管理といった「自己経営方式」に対応するサービスを行っている業者も相対的に少ないため、土地賃貸方式か自己経営方式かをを比較する際には非常に役に立つ業者です。
なかでも、「ナビパーク」は駐車設備の販売だけでなくリースも行っているため自己資金を抑えた自己経営方式のコインパーキング経営を行うことも可能です。マーケティング次第では、多少リスクをとってでも収益を最大化させたいといった人におすすめです。
グループ③「エイブルパーキング、マストパーク、One Park」
コインパーキングで最も一般的な「土地賃貸方式」のみのサービスながら、比較検討の価値のあるコインパーキング業者です。
「エイブルパーキング」は全国規模で賃貸物件仲介・管理を行う大手企業のエイブルが行うコインパーキング事業で、その全国的なネットワークの広さが強みです。
「マストパーク」は住宅メーカーのリーディングカンパニーである積水ハウスがグループ子会社において関東エリア限定で手掛けるコインパーキングで、対応エリアの狭さが玉にきずではあるものの、事業パートナーとしての信頼感や安心感が強みです。
「One Park」は株式会社イチネンパーキングが手掛けるコインパーキングですが、同社は駐車場用地購入事業も行っており、将来的な売却を検討している人への対応力が強みです。
できるだけ多くの業者を比較して検討したいといった人におすすめです。
賢いコインパーキング業者の比較方法
- まずはグループ①の2~3社へコインパーキングと月極駐車場の比較提案依頼をしましょう。
- コンパーキングが可能な場合には更にグループ②の2~3社へ土地賃貸方式と自己経営方式の比較提案依頼をしましょう。
- 上記の結果、土地賃貸方式で行く場合には更にグループ③の1~2社へ提案依頼をし、最終的に最も信頼でき条件の良い業者を選びましょう。
上記1~3の手順で比較検討を行えば、自分にとって最適な業者と出会えるはずです。
駐車場経営以外にも総合的に土地活用を比較検討したい人には「一括資料請求サービス」がおすすめ
駐車場経営以外にも総合的に土地活用を比較したい場合には、駐車場業者や建築業者等、様々な種類の複数の業者に相談する必要があります。
また、当然のことながら比較対象は可能な限り多い方が得策ですが、多くの業者に自分で直接問い合わせるのは手間がかかり大変ですので、最も簡単で便利な方法として一括資料請求サービスの活用がおすすめです。
『一括資料請求サービスを活用するメリット』
一括資料請求サービスを活用すると、相談者の「住所」や「建築地」「相談内容」などをもとに最適な専門部署に繋いでもらえます。
また、一度に複数社にまとめて依頼できるので、手間を掛けずに多くの業者を比較することができます。
土地活用の一括資料請求サービスを行っている会社は10社以上ありますが、私が対応エリアや対応種類、参加企業・実績等の観点で、いろいろと比較した上で、総合的に最もおすすめなサイトは大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」です。
まずはこのサイトから一括資料請求して情報収集した後に、気になる業者に本格的に相談するとよいでしょう。
HOME4Uには、不動産売却など土地活用以外にも色々なサービスがありますので、下記の土地活用専用の公式ページから一括請求するとよいです。
HOME4U(ホームフォーユー)土地活用:https://land.home4u.jp
5. 絶対にしてはいけない駐車場経営で失敗する4つのポイント
これまでのお話の中でご紹介してきた内容も含まれますが、今一度、絶対にやってはいけない駐車場経営で失敗する4つのポイントとして、必ず押さえておきたいポイントを下記にまとめておきます。
5-1. 周辺の駐車場需要を考えずにやる
いくら「手軽に始められて、比較的リスクの少ない駐車場経営」といっても、周辺の需要と供給を考えずにやるのは非常に危険です。
始めたものの、借手がつかず、全く土地活用として機能しないなんてことにもなりかねません。後でほとんど手が掛らない分、最初のマーケティングや経営計画は丁寧に行いましょう。
5-2. 駐車台数を増やすために1台あたりの駐車スペースを狭くし過ぎる
前項でもよくある話としてご紹介しましたが、素人にとっては最もわかりにくく失敗事例として最も多いのがこのケースです。
3ナンバーの大型車が多いエリアなのに普通車サイズで区画割してしまうと、稼働率が下がり駐車場経営が上手くいきません。きちんとマーケティングを行ったうえで、どんな車の需要が多いのかを判断し、その車が何台駐車できるのかといった基準で計画しましょう。
5-3. 業者選定を間違えた結果、管理体制が悪く、場内にゴミを不法投棄される
いざ駐車場経営が始まると、基本的には管理・運営業者に任せっきりになるため、オーナーは頻繁には現地の様子を見に行かないケースが多いですが、その場合、管理・運営業者がずさんな管理をしていても気づくことなく、最悪の場合、場内にゴミを不法投棄されてしまうなんてことも日常的に発生しています。
ただ単純にゴミ収集に出せばよいようなゴミであればまだよいですが、なかにはリサイクルが必要な家電製品や処分費のかかる粗大ゴミ、専門業者に引き取ってもらわないといけない車のパーツ等を不法投棄されてしまうこともあり得ます。
さらに悪いケースでは、乗り捨てられた持ち主不明の自転車等は、警察に届け出て一定期間現地にて保管した後にオーナーが処分費を負担しないといけないといった事例もあります。
費用的な問題だけでなく、場内にゴミがあると駐車場全体の印象が悪くなり稼働率にも影響してきますので、業者選定の際には最も注意すべきポイントとして、既存管理駐車場の管理状態をしっかり確認するようにしましょう。
5-4. 税引き後の収支計算をしておらず、結果収支がマイナス
駐車場経営で意外と見落としがちなポイントとして、「税引き後の収支計算」があります。
本サイトの冒頭でもお話しましたが、土地は所有しているだけでも固定資産税と都市計画税が毎年掛り、駐車場経営ではそれら税金の優遇が全く受けられません。
さらに固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点の土地の状態を基に、その時点での所有者へ5月頃に納税通知書が送られてきて納税額が判明するため、特に前年に建物が建っていて税金の優遇を受けられていた土地については、駐車場経営を始めることで大幅に増税額がアップする可能性があるため、注意が必要です。
駐車場経営を検討する際には、必ず税引き後の収支計算を行うようにしましょう。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分の土地の条件や土地活用の目的と照らして、駐車場経営が向いていると思った人、向いていないと思った人、等様々だと思いますが、駐車場経営は最も手軽に始めれれて、比較的リスクも少ない土地活用の一つです。
本サイトでは駐車場経営に関わる重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で行えば、きっと上手く駐車場経営ができるでしょう。
土地活用は、後からの計画の変更が難しいため、時間をかけてじっくりと最適な方法を検討するべきです。ご自身のニーズに合わせて、月極駐車場やコインパーキング等、最適な駐車場経営を比較検討してみて下さい。
将来的なニーズのある人は、大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」などの一括資料請求サービスを利用しながら、早めにまずは事前情報収集から検討を始められることをおすすめします。