ロードサイドの土地活用で絶対に失敗しないための全知識
所有するロードサイドの土地で土地活用を考えているけど、「そもそもロードサイドではどんな土地活用ができるの?」「ロードサイドで最も有効な土地活用って何なの?」「具体的にどのように検討を進めればよいの?」など、悩んだり迷ったりしていませんか?
ロードサイドとは、幹線道路沿いの土地や人通りの多い道路に面した土地等のことを言い、当然他の土地同様、様々な土地活用が可能ですが、「交通量の多さ」や「広告性」・「アクセス性」といったロードサイドの固有の特徴を活かした収益性の高い商業系の店舗経営が可能という特権がります。
逆に交通振動や騒音の問題等で住居系の施設が向かない場合が多く、ロードサイドで土地活用を考える際には、まずは「ロードサイド店舗経営」を検討すべきです。
上手く行えば収益性が高く魅力的なロードサイド店舗経営ですが、きちんと事前にエリアに合わせた需要の確認や業者との契約内容の詰めを行っていないと、「はじめてから思っていた以上に賃料を下げられた」「契約期間の途中なのに中途解約されてしまった」なんてことも多く、事前にしっかりと準備をすることが重要になってきます。
このページでは、これまで土地活用のコンサルティングを業務として300人以上の土地オーナーの最適な土地活用について支援をしてきた筆者が、きちんと上手く計画すれば収益性が高く魅力的な「ロードサイド店舗経営」について、向いている人と成功する為のポイントを以下の流れに沿ってご紹介します。
- ロードサイド店舗経営とは|2つの種類別にスッキリ解説
- ロードサイド店舗経営のメリット・デメリット
- ロードサイド店舗経営に向いている人
- あなたの土地でロードサイド店舗経営をはじめるための4ステップ
- ロードサイド店舗の業者選びで失敗しない為に押さえておくべき3つのポイント
このページをすべて読めば、ロードサイド店舗経営をしたいと思っている人はもちろん、ロードサイドの土地活用でどうすればよいか困っている人も、自信を持って第一歩を踏み出していただけるでしょう。
土地活用が初めてで難しく感じる方は、このページを読んで大枠のイメージを持ったら、まずは複数の専門家に意見を聞くことをおすすめします。
その際に大事な注意点があり、建築会社や不動産会社等に直接電話をすることは絶対にやめましょう。なぜなら、この業界では電話をとった人が担当になるという慣習があるため、土地活用の専門家ではないレベルの低い担当がついてしまう・・・ということになりかねません。
確実に複数業者の専門担当者と連絡を取りたい方は、NTTが運営する「HOME4U土地活用」などの信頼できる一括登録サイトを利用して、専門担当者からの連絡を待つことをおすすめします。
- 「HOME4U土地活用」公式ページ: https://www.home4u.co.jp/
目次
1. ロードサイド店舗経営とは|2つの種類別にスッキリ解説
ロードサイド店舗経営とは、幹線道路や人通りの多い道路沿いの土地等において、店舗事業者と共同で店舗や商業施設を開発・出店する形式の土地活用です。
交通量や人通りの多い道路ほど有利であり、土地の規模に応じてコンビニからショッピングセンターまで様々なロードサイド店舗があります。
以下にロードサイド店舗の一例についてまとめております。
また、ロードサイド店舗経営の事業化方式は大きく分けて、以下の2種類があります。
- リースバック方式:店舗の建物を土地オーナーが建築し店舗事業者が一括借上する方式
- 事業用定期借地方式:店舗事業者へ土地を定期借地するだけの方式
リースバック方式では、店舗の内装(レジや冷蔵庫・棚等の営業用設備)は店舗事業者が用意するのが一般的ですが、業者や契約条件によっては内装まで土地オーナーが用意する場合もあります。
さらに、リースバック方式の場合、土地オーナーが建物を建築する際の資金調達手法として、預貯金や金融機関からの借入等の自ら調達する方法の他に、店舗事業者が建築費相当分の資金を無利息で貸し付ける「建設協力金(保証金)」という方法で建築する場合もあります。
※参考|規模が大きくなるほど、事業用定期借地方式が一般的になる
ロードサイド店舗経営では、規模の小さい「コンビニ」や「ファーストフード店」等では「リースバック方式」が多く、「ショッピングセンター」や「家電量販店」等の規模の大きなものでは建設費が数十億円以上になってくるため、ほとんどの建物が「事業用定期借地方式」で事業化されております。
2. ロードサイド店舗経営のメリット・デメリット
土地活用には、大きく分けて下図のような4つのタイプと17種類の活用方法があります。
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種類 | 土地対応性 | 投資額 | 収益性 | 安定性 | 節税効果 | 手軽さ | 転用性 | 流動性 | 資産保全性 | 社会貢献性 | ||
売る | 売却 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | × | ◎ | × | × | |
貸す | 定期借地 | △ | ◎ | × | ◯ | ◯ | ◎ | × | × | △ | × | |
自己活用 | 駐車場経営 | ◎ | ◯ | × | △ | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | |
賃貸住宅経営 | 賃貸アパート経営 | ◯ | △ | △ | ◯ | ◎ | ◯ | × | ◯ | ◎ | △ | |
賃貸マンション経営 | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | × | ◯ | ◎ | △ | ||
トランクルーム経営 | △ | ◯ | ◯ | △ | × | ◯ | △ | ◯ | ◎ | △ | ||
ソーラー(太陽光発電) | ◯ | ◯ | × | ◎ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ||
オフィス経営 | × | × | ◎ | △ | × | × | × | ◯ | ◎ | △ | ||
商業系施設経営 | コンビニ | × | △ | ◎ | △ | × | △ | × | △ | ◎ | ◯ | |
ロードサイド | × | △ | ◎ | △ | × | △ | × | △ | ◎ | ◯ | ||
医療系施設経営 | クリニック | × | × | ◯ | △ | × | × | × | △ | ◎ | ◎ | |
介護系施設経営 | 老人ホーム | × | × | ◎ | ◯ | ◎ | × | × | △ | ◎ | ◎ | |
サ高住 | × | × | ◯ | ◯ | ◎ | △ | × | ◯ | ◎ | ◎ | ||
デイサービス・ショートステイ・小規模多機能 | × | △ | ◯ | ◯ | × | △ | × | △ | ◎ | ◎ | ||
グループホーム | × | × | ◯ | ◯ | × | × | × | △ | ◎ | ◎ | ||
共同活用 | 等価交換 | × | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | × | |
土地信託 | × | ◎ | △ | △ | ◯ | △ | × | × | △ | × |
中でもロードサイド店舗経営はその他の土地活用と比較して収益性が高いイメージがありますが、都市計画法上の用途制限等の法規制や各行政庁による指導、商圏内の需要等の諸条件を満たすエリアでなければ行うことができないため、誰でもできるわけではなく選ばれし人の特権ともいえます。
実際、ロードサイド店舗経営の最大のメリットは収益性が高さといえますが、あくまで店舗の経営状況に左右されますので、見込み売上によって契約条件が変わってきたり、途中解約が発生したりする可能性もあり、安定性の面では住居系の土地活用と比較して低いといえます。
そのため、ロードサイド店舗経営を検討する際には、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、他の土地活用とも条件を比較しながら自身の土地活用の目的に合わせて判断を行うことが大切です。
ロードサイド店舗経営の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
2-1. メリット
- 収益性が高い
- 比較的初期投資が少なくてすむ(事業用定期借地方式の場合には自己資金0円ではじめられる)
- まとまった大きさの土地を活用できる
- 周辺住人の利便性向上に貢献できる
- 大規模施設では地域活性化や地域不動産の価値向上につながる
ロードサイド店舗経営のメリットは、なんといっても投資額の割に収益性が高く高利回りが期待できることです。
当然、エリアの需要にもよりますが、高いところでは住居系と比較して同じ大きさのスペースでも1.5~2倍程度の賃料収入が得られることもあります。
また、当然のことながら需要のあるエリアでなければ出店することができないため、必然的に周辺住人の利便性向上に貢献することができますし、大規模施設では地域の生活環境そのものに大きな影響を与えるため、生活利便施設の少ないエリアでは非常に喜ばれる土地活用といえます。
2-2. デメリット
- 限られたエリアの土地でしかできない
- 土地の大きさにより施設が限定される
- 店舗の経営状況に左右される
- 住居系の土地活用と比較して節税効果が薄い
- 地元の商店等がある場合には様々な面で配慮が必要
ロードサイド店舗経営のデメリットは、前述のとおり、都市計画法の用途制限や各行政庁による指導、商圏内の需要といったマーケット面での事実上の制約を受けることから、「対応可能なエリアがかなり限定されてしまう」ということと、はじめた後でも競合店の出店等で売上が落ちた結果、契約条件にも影響が出てくる等の「マーケット面での影響を受ける」ことが最も大きな要素です。
そのため、リスクとリターンのバランスをしっかりと検討した上で、活用の判断を行うことが大切です。
また、土地は保有しているだけで毎年固定資産税や都市計画税が掛かり、資産としての評価も高額になるケースが多く相続の際の相続税も気にする必要がありますが、店舗を含めた商業系の建物を建てた場合は、賃貸住宅等の人の住まいを建築する場合にあるような税金の優遇が全く受けられません。
一例として、住宅用地の場合には固定資産税が最大で6分の1まで軽減されるため、特に土地の評価が高いエリアほど税金面だけでも収益性に大きな差となるケースもあります。
ロードサイド店舗経営の中には、事業用定期借地権を設定して土地を店舗事業者へ貸すだけといった方式もありますが、その場合でも、定期借地権の対象地として相続税上の優遇は受けられるものの、毎年かかる固定資産税・都市計画税の優遇は受けられません。
ロードサイド店舗経営ができるような幹線道路沿いの土地は、比較的評価額が高くなる傾向がありますので、必ず税金面も考慮した事業検討をしましょう。
さらに、近くに地元の商店等がある場合には、双方の経営面への影響や人間関係への影響等を考え、出店店舗の種類を検討する等、様々な面で配慮し将来的な揉め事にならないようにすることも大切です。
3. ロードサイド店舗経営に向いている人
前述のとおり、ロードサイド店舗経営は場所を選ぶため誰にでもできるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。
- 収益性を重視する人
- 幹線道路沿いに土地を所有している人
- 人通りの多い道路に接道した土地を所有している人
- 周辺に生活利便施設が少なく、地域の利便性向上や価値向上に貢献したい人
3-1. 収益性を重視する人
- まだ相続を考えるような年齢でもないので、節税効果よりも収益性にこだわって土地活用がしたい
- 他に賃貸住宅等の低リスクな不動産は所有しているので、収益性重視で土地活用を検討したい
ロードサイド店舗経営の最大のメリットは収益性の高さであり、他の土地活用と比較しても非常に高利回りな土地活用が可能です。そのため、土地活用の目的として、多少リスクを取ってでも収益性を最も重視するという人にとっては最適な土地活用といえます。
3-2. 幹線道路沿いに土地を所有している人
- 幹線道路沿いの土地を活用したいが、どんな土地活用がよいかわからない
- 幹線道路沿いという特徴(メリット)を最大限活かした土地活用がしたい
前述のとおり、幹線道路沿いの土地では、交通騒音や交通振動等の問題から住居系の土地活用では入居者から敬遠されがちな傾向がありますが、逆に店舗であれば交通量が多いほど適しています。
幹線道路沿いに土地を所有している人はまずはロードサイド店舗経営の可能性を検討することをおすすめします。
3-3. 人通りの多い道路に接道した土地を所有している人
- 駅前や商業エリア等のにぎやかな道路沿いの土地で、高収益な土地活用がしたい
- 住宅街から駅までの通り道にある土地なので、人通りの多さを活かした土地活用がしたい
幹線道路沿いの土地同様、人通りの多い土地の1階部分は防犯面やプライバシー面で住居系の建物では敬遠されますので、店舗の可能性を検討すべきです。
人通りが多いということは商業系と住居系両方の需要がある可能性が高いため、店舗のみを建築してもよいですし、2階部分以上に賃貸住宅を併設したマンション形式での活用を検討するのもよいでしょう。
3-4. 周辺に生活利便施設が少なく、地域の利便性向上に貢献したい人
- 土地活用をするなら、自分の収益のためだけでなく、地域住民が喜ぶ土地活用がしたい
- 車社会で周辺に何もなく、高齢化も進んできている地域なので、自分の土地を活用して地域のためになるようなことがしたい
店舗というと、まず最初に収益性が思い浮かびそうですが、前述の通り、ロードサイド店舗は地域の利便性向上や雇用創出等、地域発展に貢献できる数少ない土地活用の一つです。
同時に収益性も求められますので、上記のような地域貢献志向の高い方には非常に検討価値の高い土地活用といえます。
4. あなたの土地でロードサイド店舗経営をはじめるための4ステップ
ロードサイド店舗経営のできるできないの判断は実は簡単で、下記の4ステッップに従うだけで誰でも行う事ができます。
最終的には業者にマーケティングや提案をしてもらうことになるため、自分で色々と調べるのが面倒だという方は全てを業者に丸投げし、いきなりステップ④に進んで頂いても問題ありませんが、後々後悔しないためにも、自分できちんと内容を理解した上で最終的な判断ができるよう各ステップを確認することをおすすめします。
- ステップ①|所有地で法規上店舗建築が可能かを調べる
- ステップ②|所有地で法規上建築可能な建物規模(延床面積)を調べる
- ステップ③|所有地の条件やニーズに合わせて適した店舗を選ぶ
- ステップ④|業者に相談し提案してもらう
4-1. ステップ①|所有地で法規上店舗建築が可能かを調べる
土地は法律や行政指導等によって様々な規制を受けるため、たとえ自分の土地であっても好き勝手に建物を建築することはできません。
そのため、ロードサイド店舗経営を検討する際には、まずはそもそも自分の土地で法規上「店舗建築が可能か」「可能な場合、どんな規模まで建築可能か」を調べる必要があります。
その際に重要になるのが「都市計画法」という法律です。
都市計画法では、行政庁が立てた“これから街を整備していくにあたり、どのエリアにどのような建物を整備していくか”という「都市計画」を実現するために、優先的に市街化すべき「市街化区域」と反対に市街化を抑制すべき「市街化調整区域」を定めたり、エリア毎に建築可能な建築物の種類を制限する「用途地域」等が定められています。
従って、自分の土地がどのような地域に位置しており、どんな建物が建築可能なのかをを役所で調べるようにしましょう。
※参考
「役所によって名称は異なりますが、大概「都市計画課」という名称の部署があり、そこで聞くと直ぐに教えてもらえます。
役所によっては電話で対応してもらえるところも多いですし、ネットで「都市計画図」を公開している行政もありますので、直接役所に電話して「自分の土地で店舗建築は可能か?」と聞いてしまうのが最も簡単で早い方法です。
自分でチェックする場合のチェックポイントは以下の通りです。
- 都市計画区域内の土地か否か?
- 都市計画区域内の土地の場合、市街化区域内の土地か否か?
- 市街化区域内の土地の場合、用途地域は何か?
1.2.で「否」の人は、そもそも建築が可能かどうかは行政毎により異なりますので、必ず役所に確認する必要があります。
3.の市街化区域内の土地の場合には、用途地域を確認することで法規上の店舗建築の可否を判断することができます。その際の早見表を以下にまとめております。
4-2. ステップ②|所有地で法規上建築可能な建物規模(延床面積)を調べる
所有地で法規上建築可能な大まかな建物規模(延床面積)の調べ方は下記の通りです。
- 役所の建築課(建築確認の審査を行う部署)で所有地の「建築可能容積率」を調べる
- 所有地の土地面積に調べた指定容積率を掛ける
以上の2つの作業を行うだけで誰でも簡単に大まかな建築可能な建物規模を調べることができます。
※注
「建築可能容積率」という言葉は、一般的には存在せず、本サイトでは便宜上そのように呼んでおります。
本来は、各行政が都市計画に基づいた「指定容積率」というものを定めており、建築に際しては建築基準法の規定に基づいて、「指定容積率」と「全面道路の幅員に用途地域別に定められた係数を掛け合わせて算出した容積率」とを比較してどちらか低い方を用いて建築可能延床面積を計算します。
一般の素人の人が全ての要素を調べて計算するのは専門的で難しいため、建築確認申請の内容が適法かどうかを審査している部署である建築課(役所によって名称が異なりますが「建築課」や「建築審査課」「建築指導課」等が多い)にて「建築可能容積率(建築計画をする上で有効な容積率)」を尋ねれば、ほとんどの場合、計算して教えてもらえます。
参考例
- 役所で確認した所有地の建築可能容積率=160%
- 所有地の土地面積=400坪(約1320㎡) の場合
400坪(約1320㎡)×160%=640坪(約2115㎡)
となり、容積率算定上の延床面積で640坪(約2115㎡)まで建築可能と判断することができます。
4-3. ステップ③|所有地の条件やニーズに合わせて適した店舗を選ぶ
ステップ①・②を踏まえ、所有地で建築可能な条件に合う店舗の中から、予算や利回り等、自身のニーズに合う店舗を選びます。
ロードサイド店舗には様々な種類がありますが、以下に代表的な店舗の概ねの概要をまとめております。
※同じ種類の店舗であっても業者よって規模や仕様が異なったり、エリアによって賃料相場等の条件が大きく異なるため、上図はあくまでも概ねの目安となります。
一般的な賃貸住宅の利回りは5〜10%程度になりますので、ロードサイド店舗経営は全体的に非常に高利回りな土地活用といえます。
4-4. ステップ④|業者に相談し提案してもらう
業者に相談し提案してもらう方法としては、以下の4つが一般的です。
- 直接店舗運営事業者に問い合わせる
- 不動産業者から紹介してもらう
- 金融機関や税理士等から紹介してもらう
- 建築会社やデベロッパー等に店舗業者誘致と建物プラン・見積もり等をセットで提案してもらう
直接店舗運営事業者に問い合わせる
これまでのステップを踏まえ、自分の土地でどのうような店舗経営が可能かがある程度判断できれば、直接店舗運営業者へ問い合わせることも可能です。
各事業者には大概店舗開発部門が存在しており、HP等で問い合わせを受け付けている場合の多いですので、そこから問い合わせるとよいでしょう。
直接問い合わせる場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- 仲介手数料等の余分な費用が発生する心配がない
- 自分の好きな業者に相談できる
<デメリット>
- 全てのやりとりを自分でやらないといけないため手間がかかる
- 建築プランや見積もりは店舗業者とは別に建築会社等へ外注することになる
不動産業者から紹介してもらう
もっともイメージしやすい方法が、不動産業者から紹介してもらうという方法でしょう。
しかしながら、不動産業者にも様々な業者が存在し、管理や売買の仲介は得意でも建築に関する専門知識が必要な土地活用については全く理解していない業者も多く存在しているのが実態です。
自分でやりとりをする手間を省くためであればよいですが、全てを不動産業者に任せきりにし、言いなりになるのは危険ですので、必ず自分でも調べるようにしましょう。
不動産業者から紹介してもらう場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- 複数の業者とのやりとりの手間が省ける
- 信頼できる業者であれば良いアドバイザーになる
<デメリット>
- 結局、建築プランや見積もりは建築会社等へ外注になる
- 仲介手数料等の余分な費用が発生する可能性がある
金融機関や税理士等から紹介してもらう
一見、不動産や土地活用とは関係のない相談先のように思われますが、実は土地活用の検討を行う際に、ローン等の資金面での相談や税務面での相談と併せて店舗業者の紹介まで行ってくれる金融機関や税理士等も多く存在しています。
この場合にも、金融や税金についてはエキスパートですが、不動産や建築の専門知識は理解していない業者も多いため、全てを任せきりして言いなりにならず、必ず自分でも調べるようにしましょう。
金融機関や税理士等から紹介してもらう場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- 複数の業者とのやりとりの手間が省ける
- 資金調達や税金について同時に相談できる
<デメリット>
- 不動産や建築についての専門知識が乏しく視野が狭くなりがち
- 手数料が掛かる場合がある
- 結局、建築プランや見積もりは建築会社等へ外注になる
建築会社やデベロッパー等に店舗業者誘致と建物プラン・見積もり等をセットで提案してもらう
建築会社やデベロッパーの中には土地活用を生業をしている業者が多く、店舗業者の誘致から建物プラン・建築費見積もり・事業収支シミュレーションまでワンストップで提案してくれる場合が多く、話が早く土地オーナーにとっては最も楽な方法でしょう。
しかしながら、業者によって得意な分野と不得意な分野が様々な上、得意な分野のみ提案されるケースが多いため一社決め打ちは危険であり、必ず複数の業者から提案をもらい比較する必要があります。
建築会社やデベロッパー等に店舗業者誘致と建物プラン・見積もり等をセットで提案してもらう場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- 全てまとめて一括して提案してもらえるので話が早く楽
- 土地活用の専門家が多く土地の使い方から提案してもらえる
<デメリット>
- 基本的に得意分野しか提案されないため、複数業者を比較する手間が掛かる
- どの業者が良いかを見極めるのが大変
業界関係者ならこうする|業者へ相談する際の賢い方法
結局のところ、上記4つの方法はそれぞれメリット・デメリットが存在するため、必ずこれが一番とは言い難いですが、土地活用では建物プランや見積もり・事業シミュレーション等がないときちんとした事業比較ができないため、どのルートから相談しても最終的には建築会社へ行き着くことになります。
そのため、どの建築会社がどんな分野を得意としているかを知っている業界関係者であれば、わざわざ間に他の業者を通すメリットを感じず、「ロードサイド店舗経営が得意な、ワンストップで提案してもらえる建築会社」へピンポイントで相談することになります。
以下に「全国展開しており、ロードサイド店舗経営が得意な信頼できる建築会社」をまとめておきますので、相談先に困っている人はこの中から2〜3社程度選んで相談するとよいでしょう。
- 大和ハウス工業株式会社
- 三井不動産株式会社
- 三井ホーム株式会社
- 大成ユーレック株式会社
- 高松建設株式会社
- 大東建託株式会社
▷大和ハウス工業株式会社|規模の大小を問わず様々な種類の店舗の中から検討したい人にオススメ
『大和ハウス工業株式会社』は、ハウスメーカーの中では最もロードサイド店舗に力を入れており、「ユニクロ」の全国展開をロードサイド店舗開発の面から支えた、ユニクロ一大成長の立役者的存在。
小規模なものから大規模なものまで、オールラウンドで対応可能な建築会社。
※エリアや規模・種類を問わず最も幅広く対応可能な会社であるため、とりあえず選択肢の中の一社にいれておけば、自分の土地のポテンシャルを判断する上でもかなり役立つでしょう。
▷三井不動産株式会社|大型店舗開発を検討したい人にオススメ
『三井不動産株式会社』は、言わずと知れた大手不動産デベロッパーの雄。
基本的に大規模な案件のみしか手掛けないが、個人の土地活用を支援する事業も行っています。
※ショッピングセンターやアウトレットモール等、企画力は抜群の会社であるため、大型店舗開発を検討する際には真っ先に相談したい先。規模が見合わなくても、グループ会社へ繋いでもらえるため、大型店舗開発に興味がある人は一度相談してみるとよいでしょう。
▷三井ホーム株式会社|初めての土地活用やサポート重視な人にオススメ
『三井ホーム株式会社』は、大手不動産デベロッパーである三井不動産のグループ会社。
2×4構造の木造住宅がメイン商品ではあるが、三井不動産グループの強みを活かして、三井不動産がやらない規模の個人向けの小規模なロードサイド店舗開発も手掛けており、評価も高い建築会社です。
※三井不動産グループのネットワークやサポート力という強固な基盤を活かせる会社であるため、安心感やサポート体制を重視する人にとっては非常に心強いパートナーとなるでしょう。
▷大成ユーレック株式会社|特に都市部の中高層建築を検討している人にオススメ
『大成ユーレック株式会社』は、言わずと知れた大手ゼネコンの大成建設のグループ会社。
大手ゼネコングループのためあらゆる建設に強みがあり、比較的小規模なものから大規模なものまで幅広く対応可能。
※都市部のロードサイド等で、土地のポテンシャル的に中高層階の建物で検討したい場合では、敷地の使い方やデザイン面での建物の見せ方等、中高層建築ならではのノウハウが必要なため、ゼネコン系で実績の多い会社ほど、良い提案がもらえる可能性が高いです。
▷髙松建設株式会社|低層から中高層まで幅広く、予算に合わせて建物にこだわりたい人にオススメ
『髙松建設株式会社』は、中堅ゼネコンながら土地活用に特化しており、三大都市圏を中心に実績は豊富。
規模・種類問わず様々な建築に対応可能。
※土地活用に特化したゼネコンとして、高い設計・建築対応力を有した会社であるため、コストバランスを考えながら建物にこだわって色々と検討したい場合には非常に良いパートナーになるでしょう。
▷大東建託株式会社|特に郊外の土地に店舗を誘致したい人にオススメ
『大東建託株式会社』は、賃貸住宅の管理戸数では26年連続No1の圧倒的実績をもった不動産デベロッパー兼ハウスメーカー。
賃貸住宅の土地活用で培ったノウハウとネットワークを活かして、ロードサイド店舗も手掛けている。
※特に郊外の賃貸住宅の実績が圧倒的に多い会社であり、対応エリアの範囲は数ある建築会社の中でも最大規模なため、都市部はもちろん、郊外の土地へ店舗誘致を検討したい場合には相談すると良いでしょう。
土地活用では専門の担当者(部署)に依頼することが最も大切
規模の大きなハウスメーカー等では、戸建住宅をメインに扱う担当者・部署と土地活用をメインに扱う担当者・部署の大きく2種類が存在しますが、当然のことながら土地活用については土地活用をメインに扱う担当に依頼するべきです。
しかしながら、基本的に最初にコンタクトを取った営業マンが担当となるケースが多いため、中には戸建住宅メインの担当が土地活用の提案を行うということも多くあり得ます。
そのため、より良い提案をしてもらうためにも、むやみに住宅展示場等の営業マンに相談するのではなく、土地活用を専門に扱う部署へ直接問い合わせることをおすすめしますが、その際に最も簡単で便利な方法は一括資料請求サービスの活用でしょう。
<一括資料請求サービスを活用するメリット>
一括資料請求サービスを活用すると、相談者の「住所」や「建築地」「相談内容」などをもとに最適な専門部署に繋いでもらえます。
土地活用の一括資料請求サービスを行っている会社は10社以上ありますが、私が対応エリアや対応種類、参加企業・実績等の観点で、いろいろと比較した上で、総合的に最もおすすめなサイトは大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」です。
まずはこのサイトから一括資料請求して情報収集した後に、気になる業者に本格的に相談するとよいでしょう。
HOME4Uには、不動産売却など土地活用以外にも色々なサービスがありますので、下記の土地活用専用の公式ページから一括請求するとよいです。
HOME4U(ホームフォーユー)土地活用:https://land.home4u.jp
5. ロードサイド店舗の業者選びで失敗しない為に押さえておくべき3つのポイント
これまでのお話の中でご紹介してきた内容も含まれますが、今一度、介護施設経営を検討する上で失敗しないために絶対に押さえておくべきポイントを下記にまとめておきます。
- 契約内容の条件だけでなく、必ずその業者の市場でのブランド力や競争力を重視して業者を決めるようにする
- あくまでも店舗の経営状態に左右される土地活用であるため、必ず中途解約ペナルティ条項付きの長期契約を結ぶようにする
- 店舗経営は賃貸住宅経営等と比較しても不安定なことが多いため、賃料改定条件については慎重に検討し、できれば長期間固定してもらうように交渉する
5-1. 契約内容の条件だけでなく、必ずその業者の市場でのブランド力や競争力を重視して業者を決めるようにする
安易に業者選定をした結果、将来的に苦労をするという上記のような事例は、店舗土地活の中で最も多い失敗事例です。
店舗経営について知識のない一般人からすると、何をどう比較検討してよいかが分からず、つい賃料等の分かりやすい条件に飛びついてしまいがちですが、「将来に渡って長期的に自分の資産を預ける経営パートナーとして十分に魅力的な相手かどうか」という目線で、業者自体の将来性やエリアにおける競争力をまず第一に考えるようにしましょう。
5-2. あくまでも店舗の経営状態に左右される土地活用であるため、必ず中途解約ペナルティ条項付きの長期契約を結ぶようにする
上記の事例のように、当初はとても有利な立地であっても、年月の経過に伴って将来的に周辺環境が変化する可能性があるというのも不動産全般にいえる特徴で、そのなかでも、商業系の店舗は特に影響を受けやすい土地活用といえます。
行政の都市計画を確認することで、ある程度は事前に大きな環境変化の可能性を知ることはできますが、たとえ大きなリスクを感じない場合であったとしても、必ず中途解約ペナルティ条項は設定するようにしましょう。
ペナルティ内容は運営事業者との交渉によりまちまちですが、
- 建物建築費の残債相当額を違約金として支払う
- 現在の契約内容と同条件で運営を引継いでくれる事業者の紹介を条件とする
- 契約残存期間分の賃料相当額を違約金として支払う
等の条件で中途解約ペナルティ条項を設定するよう交渉するとよいでしょう。
5-3. 店舗経営は賃貸住宅経営等と比較しても不安定なことが多いため、賃料改定条件については慎重に検討し、できれば長期間固定してもらうように交渉する
前項の失敗事例にもある通り、ロードサイド店舗経営は将来的にどのうような需給バランスの変化が起こるかが予測しにくく、立地によってはテナント需要も多いとは限りません。
そのため、投資を行う上でのリスクヘッジ策として、契約期間や賃料改定条件等の収入条件については安全な条件で契約を行うべきです。
「20〜30年契約等の長期契約」や「当初10年間の賃料固定」等の有利な条件で運営されている店舗も多くありますので、しっかりと交渉するようにしましょう。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分の土地の条件や土地活用の目的と照らして、ロードサイド店舗経営が向いていると思った人、向いていないと思った人、等様々だと思いますが、ロードサイド店舗経営は数ある土地活用の中でも比較的初期投資も低く抑えられて高収益が狙える、最も高利回りな土地活用の一つです。
本サイトではロードサイド店舗経営に関わる重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で行えば、きっと後悔しないロードサイド店舗経営ができるでしょう。
土地活用は、後からの計画の変更が難しいため、時間をかけてじっくりと最適な方法を検討するべきです。ご自身のニーズに合わせて、最適なロードサイド店舗経営を比較検討してみて下さい。
将来的なニーズのある人は、大手NTTデータグループ会社が運営していて信頼性抜群の「HOME4U土地活用」などの一括資料請求サービスを利用しながら、早めにまずは事前情報収集から検討を始められることをおすすめします。