3つの状況別!保証人がいないときでも賃貸を契約するための全知識
賃貸を借りたいけど、「保証人がいないと家を借りることはできない?」「保証人がいないときはどうすればいいの?」と、疑問に思っていませんか?
保証人がいない人でも、状況に合う対策を知っていれば、誰でも家を借りることはできます。
このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下の3つのことをご紹介します。
すべて読めば、保証人がいないときの対策を知ることができ、悩むことなく賃貸物件を契約することができるでしょう。
目次
1.3つの状況に分けて考える!保証人がいないときの対策
保証人がいないときは状況によって対策が異なるので、以下の3つから当てはまる項目を確認しましょう。
他のサイトでは、保証人がいない人は「クレジットカード払い」や「UR賃貸」を勧めてますが、どちらもおすすめできません。
クレジットカード払いは、信用機関の会社と契約する必要があるので、審査が非常に厳しいです。
そして、UR賃貸は入居倍率が高いので入居が難しく、10万円の部屋を借りるときは貯蓄が1000万円以上必要と、お金の基準も非常に高いです。
上記のことから、保証人がいないときは、状況に合わせてより良い方法を検討する必要があるので、あなたに合う項目を確認しましょう。
1-1.物件を探し始める前の場合
まだ物件を探していない段階で、保証人がいないと悩んでいるときは「家賃保証会社」を使えるので、誰でも契約できます。
保証会社とは、契約時に所定の金額を支払えば、保証人と同じ役割を果たしてくれる保証サービスです。
不動産会社に案内してもらうときに、「保証人がいないので、家賃保証会社を使いたい」と伝えれば、対応してくれます。
家賃保証会社について、詳しく知りたい方は、2章「家賃保証会社を使って物件を借りる」を確認してみましょう。
1-2.不動産会社から保証人を求められている場合
すでに申し込みをしているときは、以下の順番で不動産会社に確認してみましょう。
- 家賃保証会社は使えるか
- 保証人は友人・知人でもOKか
家賃保証会社は使えるか
不動産会社から使えると言われたら、多少費用はかかりますが、保証会社を使って契約しましょう。
現在では、保証会社を使えない不動産会社は1割に満たないので、ほとんどの物件で使えると考えていいでしょう。
利用方法や、詳しい料金などは、2章「家賃保証会社を使って物件を借りる」を確認してみましょう。
保証人は友人・知人でもOKか
多くのケースで、2親等以内の親族に限定していることが多いですが、友人や知人でも受け付けてくれる不動産会社もあります。
頼れる人がいないときは、保証人を紹介してくれる会社もあるので、3章「保証人代行サービスを使って物件を借りる」を確認しましょう。
どちらの対応も不可のとき
このような場合は、別に物件に切り替えたほうがいいでしょう。
近年では、新規契約の6割以上が、保証会社と契約することになってる時代に、連帯保証人しか受け付けないというオーナーは非常に稀です。
古くからの習慣が残っているオーナーなので、入居してからも口うるさく色々と指摘され、住みにくい可能性もあるので、きっぱり諦めたほうがいいでしょう。
1-3.外国籍で日本に保証人がいない場合
契約時に、利用料金や保証金を預けることになりますが、日本人の保証人を紹介してくれる会社があるので、そちらを利用して契約することが望ましいです。
ページの後半で詳しく解説していきますので3章「保証人代行サービスを使って物件を借りる」を確認しましょう。
2.家賃保証会社を使って契約する
保証会社とは、契約者が家賃を滞納したとき、家賃を立替えてオーナーに払ってくれる会社です。
言い換えると、保険のようなもので、不動産会社を経由し保証料を支払い、何かあったときに助けてくれる会社です。
不動産会社に相談すればほとんどの物件で利用できるので、「保証人がいないので、家賃保証会社を使いたい」と伝えましょう。
2-1.契約するときに必要な費用
契約するには、提携している不動産会社から指定された会社で申し込みをします。
費用はプランにより異なりますが、住宅の場合は「賃料の30~60%」が相場で、支払いは物件の初期費用と合わせて、契約時に一括で支払い、退去のとき返金はされません。
2-2.借りる人のメリットはあるの?
最大のメリットは「保証人がいない人でも契約できる」ということです。
ただし、保証人の代わりに「緊急連絡先」が必要になるので、用意することになります。
緊急連絡先には、お金の責任などは一切なく、友人や知人でも申請することができるので、安心してください。
2-3.デメリットはない?
大きく分けて以下の2点が、借りる人にとってのデメリットになります。
- 保証委託料が契約時に掛かる
- 2つの審査が必要になる
保証委託料が契約時に掛かる
物件により異なりますが、一般的に毎月の総賃料の30%~60%を契約時に支払う必要があります。
また、最低保証料という名目があり、各社3万円前後で設定しています。
例えば、家賃6万円の物件で保証料が30%のときは、1.8万円ですが、最低保証料を下回るため、3万円支払うことになります。
2つの審査が必要になる
保証会社は、保証料を払えばOKではなく、必ず審査が必要です。
保証人を用意できる場合は、オーナーによる審査だけなので、比較的簡単に部屋を借りれます。
一方で、保証会社に加入するときは、オーナー+保証会社の両方の審査が必要です。
保証会社の審査基準
1番重要なことは、家賃と収入のバランスが取れているかです。
収入が基準を下回ると、審査に通る確率も下がるので、事前に把握してから申し込みをしましょう。
収入の基準表(一般的に家賃の1/3が相場)
本人の年収 | 家賃上限の目安 |
200万円 | 約5.6万円 |
250万円 | 約6.9万円 |
350万円 | 約9.7万円 |
500万円 | 約13.9万円 |
700万円 | 約19.5万円 |
1000万円 | 約27.8万円 |
2-4.保証人を追加で求められることはある?
最近では、契約者の年収基準が下回っていたりすると「追加で保証人を用意してください」と求められることがあります。
こうなったら保証会社を使う意味がないので、最初から保証人を求められない会社を使えないか、不動産会社に相談してみましょう。
保証人を求められることのない保証会社
保証会社の中でも「CASA(カーサ)」という保証会社が、業界でも知名度があり審査も通りやすく、保証人を求められることもありません。
保証人を用意できない場合は、不動産会社に「CASAを使うことはできますか?」と聞いてみましょう。
引用:CASA
3.保証人代行サービスを使って契約する
保証人代行は、以下のようなイメージで、お金を払うことで保証人になる人を探してくれるというものです。
3-1.保証人代行を利用するときの費用
費用は会社によってバラバラですが、初回手数料は家賃の30~50%が相場で、契約時に手数料とは別に保証金として家賃2~3ヶ月分を預けることになります。
ただし、手数料を一律で家賃1ヶ月分に設定している会社もありますので、手数料が高すぎる会社を選ばないように気をつけましょう。
保証金は解約時に返金されます
保証金はあくまでも預かり金なので、解約時にはきちんと返金されるお金です。
対して、手数料は返金されないお金なので、注意しましょう。
3-2.保証人との契約方法
すべての段取りを保証人代行会社が請け負ってくれるので、保証人と直接会う必要はありません。
そして、契約書類も郵送のやりとりで完結するので、代行会社に行かなくても契約できます。
不安なときは来店することもできる
誰とも会わずに保証人を紹介されるのは不安という人は、直接店舗に行って相談することも可能です。
どんな会社なのか知りたいときには、遠慮なく店舗に行ってみましょう。
3-3.店舗がない代行会社には要注意
保証人代行でも詐欺に近い会社もありますので、店舗がどこにあるのか・会社は存在しているのか、事前に把握しておきましょう。
なぜなら、指定の口座に登録料を振り込んでも、それ以降一切連絡が取れないケースもよくあるからです。
ですので、ホームページの情報だけで判断せず、可能であれば直接店舗に行って、自身の目で確認したうえで契約することが望ましいです。
店舗のある保証人代行会社
参考までに、インターネット上にもきちんと情報を出していて、店舗も実在する会社を2社紹介します。
登録料 | 日本人(契約手数料) | 外国人(契約手数料) | |
日本保証協会(東京都中野区) | 1.1万円 | 家賃0.33ヶ月分 | 家賃0.33ヶ月分(別途預かり金3.3ヶ月) |
(株)プロスペリティー(宮城県仙台市) | なし | 家賃1.1ヶ月分 | 家賃1.1ヶ月分 |
上記は店舗が実在しているので、信用度は高いです。店舗に行かない、行けない場合も郵送で契約できるので、上記のような店舗のある会社を選びましょう。
そして、利用するときは不動産会社に確認を取り、しっかりとサービス内容を確認したうえで、契約することを心がけましょう。
4.まとめ
保証人がいないときの対策を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
オーナーに「親族の保証人じゃないとダメ」と言われない限り、契約することはできるので、安心してください。
下記のように、状況に合わせて、対策をしていくことがおすすめです。
- 物件を探し始める前の場合:保証会社を利用しましょう。
- 不動産会社から保証人を求められている場合:保証会社/友人知人でもOKか、不動産会社に相談しましょう。
- 外国籍で日本に保証人がいない場合:保証人代行サービスを使いましょう。
保証人がいないときでも無事に契約できることを、陰ながら願っています。