賃貸の保証人不要とはどんな仕組み?悪徳業者に注意すべき全理由
「保証人不要ってどんな仕組み?」「保証人不要の物件って、なにかデメリットはある?」など、保証人不要に対して、疑問に思っていませんか?
保証人不要とは、多くの場合で、家賃保証会社を利用することで保証人を不要にしてる仕組みですが、保証料を過剰に請求されるなどのデメリットがある条件でもあります。
このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下4つのことをご紹介します。
すべて読めば、保証人不要がどんな仕組みなのか、そして、過剰請求される背景も知ることができるので、騙されることのない知識が身につくでしょう。
1.賃貸の保証人不要とはどんな仕組みなのか
保証人不要とは、あなたが保証人を用意しなくても契約できることですが、それぞれの物件に、何かしらの落とし穴やデメリットがあります。
まず、不人気な物件という理由もありますが、それ以上に、保証人のかわりとなる家賃保証会社を利用することで、保証人不要としていることが多いです。
ただ、両親など、保証人を用意できる人も数多くいるはずなので、まずは保証人がどんな役割なのか、簡単に解説していきます。
1-1.保証人が果たす役割とは
保証人は、契約者が家賃を滞納したとき、代わりにオーナーへ家賃を支払う役割があります。
この他にも、近隣トラブルや万が一の事故など、すべての責任をとることも保証人の役割です。
一般的に親族でないと認めてもらえず、一度契約すると、途中で辞退したり、変更することもできないのが、保証人です。
1-2.保証人を用意することは簡単ではない
先ほど説明したとおり、保証人は非常に責任が重く、だれでも良いわけではないので、用意することは簡単ではありません。
そんな、保証人を用意できない人にとって、保証人不要の物件はいい条件で、そういった人を誘導するために「保証人不要」という点をアピールしている物件も多いです。
2.保証人が不要になる4つのパターン
保証人が不要になるパターンは、主に以下の4つになるので、希望の物件がどれに当てはまるか確認してみましょう。
- 不人気の物件で入居希望者がいない
- マンスリーマンションなど短期限定の物件
- 定期借家契約で住める年数が決まっている
- 家賃保証会社の利用を必須にしている
2-1.不人気の物件で入居希望者がいない
入居者がまったく集まらないときは「保証人・保証会社どちらも不要」として募集されることが稀にあります。
この場合、保証人がいない人にとっては契約しやすい条件ですが、実際には事故物件(過去に自殺などがあった物件)で、だれも入居を希望してこない物件の可能性もあります。
保証人・保証会社どちらも不要は疑うことが大切
保証人も保証会社も不要な、なんの保証も必要としない物件は、必ずなにか落とし穴があるので、不動産会社に理由を確認してみましょう。
ただ、事故物件の場合、事故後最初の入居者には告知する義務がありますが、次の入居者には告知する義務はありません。
なので、不動産会社から特別な理由はないと言われたら、自分で事故物件情報がまとまっている「大島てるの事故物件公示サイト」で確認してみましょう。
2-2.マンスリーマンションなど短期限定の物件
最初から、住む期間や支払うお金が決まっているマンスリーマンションなどは、保証人を求められないことが多いです。
なぜなら、入居時にお金をまとめて支払うので、保証する役割が必要ないからです。
この場合は、とくにデメリットはないので、物件のコスパを見て判断することが望ましいでしょう。
2-3.定期借家契約で住める年数が決まっている
定期借家契約とは、オーナーの都合で契約期間を限定している物件です。
期間は、数ヶ月〜5年などさまざまですが、短い期間のときに保証人不要となることがあります。
保証人不要だからと言って、申し込みしても、数ヶ月しか借りることができない物件の可能性もあるので、契約期間を確認するようにしましょう。
2-4.家賃保証会社の利用を必須にしている
保証人不要の物件で、大多数の割合を占めるのが、家賃保証会社の利用を必須にしている物件です。
家賃保証会社は、契約者が滞納したとき「家賃を一時的に立替えてオーナーに払ってくれる会社」なので、お金の面だけ保証人と同じ役割を果たしてくれます。
このサービスを利用すれば、家賃を滞納されてもオーナーにリスクはないので、保証人不要として募集をしているのです。
保証人がいる人にはデメリットになる
保証人がいる人にとっては、無駄な費用を払うことになるので、大きなデメリットになります。
そのため、保証人をつけられる方にはおすすめしませんが、気に入った物件が家賃保証会社の契約だった場合は少しでもお得に契約できるよう次の章をご覧ください。
3.家賃保証会社をお得に契約する方法
保証人不要となるパターンを4つ説明してきましたが、多くの場合が保証会社の利用となっているので、この章では保証会社を中心に説明します。
家賃保証会社と契約するには、クレジットカードを作るときのような審査が必要で、料金は賃料の30~60%を、契約のときに一括で支払います。
ただ、契約時に支払った料金は一切返金されないので、少しでもお得に契約する方法を解説していきます。
3-1.まずは保証人で対応できるか確認する
保証人を用意できる人は、そもそも保証会社を使う必要はないので、保証人で対応できないか、不動産会社に確認してみましょう。
ただ、保証会社の利用を必須にしている場合だと、保証人で許可をもらえる確率は低いです。そのときは、指定された保証会社とは別の会社を利用できるか確認しましょう。
3-2.保証人をつければ安くなる保証会社を選ぶ
保証会社の中には、保証人をつけることで、保証料が安くなる会社がいくつかあります。
一般的に、不動産会社は2~3社の保証会社と提携しているので、その内どれかの保証会社と契約すればokとしているケースが多いです。
保証人をつければ安くなる保証会社を、3社ピックアップするので、別途保証人を用意でき、かつ下記のどれかを選べるときは、自ら希望して申し込みをしましょう。
保証会社 | 保証人なし | 保証人あり |
ROOM iD | 40% | 30% |
フォーシーズ | 50% | 30% |
日本セーフティー | 60% | 40% |
※保証料について:40%の場合=1ヶ月分の家賃の40%がかかるということです。
3-3.言われるがままに契約することは危険
別の保証会社も選べないとき、不動産会社の言われるがままに契約することは非常に危険です。
なぜなら、不動産会社が儲かる契約をさせたがっている可能性があるからです。
実際に、通常の保証料より高い金額を請求されるケースもあるので、損しないように4章で詳しく解説していきます。
4. 保証料で大儲けする不動産会社に要注意
保証人不要となっていても、本当に大家さんが保証会社を必須にしているかは、正直、借りる人には判断できません。
そのため、本来は保証人で対応できる物件でも「この物件は保証人不要なので、保証会社の利用が必須です」と、不動産会社に言われれば従うしかありません。
そうなったときに、無駄な費用を払うことに加え、悪徳な不動産会社だと料金を上乗せして請求をしてくる恐れがあるので、詳しくながれを解説します。
4-1.上乗せした請求は違法にはならない
まず、保証会社に支払う保証料に関しては、法律が定められていないので、いくら請求をしても違法とはなりません。
保証料が家賃の200%で請求されれば、誰でもおかしいと気づきますが、60%や80%だと、他社で同水準のところがあるので、疑われることがないのです。
上乗せした請求がバレることは少ない
なぜかというと「物件(オーナー)・不動産会社・保証会社」の3つの取り分が組み合わさっての金額なので、正しい保証料を把握できないからです。
契約者は、一般的な相場の金額しか知ることはできないので、「保証料高くないですか?」と不動産会社に聞いても「オーナーが決めた会社のプランなので、この金額になります」と言われてしまいます。
なので、悪徳な不動産会社は、バレないからと、過剰に請求して利益を多く取っているのです。
4-2.保証会社のホームページには保証料が載っていない
先ほどの「物件(オーナー)・不動産会社・保証会社」の3つが組み合わさっての金額なので、正しい保証料を算出できず、ホームページに記載されないケースが多いです。
実際に、賃貸でよく使われている保証会社でも、ホームページに保証料を記載してない会社はたくさんあります。
保証会社の中には「保証料は30%ですが、契約者への請求額は任せます」と不動産会社に斡旋している会社もあるのです。
だから、保証料の振込先は不動産会社になる
保証料を支払うときは、不動産会社の口座に契約金とあわせて、支払いを求められることが多くあります。
入金先が一緒となる理由は、不動産会社が過剰請求をして、上乗せ分を差し引いたあと、保証会社に振り込むからです。
4-3.申し込み・審査・契約まで、すべて不動産会社を経由する
保証会社に関する手続きは、すべて不動産会社を経由する必要があり、契約者が直接手続きすることはできません。
なので、保証会社に保証料を確認しても「プランによって異なるので、不動産会社に確認してください」と言われてしまいます。
ちなみに、保証会社の申し込みや審査に、費用は一切かからないので、勝手に複数社同時に審査にかけられるケースもあります。
審査結果も契約者には開示しません
契約者が、保証会社に審査結果を確認しても、一切教えてくれません。
また、審査に落ちたときでも、理由は一切開示しないと規定で決めているので、本当に落ちたのか、実は通っていたのかは、不動産会社しかわからないのです。
このことから、不動産会社が都合のいいように、嘘の合否を伝えていることもあります。
4-4.信用できないときは会社を変えましょう
上記のように、1社だけ審査に通ったと言われたら、嘘の結果を伝えられている可能性もあるので、信用できないときは別の不動産会社に切り替えて探すことをおすすめします。
「suumo」や「HOME’S」には、同じ物件をたくさんの不動産会社が紹介してるので、改めて問い合わせをし、もう一度同じ保証会社で審査をしてみるのもアリです。
なんの問題もなく審査に通ることも珍しくないので、別の不動産会社に相談してみましょう。他の不動産会社であれば、保証会社をつけず、保証人で対応してくれることもあります。
5.まとめ
保証人不要について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
保証人がいない人にとっては良い条件ですが、保証人がいる人は無駄な費用が発生するので、保証人で対応できる別の物件がいいでしょう。
そして、無駄な費用の中でも、保証会社の保証料はとくに注意が必要です。
保証人がいない人も、いる人も過剰に請求される恐れがあるので、気をつけながら対応して、少しでもおかしいと感じたら、別の不動産会社に切り替えましょう。
あなたが保証人不要の物件でも、トラブルなく契約できることを、陰ながら願っています。