マンションの賢い住み替え・買い替え方法と後悔しない為の全知識
マンションの住み替え・買い替えを検討しているけど、「いったいどのように進めれば良いの?」「ローンが残っていても住み替えや買い替えはできるの?」などと様々な疑問に悩んでいませんか?
首都圏の中古マンション相場は過去20年で最も高くなっており、自宅や投資用マンションの売却を検討するには今が絶好の時期であることは間違いありません。
しかし、マンションの住み替え・買い替えの場合には、単純な売却と異なり、多少進め方が複雑になるため、きちんと流れや注意点等を理解して、損をしないように賢く進めていくことが肝心です。
このページでは、元大手不動産会社に勤務し、延べ2,000件以上の不動産売却に携ってきた筆者が、「マンションの住み替え・買い替えに必要な全知識と賢い進め方」について、以下の流れに沿ってご紹介します。
- マンション住み替え・買い替えの3つのパターンとメリット・デメリット
- マンション住み替え・買い替えを決断する際に大切な5つの基準と注意点
- ローンが残っている場合の賢い住み替え・買い替えテクニック
- 「仮住まい無し」で住み替え・買い替えするための2つの方法
- 住み替え後マンションを「売る」か「貸す」かの2つの判断基準
- マンション住み替え・買い替えで賢く利益を上げるために大切な3つのポイント
すべて読めば、「マンションの住み替え・買い替え」について、プロと同等の知識が身につき、賢く進めることができるようになるでしょう。
目次
1. マンション住み替え・買い替えの3つのパターンとメリット・デメリット
マンション住み替え・買い替えの進め方には以下の3つのパターンがあります。
- 「売り先行」
- 「買い先行」
- 「同時」
そして、それぞれの主なメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
マンション住み替え・買い替え3つのパターンのメリット・デメリット | ||
メリット | デメリット | |
売り先行 |
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買い先行 |
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同時 |
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一般的には、「資金に余裕がある人は買い先行」で、「資金に余裕のない人は売り先行」で、「できるだけ売買に掛かるコストを抑えたい場合には同時」で検討を進めるのが良いとされています。
以下、それぞれの内容について具体的に解説していきます。
1-1. 「売り先行」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット
「売り先行」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット | |
メリット | デメリット |
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「売り先行」パターンでは、先に自分の物件を売却し、自分の懐事情を確定させた後で、自分に合った新たな資金計画のもとに新しい物件を購入検討できるという点にメリットがあります。
しかしながら、ローンが残っている場合には売却時に残債を一括返済する必要があり、売却価格<ローン残債の場合には自己資金で充当する必要があります。また、住み替えの場合には新居の購入・引渡しまでの間、仮住まいをしなけらばなりません。
とはいえ、資金に余裕がない場合には、売買により「資金計画がきちんと回るか」ということが一番大切になりますので、必ず「売り先行」で検討するようにしましょう。
もし、売却価格<ローン残債で自己資金もない場合には、後述する「同時」方法で住み替えローン(買い替えローン)による売却の検討が必要です。
1-2. 「買い先行」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット
「買い先行」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット | |
メリット | デメリット |
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資金に余裕のある人であれば、住み替え・買い替えの際に絶対に気をつけておかないといけないような大きな注意点は特にありませんので、自分の好きな方法で売買することが可能です。
その際、仮住まいの負担回避や早く新居へ引っ越すことを考えるのであれば「買い先行」による検討を進めると良いでしょう。
しかしながら、現自宅にローン残債があり、新居もローンで購入する場合には、二重ローンやつなぎ融資を活用する必要があり、返済能力次第ではそもそも融資が受けられない可能性や、仮に借りられても、金利・元本返済負担が大きくなるため、買った後で売却がスムーズに進まない時のリスクを考えておく必要があります。
1-3. 「同時」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット
「同時」で住み替え・買い替えの場合のメリット・デメリット | |
メリット | デメリット |
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「同時」パターンの最大のメリットは、売買に掛かる期間を短くして余分なコストを抑えられる点にありますが、その分、2つの売買契約の決済タイミングの調整を行う必要が出てきます。
また、前述の「売却価格<ローン残債で自己資金もない」場合でも、後述する住み替えローン(買い替えローン)を利用すれば、残債額や返済能力次第では住み替え・買い替えすることも可能です。
この場合、売り物件の引き渡しと買い物件の引き受けを同日に行い、売買代金の流れをうまく調整して決済や登記を滞りなく進められるようにすべての関係者のスケジュールを調整する必要がありますが、ローン残債が残っている場合の住み替え・買い替えに有効です。
2. マンション住み替え・買い替えを決断する際に大切な5つの基準と注意点
マンション住み替え・買い替えを決断する際に大切な5つの基準 | |
1 | ライフイベント |
2 | 経済情勢 |
3 | 住み替え後収支(毎月負担額等) |
4 | 売却損益 |
5 | 築年数 |
住み替えや買い替えの際には何を基準に考えれば良いかという疑問を抱えて悩んでいる人が多いですが、その答えとしては、上記の5つのポイントを検討しながら自分にとってベストなタイミングを見つけることが肝心です。
上記の5つは一般的に優先度が高いとされるものから順に並べてありますが、何を優先するかは個人によって異なりますので、それぞれのポイントについて理解して総合的に判断するようにしましょう。
2-1. ライフイベント
- 結婚を機に同居できるマンションへ住み替える
- 出産を機に広いマンション・一戸建ての家へ住み替える
- 子供の小学校入学に備えて住環境の良いエリアへ住み替える
- 子供の独立を機に程よいサイズのマンションへ住み替える…等
結婚・出産・子育て・就職・転勤等、ライフイベントには様々なものがありますが、転勤等の突発的なものは仕方ないとしても、子育て等のような節目となるタイミングは読めるものについては、きちんと自分の人生計画の前提基準として把握しておかなければなりません。
マンションの住み替え・買い替えは、家族の住まいに関わる重大な決断ですので、ベストな時期については把握可能なライフイベントと照らして考えることが大切です。
2-2. 経済情勢
経済情勢の面では、マンションは今が売り時
私はこれまで長く不動産業界にいて不動産売買相場を見てきた経験から、以下の理由により、「マンションの売り時は今がベスト」といえます。
- 低金利の今こそ、高く売れるチャンス
- 今後も低金利が続くとは限らない
- 相場が過去20年で最も高い
それぞれ解説していきます。
理由1.低金利の今こそ、高く売れるチャンス
今が売り時と言える大きな理由の一つに、低金利があげられます。
金利が低いと、ローンを組むハードルが下がり、マンションの買い手が増えて、相場も高くなるからです。
金利が1%違うだけで、住宅ローンの返済額は大きく変わってきます。下図を見ると、その影響の大きさがわかります。
2013年以降、金融緩和によって金利は下がり続けました。低金利によって住宅ローンを組みやすくなり、買い手は増え、より高くマンションが売れるようになりました。
2024年11月時点のメガバンクの住宅ローン金利を以下にまとめました。
変動金利 | 固定金利(10年) | |
みずほ銀行 | 0.375~ 0.825% | 1.40~ 1.85% |
三菱UFJ銀行 | 0.345~ 0.425% | 1.12~ 1.20% |
三井住友銀行 | 0.625~ 0.875% | 1.80% |
変動金利は1%を切っており、固定金利ついても1%台という低い金利での借入が可能となっています。
このように低金利で、買い手が住宅ローンを組みやすい、今こそがマンションの売り時と言えます。
マイナス金利解除の影響はまだ小さい
2024年3月、日銀はこれまでの低金利を支えてきたマイナス金利政策の解除を決定しました。
利上げがあったのは事実ですが、1%にも満たない小幅な上昇で、住宅ローンへの影響はまだ限定的です。
今後さらに利上げの可能性がありますが、過去の事例を見ると、1%未満の変更が半年~1年おきにしか行われないので、少なくとも2024年中は低金利の状態が続きます。
そもそもマイナス金利とは
日銀の金利をマイナスにすることで、銀行から会社や個人への融資を促進し、景気を良くする狙いがあります。
私たちはみずほや三菱といった民間の銀行にお金を預けますが、同じように銀行側は、日銀にお金を預けています。
銀号は日銀にお金を預けることで本来利息がもらえますが、マイナス金利になると、逆に利息を取られることになります。
損をしないために、銀行はお金を溜め込まず、住宅ローンも含めた個人や法人への融資を活発にするようになります。
2016年以降ずっとマイナスでしたが、2024年に大企業を中心に賃上げが多く行われ、景気回復の兆しが見えたことで、解除となりました。
理由2.今後も低金利が続くとは限らない
日本ではもう20年以上低金利が続いていますが、これは今後も必ず続くとは限りません。
世界に目を向けると、アメリカでは物価上昇(インフレ)を抑える目的で、2022年から5%もの大幅な利上げが行われています。
その影響を受けて住宅ローン金利も7%以上まで一気に上がり、以下のような不動産価格の暴落と言える事態も起きています。
- ロサンゼルスで三番目に高いビル「エーオンセンター」が10年前の約半額に
- サンフランシスコの中心街のビルが10年前の約3分の1の価格で売却される
大幅な金利上昇は、あくまで「ハンバーガーが一個3,000円」のように大きなインフレがあるアメリカの話で、日本にはまだ当てはまりません。
ただ、日本でも企業の賃上げが相次ぐなど、景気回復の兆しがあり、今後高金利に向かう可能性は高いので、今のうちに売るのが賢い選択です。
理由3.相場が過去20年で最も高い
長く続いてきた低金利の影響もあり、直近の中古マンション相場は、過去20年で最も高くなっています。
相場が高い時に売りたいのであれば、まさに今が売り時と言えます。
データ引用元「東日本不動産流通機構」
2000年代以降、低金利でローンが組みやすくなり、住宅の購入が増えたことで、より高い物件が売れるようになりました。
さらに、近年は円安で外国人にとって日本の物件が割安になり、海外の投資家からのニーズも拡大しています。
こうした影響もあり、直近の相場は過去20年で最高を記録しています。
ただし、今後は金利上昇により好調な相場が崩れるリスクが非常に大きく、ピークと言える今のうちに売るべきです。
以上を踏まえ、相場が過去20年で最も高く、金利も低い今こそがマンションの売り時と言えます。
2-3. 住み替え後収支(毎月負担額等)
現在の住宅関連支出 ≧ 住み替え後の住宅関連支出
(固定資産税・管理費・修繕積立金・ローン返済等)
住み替え後の家計の収支が改善するのか、逆に負担が増えてしまうのかも住み替え・買い替えにおける大切な判断基準です。
ライフイベントの関係で仕方がない場合等を除いては、売却した後一旦賃貸暮らしをして、経済情勢が落ち着くのを待ってから新たなマンションを購入する等の検討も行い、同じ住み替えでも家計収支にとって最も有利な方法を考えるようにすべきです。
2-4. 売却損益
- 今買い換えると売却損益はプラスかマイナスか?
- 先延ばしにした方が有利か不利か?
- 税金面で損しないか?
今買い換えると売却損益がプラスになるかマイナスになるかは、誰にとっても非常に大切なポイントだと思いますが、その損益に対して掛かる税金の優遇特例に該当するかどうかも同じように重視して考えるべきです。
マンションを売却した場合には、「売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超であるか否か」で「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に扱いが分かれ、利益が出た場合の税率が以下のように大きく異なります。
長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 | |
譲渡所得税率 | 15% | 30% |
復興所得税率 | 所得税×2.1% | |
住民税率 | 5% | 9% |
合計 | 20.315% | 39.63% |
さらに、所有期間が10年以上になると、「長期譲渡所得からもう一段税率を軽減してもらえる特例」や買い替え資産の条件を満たせば「そもそも課税自体を将来へ繰り延べして無かったことにしてくれる特例」等も存在しています。
また、損失が出た場合でも所有期間が5年超の場合には「他の所得と損益通算して所得税を軽減してもらえる特例」等もあるため、税金のことを考えると所有期間を睨みながらいつ住み替え・買い替えするかという点も要検討事項です。
【関連記事】
※マンション売却の税金について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
2-5. 築年数
値落ちが緩やかで、買い手もつきやすい築25年目までに売るのがベスト
当然ですが、中古マンションは築浅の方が高く売れる傾向にあります。
相場は年数を重ねるごとに落ちていきますが、その下落率は一定ではありません。データを見ると築20年を境として、下落率が大きくなっていることがわかります。
下記はマンションの築年数別の平均価格を並べたものです。築25年以降、5年おきの下落率が大きくなっていることがわかります。
データ引用元「東日本不動産流通機構」
25年目を境とし、成約率(売り出された物件のうち、実際に売れた割合)も変わります。
築年数別のデータを見ると、築25年を境に、成約率が20%未満にまで下がっていることがわかります。
データ引用元「東日本不動産流通機構」
これらのデータから、安定した相場と人気という好条件が揃っているため、築25年未満のマンションをお持ちの方は、築25年を迎えるまでには売るべきと言えます。
築21〜30年の物件を売りたい方は
築21年〜30年は相場が大きく下落するため、早く売るほど得になる。
データを見ると分かる通り、築21~30年については、経年による値落ちが大きくなるため、高値で売却をしたいのであれば、とにかく早く売るべきです。
マイホームとして中古マンションを購入する場合、多くの人が住宅ローン減税という制度(ローン残高の一定額を所得から最大13年控除できるもの)を使います。
その制度の適用条件が築25年までであるため、25年未満だと、より買い手がつきやすくなります。
築30年を超える物件を売りたい方は
経年による価格の下落はなくなるが、相場全体の変動には影響は受ける
築30年を超えてくると、中古マンション価格は底をうち、ほぼ土地値でしか売れなくなります。経年による値落ちがなくなるという点では、特に売り急ぐ必要はありません。
ただ、先程お伝えしたような経済情勢による相場全体の変動には影響を受けます。現在売却を検討されている方は、今から売却に向けて動き出すことをおすすめします。
3. ローンが残っている場合の賢い住み替え・買い替えテクニック
ローンが残っている場合の住み替え・買い替えの場合には、売却代金や自己資金等で一旦ローンを全額返済することが原則です。
しかしながら、現実には「ローン残債>売却価格」で補填できるほどの自己資金もないというケースも多々あります。
その場合には、マンションの住み替え・買い替えはできないのかというと、そうではなく、ローン残債額や収入に基づく返済能力によっても異なりますが、以下の2つの方法によってマンションの住み替え・買い替えが実現できる可能性があります。
- 二重ローン
- 住み替え(買い替え)ローン
このうち、「二重ローン」は余程の収入余力がない限り組めませんので、現実性が乏しく、「住み替え(買い替え)ローン」を活用するのが一般的です。
3-1. 「住み替え(買い替え)ローン」を活用した賢い住み替え・買い替えテクニック
<手順>
- 売りと買いを「同時」で進める
- 住み替えローン(買い替えローン)を申込む
- 売却と購入の決済を同時(同日)に行う
住み替え(買い替え)ローンとは、通常、売ってから買うことが原則であるマンション住み替え・買い替えにおいて、売却と購入を同時に行うことができるようにつくられたローンです。
そして、使い方によっては上図のように、売却代金では不足する残債額を新たな購入物件の価格に上乗せして融資してもらえる可能性があります。
当然、融資審査に通ることが前提ですが、自己資金なしでより良い物件に住み替え・買い替えしたり、「今のローン返済が苦しいので安い物件に住み替えたいが売却しても残債の一括返済ができない…」といった場合に有効です。
しかしながら、住み替え(買い替え)ローンでは売りと買いの決済を同時(同日)に行わないといけないという点から、各案件のタイミング調整や関係者全員のスケジュール調整等の難しさもありますのでその点には注意が必要です。
4. 「仮住まい無し」で住み替え・買い替えするための2つの方法
マンションの住み替え・買い替えでは、一般的な「売り先行」で行うと必ず仮住まいの手間が発生してしまいます。
しかしながら、仮住まいは引越しの手間も2倍になる上に、短期間で住まいの拠点を転々としなけらばいけないことから様々な面倒や負担が多く、できれば避けたいものです。
その場合の有効な方法としては大きく以下の2つの方法があります。
- 買い先行で計画する
- 同時決済で計画して決済日前日に引越しする
以下、それぞれの方法について解説していきます。
4-1. 「買い先行」で計画する
当然のことながら、「買い先行」で計画すれば買い住まいなしで住み替え・買い替えすることができます。
しかし、「買い先行での計画」には前述のとおり、「思うように売れない場合のリスク」「買う前に売却価格がわからない」「二重ローンorつなぎ融資が必要」等のデメリットもあるため、できる限り売りの計画も並行しながら買いの決済を先行させるというような工夫が大切です。
その場合、資金的余裕や収入余力がある人であれば「自己資金」や「二重ローン」での購入を進めても問題ありませんが、そうでない場合には「つなぎ融資」を活用するのが得策です。
上図のように、つなぎ融資を活用することで先に購入物件の決済・引渡しを受けることが可能となり、仮住まいなしで住み替え・買い替えができるうようになります。
4-2. 「同時決済」で計画して決済日前日に引越しする
この方法であれば「仮住まい」も「つなぎ融資」等もなしで住み替えできる!
要領は前述の「住み替え(買い替え)ローン」の時と同じで、売りと買いを同日決済にて調整し、さらに引越しを決済日前日に設定するという方法です。
そして、引越し日当日はホテルに泊まるなり、布団だけ残しておいて決済日当日に到着日指定で新居へ郵送手配するなりすれば「仮住まい」も「つなぎ融資」等もなしで住み替えができてしまいます。
しかしながら、すべてのタイミングをうまく調整できることが前提となりますので、まずは仲介業者と相談しながら現実的な可能性を検討するようにしましょう。
5. 住み替え後マンションを「売る」か「貸す」かの2つの判断基準
買い先行で計画したものの、住み替え後マンションを「売る」べきか「貸す」べきかで悩んでいるといったような場合には、物件の条件次第ですが「基本的には売った方が良い」というのが私の意見です。
それは、まず貸し出すためにはクリーニングやリフォームにより部屋をきれいにする必要がある上に、賃貸経営というのは全てを外部委託でやっていると思ったほど儲かる事業ではなく、自分でやるには相当の手間とリスクを伴うからです。
仮に、都市部のマンションで月額15万円で貸せる市場があったとしても、
- 賃貸管理委託費で5%
- 管理費・修繕積立金で数万円
- 固定資産税月割りでも数万円
等のような様々な月額経費が掛かり、
- 空室時には無収入
- 退出時にほ補修と次の入居者募集のための広告費
と想像以上に出費やリスクが多く、マンション一室だけでは「思ったほど利益が上がらなかった…」というケースがほとんどです。
また、築年数が経つ程、売却可能価格も下がっていくため、現時点で良い条件で売却できるのであれば、下手に貸さずに売ってしまった方が結果的に得になる可能性が高いでしょう。
しかしながら、以下のような2つのケースの場合には明らかに貸した方が良いと言えるでしょう。
<貸した方が良い場合>
- 売却価格に対して利回り10%以上で高く貸せる
- 今売ると税金の特例が受けられない
以下、貸した方が良い2つのケースについて、一つ一つ具体的に解説していきます。
注意:本来、住宅ローンの規約では「賃貸することはNG」となっているため、必ずローンの契約条項を確認してから判断するようにしましょう!
5-1. 売却価格に対して利回り10%以上で高く貸せる
「年間賃貸収入」 ≧ 「売却査定額 × 10%」
当然のことながら、エリアや物件の条件が良く高く賃貸できる場合には貸した方が得です。
その場合の絶対的な基準があるわけでありませんが、概ね年間の賃貸収入ベースで売却価格に対する利回りが10%以上あれば、様々な経費やリスクを考えたとしても賃貸した方がメリットが出る可能性が高いと言えます。
5-2. 今売ると税金の特例が受けられない
1月1日時点の所有期間が、
- もう少しで5年超 → 利益:長期譲渡所得、損失:損益通算、繰越控除
- もう少しで10年超 → 利益:軽減税率、買い換えの課税繰り延べ
前述の通り、売却した年の1月1日時点の所有期間が5年超ないしは10年超となると、それぞれ譲渡税の優遇特例が受けられます。特に、大きく譲渡益が出る場合には、所有期間5年超の「長期譲渡所得」に該当するかどうかで、税率が約2倍違ってきます。
そのため、その直前で売ることになるのであれば、一旦賃貸して特例適用条件に該当してからの売却を検討した方が結果的に特になる可能性もあります。
しかしながら、賃貸することにより「自宅用マンションの売却」を要件とする各種税金優遇特例が受けられなくなる可能性もあるため、必ず事前に税務署の相談窓口や税理士等の専門家に確認してから判断するようにしましょう。
6. マンション住み替え・買い替えで賢く利益を上げるために大切な3つのポイント
マンションの住み替え・買い替えで利益を最大化するためには、下記の3つを意識することが大切です。
- 賢く見積もり査定を取り、「売出し価格を高く」する
- 売却費用でも最も大きな「仲介手数料」を抑えつつ、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼する
- できるだけ多くの業者の中から信頼できるパートナーを見つけび、購入申込み価格をぎりぎり買える最低価格に抑える
マンションの住み替え・買い替えには様々な費用が掛かります、売り方・買い方次第ではあまり費用を掛けずに売買することも可能です。
そして、その中で最も大きな金額を占める重要な費用が「仲介手数料」です。
仲介手数料は、不動産業者や交渉によっても変わってきますが、宅建行法により上限額が決められており、ほとんどの業者がその上限で料金設定しています。
宅建行法に基づく、仲介手数料の上限額は以下の通りです。
宅建業法に基づく仲介手数料の上限額 | |
---|---|
「売買価格」 × 3% + 6万円 + 消費税 | |
売買価格3,000万円(消費税10%)の場合 | 105万6000円 |
上記のような多額の手数料が売却時と購入時の両方にそれぞれ掛かってきます。
マンションの住み替え・買い替えにおいてにとっての利益を最大化するためには、この「仲介手数料」を抑えながら、売却時には「売出し価格を高くして、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼すること」、購入時には「適正な申込み価格を判断・交渉できるだけ能力のある仲介業者に依頼すること」が最も大切です。
6-1. 仲介手数料を安く抑えるには
前述の通り、仲介手数料は、何も言わなければほとんどの業者で上限価格設定されているため、必ず複数社比較しながら安くしてもらうよう交渉することが大切です。
交渉によっては、通常3%のところを2%で引き受けてもらえるといったようなケースも多く、仮に売却価格・購入価格がそれぞれ3,000万円の物件であればそれだけで税込み64.8万円も費用を抑えることができます。
そのため、まずは無料一括査定サービス等を活用して、複数の業者に売却価格の査定と共に購入物件の探索や媒介条件の提示をお願いするようにしましょう。
無料一括査定ならここがおすすめ
不動産売却の無料一括査定サービスはたくさんありますが、運営会社の信用度や参加企業群の優良度から見ても、NTTデータスマートソーシングが運営する『HOME4U』が圧倒的におすすめです。
『HOME4U』は、数ある不動産無料一括査定サービスの中でも最も老舗で20年以上の歴史と累計50万件以上の実績があります。また、NTTデータグループ企業が運営している点からも信用度が圧倒的です。
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『HOME’S』は、大手の不動産業者以外にも地元の不動産業者の登録が非常に多く、登録業社数が3,800社以上と、数ある無料一括査定サービスの中でも最大規模の業者です。
先の『HOME4U』の2,300社以上と比較しても圧倒的な登録業社数と言えます。
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HOME’S公式ホームページ「https://www.homes.co.jp/satei/」
6-2. 売出し価格を高くするには
結論から言うと、複数社から査定を取り、最も高い査定額(場合によってはそれ以上の価格)を基準に、その価格で売出す前提での条件をそれぞれの業者と交渉することが必須です。
物件の売出し価格は、売り主に決定権があるため、ある程度自分で決めることができます。
しかしながら、仲介業者は媒介契約を結ぶと買い主を見つる努力をする義務が発生するため、自分の実力以上の仕事や条件が割に合わない仕事は当然に受けません。
仲介業者からすると、「できるだけ条件の良い物件を相場より安く仲介することで、早く簡単に仕事が回せる」というメリットがあり、自分たちが無理なくまとめられる価格でしか査定しないという裏事情もあります。
そのような、業者都合の理由で売り主が損をするというのはあってはなりませんので、必ず複数社から査定を取ると共に自身でも相場を調べ、最低でも最高査定額(それが腑に落ちない場合には自身で調べた価格)を基準にそれぞれの業者と交渉するようにしましょう。
6-3. 購入申込み価格をぎりぎり買える最低価格に抑えるには
結論から言うと、これに関しては絶対的な方法はありませんが、できるだけ多くの業者を比較し、実績が豊富で交渉に慣れた業者を選ぶことが大切です。
せっかく気に入った物件が見つかっても買えるかどうかは購入申込み価格で左右されるため、購入申込み価格をいくらにするかは非常に大切なポイントです。
その際、「他に購入希望の競合者がどれくらいいるか?」「競合者の財力や購入意向の強さはどの程度か?」「売主の妥協可能価格はいくらぐらいか?」等、それぞれの仲介業者間で探り合いや交渉により調整するのが一般的で、この点が業者の能力次第で最も差が出るポイントでもあります。
特に人気物件を購入する際には非常に大きな差となり得ますので、実績豊富で交渉慣れした業者・担当者を選ぶようにしましょう。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。
「マンションの住み替え・買い替え」についての疑問や悩みが解消できたのではないでしょうか。
マンションの住み替え・買い替えは、一見難しそうで、「とても多くの手間や労力が掛かるのでは?」という勘違いをされている人も多いですが、売買後の確定申告も含めて実は意外と簡単に売却できてしまいます。
本ページでは「マンションの住み替え・買い替え」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で、後悔しない上手な売却を検討してみて下さい。
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※売却検討にあたっては、同時に「貸した場合の収益性」も検討すべきです。
- 資産価値が落ちにくい都市部等にある
- 年間賃料が売却査定額の5%以上(表面利回り5%以上)で貸せる
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