土地を最も高く売るための正しい売値の決め方と相場の見極め方
土地の売値について、「相場や妥当な売値ってどうやって判断すればよいの?」「損をしないための注意点や高く売るためのポイントはあるの?」などと気になっていませんか?
首都圏の土地価格は過去20年で見ても高い水準にあり、自宅や投資用の土地売却を検討するには今が絶好の時期であることは間違いありません。
しかし、土地売却における最終的な損益は、査定に基づく売値や媒介業者の実力次第で何十万・何百万といった単位で大きな差が生まれることもあるため、損をして後悔しないためにも、売値については業者任せにせず、しっかりと自分でも判断できるようにしておくことが肝心です。
このページでは、元大手不動産会社に勤務し、延べ2,000件以上の不動産売却に携ってきた筆者が、「土地の売値の正しい判断と高く売るために大切なポイント」について、以下の流れに沿ってご紹介します。
すべて読めば、「土地の売値」について、プロと同等の知識が身につき、賢く売却できるようになるでしょう。
売り時は今!利上げで今後地価は下落する
2024年に日銀が行ったゼロ金利の解除は、住宅ローン金利を引き上げ、これまで好調だった不動産相場の暴落へとつながります。
アメリカでは2022年に大きな利上げがあり、都心のビルが半値で売却されるなど、実際に不動産価格の暴落が起きています。
来年以降は売却益が半減するリスクもあり、かろうじて低金利が続く2024年はまさに土地の売り時と言えます。
売却に向け、まず何をしていいかわからない方は、NTTの運営する『HOME4U』に物件情報を登録してみましょう。
約1分で登録するだけで、大手〜地元の不動産会社まで複数の業者から査定が受けられ、簡単に売却物件の相場がわかります。
査定額や対応力で業者の比較もでき、売却のパートナーとなる仲介業者選びまでがスムーズに行えます。
- HOME4U公式ページ:https://www.home4u.jp/
目次
1. 土地を最も高く売るための正しい売値の決め方
<正しい売値決定の4ステップ>
- 売買成立価格を元に大まかな適正相場の感覚をつかむ
- 複数の業者から売値の査定を取る
- 査定の根拠とターゲットを明確にして適正相場価格を判断する
- 適正相場価格の1割程度高めで売値を設定する
土地は一つ一つが個別のものであり、全く同じ物件は二つと存在しません。
また、土地の売買価格は売り手と買い手の合意で成り立つものですので、「たまたまその物件に高い価値を感じてくれる人がちょうど良いタイミングで土地探しをしていれば相場よりも高く売れる」というようなこともあり得ます。
そのため、収集可能な情報はあくまで類似の物件における情報であるため参考にしかならないという前提を認識しながら、上記の4ステップに沿って賢く売値を決めていくことが大切です。
1-1. ステップ①|売買成立価格を元に大まかな適正相場の感覚をつかむ
とはいえ、何かしらの基準がなかいと適正な売値を決めることはできませんので、まずは自分の土地にどれくらいの価値を感じてくれる人がいるのかという相場について大まかにでもつかんでおくことが必要です。
その際に大切なのが、土地の相場は「売値」ではなく「売買成立価格」で判断するということです。
土地の正しい相場を知るための3つの方法 | ||
方法 | 確認できること | |
1 | 不動産広告サイトで確認 | 売値 |
2 | 取引事例確認サイトの利用 | 売買成立価格 |
3 | 不動産業者による査定比較 | 精緻な個別価格 |
土地の相場を調べる方法には、大きく上記の3つの方法がありますが、多くの人がやりがちなのが、『SUUMO』や『HOME’S』等の大手不動産広告サイトで売出中の物件の中で自身の土地と同エリア・類似条件の物件を探すという方法です。
しかしながら、この方法では、自分が売り出した際の競合となる物件の情報は得られますが、そのときに売出中の物件しか探せず類似物件が見つかるとは限らない点や、あくまで売値にすぎないため、「その価格が適正であるか」や「きちんと成約するか」まではわからないといった欠点があります。
そのため、相場を調べる際には、実際に成約した実績を基にした価格相場を調べることができる取引事例確認サイトで調べることが大切です。
おすすめの取引事例確認サイト
『REINS Market Information(レインズ・マーケットインフォメーション)』
宅建業者が媒介契約により関わった不動産取引は、宅建行法により「REINS(レインズ)」という業者専用データベースへの記録が義務付けられており、取引事例確認サイトは、この「REINS(レインズ)」の情報を基にしていることから、どのサイトでも出てくる情報量はほぼ同じといえます。
また、レインズでは一般の人でも簡単に過去1年間のエリア毎の売買取引実績が検索・確認できます。
仮に、「世田谷区・東急東横線沿い」で検索すると以下のような結果になりました。
過去1年間で合計23件の売買取引実績が確認できました。(※レインズでは「土地のみ」の検索ができませんので、「戸建+築20年超」の条件で検索してある程度の土地の価値を判断するのがよいでしょう。)
これらは、実際の取引に基づく成約価格を集計公表されたものになりますので、民間サイトの相場検索などと比較しても圧倒的な信頼性があります。
1-2. ステップ②|複数の業者から売値の査定を取る
ある程度の相場感がつかめたら、次に複数の業者から実際に売値の査定を取ります。この際に大切なのが、必ず複数(最低でも3社以上でできるだけ多く)の業者から査定を取ることです。
その理由は以下の通りです。
- 入り口は多い方が信頼できるパートナーに出会える確率が上がる
- 情報が多い方が相場の確認の精度が上がる
- 売値・仲介手数料の等の条件交渉のための比較材料になる
まず大前提として押さえておくべきポイントとして、土地を売る際の売値査定では、業者により査定額は大きく異なります。
それは、業者により特性(営業エリア、規模、得意分野、自社広告媒体の有無、在庫物件、問い合わせ状況等)が全く異なるためです。
特に不動産はエリア特性が強いため、得意な営業エリア外の案件の場合には過去事例の確認のみといった機械的な査定のみで全く頼りにならないような業者も中には存在しています。
そのため、土地を売る際の売値査定では必ず複数社(自分が納得のいく業者に出会うまで何社でも)から査定を取り比較することが大切です。
1-3. ステップ③|査定の根拠とターゲットを明確にして適正相場価格を判断する
どのようなマーケティングを行っているかで業者の実力や良し悪しがわかる
複数の業者を比較する際に、査定額ばかりに目がいってしまう人が多いですが、実はそれ以上に大事なポイントが「査定の根拠」です。
前述のとおり、土地は、全く同じ物件は存在しない唯一無二の財産であるため、類似物件の売買事例や近隣相場といったものはあくまで一つの参考基準にずぎず、その物件の適正な価格査定をするにはより具体的なマーケティングが必要です。
しっかりとしたマーケティングを行なっている業者であれば、査定額の根拠について、その物件固有の事情を見極めて、「どんな人が購入者の候補で、どんな物件が競合となり得て、現在いくらで売出し中であり、それと比較した上で有利・不利な点はこうであるから、今回はいくらぐらいで売り出すのが妥当」といったような具体的な説明があります。
このようなしっかりとした良い業者と出会えるかで、土地売却の成否が大きく変わりますので、信頼できる業者を見つけ、その業者と協議しながら適正相場価格を判断するようにしましょう。
1-4. ステップ④|適正相場価格の1割程度高めで売値を設定する
適正相場価格を判断したら、実際に売り出す際の「売値をいくらにすべきか」を決めていきます。
こちらも物件の条件やエリア等に合わせて、相場からあまりにもかけ離れすぎない程度で高く設定することが重要ですが、これまで2,000件以上の仲介に携わってきた私の経験上、概ね適正相場価格から1割増し程度が上限といえます。
前述のとおり、土地の売買価格は売り手と買い手の合意次第で、「たまたまその物件に高い価値を感じてくれる人がちょうど良いタイミングで土地探しをしていれば相場よりも高く売れる」ということもあり得ますので、よほどの時間的制約がない限りは最初の1~2ヶ月は高値で売り出すことをおすすめします。
当然に、売値を高めに設定したのであれば、それにふさわしい売り出し方を行い、買い主からの印象を高める工夫や努力は必要です!
仲介業者によっては、代わりに作成や手配をしてくれる業者もありますが、稀ですので、『HOME4U土地活用』等の無料一括資料請求サービスでプラン作成を依頼するとよいでしょう。(『HOME4U土地活用』はNTTデータグループ会社が運営している最大手の一括資料請求サービスなので最も安心です。)
※建築会社やハウスメーカーへ依頼する場合には、あくまで「売るか建てるかを検討中なので検討用に資料作成してほしい」という旨で相談するようにしましょう。(単純に売却前提の参考プランだと対応してもらえない可能性があります)
2. 土地売却で利益を上げるために最も大切な2つのポイント
土地売却で利益を最大化するためには、下記の2つを意識することが大切です。
- 賢く見積もり査定を取り、「売出し価格を高く」する
- 売却費用でも最も大きな「仲介手数料」を抑えつつ、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼する
土地を売る際には様々な費用が掛かりますが、売り方次第ではあまり費用を掛けずに売却することも可能です。
そして、その中で最も大きな金額を占める重要な費用が「仲介手数料」です。
仲介手数料は、不動産業者や交渉によっても変わってきますが、宅建行法により上限額が決められており、ほとんどの業者がその上限で料金設定しています。
宅建行法に基づく、仲介手数料の上限額は以下の通りです。
宅建業法に基づく仲介手数料の上限額 | |
---|---|
「売買価格」 × 3% + 6万円 + 消費税 | |
売買価格3,000万円(消費税10%)の場合 | 105万6000円 |
売り主にとっての利益を最大化するためには、この「仲介手数料」を抑えながら、「売値を高く」して、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼することが最も大切です。
2-1. 仲介手数料を安く抑えるには
前述の通り、仲介手数料は、何も言わなければほとんどの業者で上限価格設定されているため、必ず複数社比較しながら安くしてもらうよう交渉することが大切です。
交渉によっては、通常3%のところを2%で引き受けてもらえるといったようなケースも多く、仮に売値3,000万円の物件であればそれだけで税込み33万円も費用を抑えることができます。
そのため、まずは無料一括査定サービス等を活用して、複数の業者に売値の査定と共に媒介条件の提示をお願いするようにしましょう。
無料一括査定ならここがおすすめ
不動産売却の無料一括査定サービスはたくさんありますが、運営会社の信用度や参加企業群の優良度から見ても、NTTデータスマートソーシングが運営する『HOME4U』が圧倒的におすすめです。
『HOME4U』は、数ある不動産無料一括査定サービスの中でも最も老舗で20年以上の歴史と累計50万件以上の実績があります。また、NTTデータグループ企業が運営している点からも信用度が圧倒的です。
HOME4U公式ホームページ「https://www.home4u.jp」
地元業者も含めて幅広くリサーチしたい場合にはここもおすすめ
『HOME’S』は、大手の不動産業者以外にも地元の不動産業者の登録が非常に多く、登録業社数が3,800社以上と、数ある無料一括査定サービスの中でも最大規模の業者です。
先の『HOME4U』の2,300社以上と比較しても圧倒的な登録業社数と言えます。
特に地方等、大手の不動産業者以外にも、地元の不動産業者を含め幅広いリサーチがしたい人にはおすすめです。
HOME’S公式ホームページ「https://www.homes.co.jp/satei/」
2-2. 売値を高くするには
結論から言うと、複数社から査定を取り、最も高い査定額(場合によってはそれ以上の価格)を基準に、その価格で売出す前提での条件をそれぞれの業者と交渉することが必須です。
物件の売値は、売り主に決定権があるため、ある程度自分で決めることができます。
しかしながら、仲介業者は媒介契約を結ぶと買い主を見つる努力をする義務が発生するため、自分の実力以上の仕事や条件が割に合わない仕事は当然に受けません。
仲介業者からすると、「できるだけ条件の良い物件を相場より安く仲介することで、早く簡単に仕事が回せる」というメリットがあり、自分たちが無理なくまとめられる価格でしか査定しないという裏事情もあります。
そのような、業者都合の理由で売り主が損をするというのはあってはなりませんので、必ず複数社から査定を取ると共に自身でも相場を調べ、最低でも最高査定額(それが腑に落ちない場合には自身で調べた価格)を基準にそれぞれの業者と交渉するようにしましょう。
3. 土地が売れない場合の賢い売値改定方法とタイミング
土地が売れない場合の賢い売値改定方法とタイミングについては上図の通りですが、土地の売値の改定というのは、事前のマーケティングに基づく適正相場価格の判定がしっかりとできていれば、基本的に、最初に高値で売り出した場合における適正価格への修正以外では必要のないものです。
そのため、売り出した後で売れないという場合には、その原因がどこにあるのかを明確にする必要があります。
その場合の主な原因としては、「業者の広告量や営業力等の問題」とそもそもの「マーケティングの問題」であることがほとんどですが、いずれにしても「業者の能力についての問題」になりますので、むやみに売値を改定せずに他の業者をあたり、必要に応じて業者変更をした方がよいでしょう。
4. 土地が売れない原因は「仲介業者の問題」であることが多い
土地が売れない4大原因と主な14の理由 | ||
原因 | 理由 | |
現地確認申込なし | ①そもそも需要がない | 人がいない |
魅力的な競合物件が多い | ||
建築条件が悪い | ||
②売り方が間違っている | ターゲットミス | |
売出価格が高い | ||
タイミングが悪い | ||
③業者が悪い | 広告量が少ない | |
広告の質が悪い | ||
業者による囲い込み | ||
現地確認申込あり | 業者の努力不足 | |
業者の営業力不足 | ||
④物件の魅力付け不足 | 建築後のイメージがしにくい | |
敷地の状態が悪い | ||
周辺環境が悪い |
土地が売れない原因の中で最も多いのが「業者が悪い」ケースです。
土地売却における仲介業者は、マーケティングから引渡し後のアフターまですべての工程で一番影響力を持って関わる存在であるため、土地が売れない最大の原因は「業者が悪い」ことであることがほとんどと言えます。
この場合には、業者の悪いポイントによって現地確認申し込みがある場合もあれば、現地確認申し込みすらない場合もあります。
業者の悪いポイントとしては大きく以下の2つに分類できます。
- 業者の意欲・スタンスに問題があるパターン
- 業者の能力に問題があるパターン
「業者の意欲・スタンスに問題があるパターン」であれば、そもそもの広告量が少なく、探客の努力が足りないといったことが売れない理由となっていたり、最悪のケースでは、自社で売り手と買い手の両方から仲介手数料を取るべく情報を非公開にしているケース(囲い込み)もあり得ます。
また、「業者の能力に問題があるパターン」では、せっかく広告を打っていても物件写真やアピール文の質が低く、購入希望者にむしろマイナスの印象を与えていたり、そもそものマーケティングによるターゲットや広告媒体が的外れなどというケースが考えられます。
さらに、能力に問題のある業者では仮に現地確認の申し込みがあったとしても、購入希望者に対して印象の良い接客や十分な折衝ができず話がまとまらないということも考えられます。
いずれにしても、プロである以上、物件の仲介を請け負うのであれば、十分なマーケティングの基に当初想定した期間内で確実に売れる見込みがあるという状態でなければおかしい話ですので、土地が売れないのはすべて業者のスタンスや能力の問題といっても過言ではないでしょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
「土地の売値や賢く売却する方法」についての疑問や悩みが解消できたのではないでしょうか。
土地売却は、一見難しそうで、「とても多くの手間や労力が掛かるのでは?」という勘違いをされている人も多いですが、売却後の確定申告も含めて実は意外と簡単に売却できてしまいます。
本ページでは「土地の売値や賢く売却する方法」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で、後悔しない上手な売却を検討してみて下さい。
〈本ページでご紹介したサービス・業者〉
※参考プラン作成の依頼は『HOME4U土地活用』