「リノベーション物件を賃貸したい！」「どうやって賃貸のリノベーション物件を選べばいいの？」などリノベーション物件の賃貸に興味を持っていませんか？

リノベーション物件には借りる前に知っておくべき注意点があり、知らずに契約すると「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクがあります。

長年不動産業界で働いた経験、実際にリノベーション物件に住んだことがある経験から、リノベーション物件を賃貸する前に知っておくべきこと、後悔しないためのコツなどを以下の流れで解説をしていきます。

1. リノベーション物件を賃貸する前に知っておくべき7つの注意点
2. リノベーション物件は賃貸すべきでないのか
3. リノベーション物件を賃貸して後悔しないために重要な4つのこと
4. リノベーション物件選びにおすすめの賃貸サイト2選と探し方
5. プロが選ぶ賃貸におすすめのリノベーションシリーズ3選

すべて読めば、リノベーション物件を借りる際の注意点から、失敗しない探し方などリノベーション物件を賃貸する前に知っておくべきすべてのことがわかります。

1. リノベーション物件を賃貸する前に知っておくべき7つの注意点

私は過去に、リノベーション物件を多く扱う不動産会社で仲介業務を担当し、多くのお客様にリノベーション物件を案内してきました。

たくさんの方から、いい意見・悪い意見を聞いてきた経験をもとに、リノベーション物件を賃貸する前に必ず下記のことを知っておくことをおすすめします。

1-1. そもそも人気がないからリノベーションしている

部屋をリノベーションする理由は「通常の募集では入居者が集まらない人気のない物件だから」ということを忘れないようにしましょう。

人気エリアの駅近物件や、歴史あるヴィンテージマンションは、常に人気がありリノベーションする必要がありません。

そのため、リノベーション物件は「駅から遠い」や「古い」など、なにかしらのデメリットがあることが多いので、より慎重に他と比較して検討するようにしましょう。

1-2. 賃料・管理費が相場より高いケースがある

リノベーション物件は、リノベーションするのにかかった費用を賃料に上乗せして募集することが多いため、賃料が相場より高くなるケースがあります。

参考までに、過去に募集されていた赤坂のワンルームマンションで比較すると以下の通りになります。

上記のとおり、12年以上古いマンションなのに約1.5倍ほど賃料が高く募集されているのです。

もちろんデザインや使用する設備でリノベーション費用が高くなることもありますが、募集される賃料は貸主の言い値で決められることもあるので、必ず他の物件と比較するようにしましょう。

あなたに合った用途で選ぶ

例えば、3口コンロのシステムキッチンになっていたり、お風呂に追焚設備が新設されても、料理をしない人や浴槽に浸からない人には無駄な設備となります。

そして、水回りのリノベーションは配管工事も必要で費用が高くなり、その分が賃料に上乗せされるためコスパが悪いです。

なので、「リノベーション物件でおしゃれだから」という理由だけで決めることなく、必ず他と比較してあなたに合った物件を選ぶようにしましょう。

1-3. 耐震強度が基準を満たしていないケースが多い

1981年以前に建てられた物件は「旧耐震」といわれ、耐震強度が現在の基準を満たしていないので、震度6以上の地震が起きると倒壊する可能性が高くなります。

リノベーション物件は「築年数が古くなって入居者が集まらないから」という理由でリノベーションされることが一般的で、多くは築40年や50年といった物件が目立ちます。

ただ、旧耐震の物件でも「耐震補強工事」をして基準を満たしていることもあるので、気に入った物件が1981年以前の物件だったら、不動産会社に「耐震基準は満たしてますか？」と必ず確認しましょう。

建物の構造も必ずチェックする

建物の構造とは「どんな材料・材質で建物が造られているか」ということで、ここも必ず確認しましょう。

上記ように、1981年以前の物件でも、RC造とSRC造であれば少しは安心できますが、木造と鉄骨造だと地震や火災に弱いので注意しましょう。

また、建物の構造は物件の募集図面に必ず記載してあるので、事前にチェックするようにしましょう。

1-4. 配水管の老朽化で濁った水が出ることがある

キッチンやお風呂場など、目に見える設備を交換しただけのリノベーションは注意しましょう。

理由は、設備が新品でも、配水管を交換していない場合は建物が建てられた当時のままの可能性が高く、老朽化で蛇口から濁った水が出ることがあるからです。

なので、部分ごとのリノベーションの場合は、不動産会社に「配水管は交換してますか？」と確認することが望ましいです。

気に入った物件でも、配水管の影響で退去する人もいるので、見せかけのリノベーションに惑わされないようにしましょう。

1-5. マンション共有部の管理状態が悪いこともある

リノベーションされた部屋はおしゃれで綺麗でも、マンション自体は古いままの物件が多くゴミ捨て場などの管理状態が悪いことがあるので、内覧時には必ず確認しましょう。

また、何曜日の何時〜何時まで管理人が掃除などしているのかも、不動産会社に確認するようにしましょう。

このとき、1週間に1度しか来ないような物件は、管理体制が悪いと言えるので注意してください。

セキュリティが整っていない物件が多い

リノベーションする物件は古い建物が多いので、オートロックが付いていなかったり、防犯カメラがなかったりします。

なので、女性の一人暮らしや子供がいる家族の方は、セキュリティ面も考慮して検討するようにしましょう。

1-6. 事故物件の可能性がある

事故物件となった物件は著しく人気がなくなり、入居者が集まりにくいのでリノベーションすることが多いです。

例えば、築10~15年程度の物件にも関わらず、フルリノベーションされているような部屋だったら、不動産会社にリノベーションした理由を聞いてみましょう。

過去の事例だと、火事で人が亡くなり室内も焼け焦げてしまったため、フルリノベーションしたという例がありました。また、その部屋でなくても、別区画で事故があった可能性もあるので注意しましょう。

希望の物件が事故物件かどうかを知りたい方は、全国的にも有名で正確な情報が出ている「大島てるの事故物件公示サイト」で確認してみてください。

1-7. 使う賃貸サイトによって出会えない物件も多い

リノベーション物件を扱っているサイトならどこも同じでしょ？と思うかもしれませんが、サイトによって掲載されている物件数は異なります。

リノベーション物件の賃貸で有名な「アールストア」と賃貸サイトNo1の「SUUMO」の物件数を「東京都港区のリノベーション物件」で比較すると下記のように、大きな差があります。

あなたに最もフィットした物件とも使うサイト次第では出会えないのです。なんとなく「リノベーション物件をたくさん扱ってそう」という理由で選ぶと、ベストな選択から遠のきます。

このページで賃貸サイトも比較していきますが、リノベーション物件を選ぶのにおすすめなのは大手の下記2サイトです。

• SUUMO：https://suumo.jp
• HOME’S：https://www.homes.co.jp

2. リノベーション物件は賃貸すべきでないのか

では、リノベーション物件は借りない方がいいの？という方もいるかもしれませんが、リノベーション物件の注意点を理解した上で、物件選びをしっかりすれば上記の問題で悩みにくくなります。

反対に、私が今までに仲介してきた方々に聞いた、リノベーション物件に住んで良かったというメリットはたくさんあります。

2-1. リノベーション物件のメリット

• とにかくおしゃれで他とかぶらない
• 新築物件と比べると家賃がお得
• 2LDK⇨1LDKに変更したことでリビングが広くなる
• 水回り設備のグレードが高い
• 古民家に住むことができる

上記のようなメリットを受けられるので、リノベーション物件自体はおすすめです。

「リノベーション物件に住んで良かった」という人の声

住んで良かったという人の声を2名分紹介します。

2-2. 失敗しないためのポイントとは

上記のように、うまくいっている人も、失敗する人も中にはいますが、リノベーション物件の賃貸で失敗しないポイントは

「リノベーション物件の特性を理解した上で、とにかくたくさんの物件を吟味して、実際に住む想定をした上で契約すること」です。

ここまでリノベーション物件の現実をお伝えしてきましたが、実際何をどうすれば失敗しないのか次の章で具体的に解説します。

部屋探し自体に消極的になってほしいというわけではなく、契約するまではお金がかかることはありませんし、いつでもキャンセル可能なので、物件探しは気軽に始めましょう。

3. リノベーション物件を賃貸して後悔しないために重要な4つのこと

注意点やメリットを踏まえ、リノベーション物件に住んで後悔しないためにも下記のポイントを意識しましょう。

• リノベーション物件に強い賃貸サイトを活用し、選択肢を増やす
• 複数の不動産会社に会うこと
• 複数の物件を内覧し比較すること
• 住むシミュレーションをしっかりした上で契約する

3-1. リノベーション物件に強い賃貸サイトを活用し、選択肢を増やす

1件でも多くの候補の中から選んだ方が理想の物件を見つけやすいですが、先ほども紹介した通り、サイトによって出会える物件数が異なります。

そこで、下記のように、主要なエリアごとのリノベーション物件の掲載物件数を比較しました。

• 記事作成時点で、パソコンから検索した際に検索結果にでた物件数です
• サイトごとに物件数の計算方法が違う可能性があります
• 「-」はリノベーション物件で検索機能/特集が確認できなかったサイト

基本的に「SUUMO」がダントツ、エリアによっては強い「HOME’S」を使えば、ほぼ全ての賃貸リノベーション物件を網羅できると言っても過言ではありません。

反対に、他の賃貸サイトだと、出会えない物件も多く、組み合わせて使うことがおすすめです。

複数業者が掲載するポータルサイトを使おう

「SUUMO」「HOME’S」など、比較表の赤字で示した業者は不動産ポータルサイトと呼ばれ、下記のように、たくさんの不動産会社がお金を払って、自分の会社が扱う物件を持ち寄って載せているサイトです。

リノベーション物件の場合、同じ建物でも部屋ごとに扱っている不動産会社が違うということもあり、それらをまとめて見れるため、より理想の物件を調べやすいです。

一方、青字で示したサイトは不動産会社が「うちではこんな物件を扱える」と掲載しているだけのサイトですので、物件数は限られます。

3-2. 複数の不動産会社に会うこと

マンションの内覧は必ず行きましょう。その際、注意すべきなのが、「複数の不動産会社」を通して内覧することです。

理由は、賃貸において「ここの会社のスタッフは優秀」ということが原則なく、「スタッフによる」からです。

「複数の不動産会社」を使えば、それだけ多くのスタッフに出会え、その中から知識も豊富で親身になってくれる人を選べるため、2社以上の会社を使うようにしましょう。

そのため下記の観点を満す営業マンにお願いするのがいいでしょう。

不動産会社は他社の物件でも案内することができます。

営業マンの対応が悪い時、別の不動産会社に相談すれば、その物件を紹介してくれることも多いです。

また、上記5つの観点を満たす営業マンを1人知っておけば、今後の引越しの際も相談できます。

また、それぞれの会社が持っている「掘り出し物件」を教えてくれることがあるので複数に問い合わせることにはメリット満載です。

それぞれの会社から紹介してもらい、いい物件に出会ったら、一番信用できそうな不動産会社のスタッフにお願いするようにしましょう。

3-3. 複数の物件を内覧し比較すること

また、必ず複数物件を見て、比較することがおすすめです。

複数物件を見ることで、エリアの相場感もハッキリしますし、本当にあなたに合った物件を見つけやすくなります。理想は5件ほど見るのがおすすめです。

特に、下記は住んでから「こんなはずじゃなかった」と感じる人が多い観点ですので、内覧したときに確認しましょう。

特に重視するのは周辺環境

冒頭でも説明したとおり、もともと人気がない物件の可能性が高いので「立地条件が良くない」ことが考えられます。

例えば、駅から徒歩10分となっていても、急な坂道や通勤時間帯はまったく渡れない踏み切りなど、不便に思う立地かもしれません。

また、そのような物件を内覧するときは、不動産会社に車で案内され別ルートを使われるケースもあるので、必ず自分で歩いて確かめるようにしましょう。

電気容量と窓の立て付けもチェックする

築の古い物件は、電気容量が40アンペアまでしか、引き上げられないことが多いです。

1~2人暮らしであれば40アンペアで十分ですが、家族で住む場合は50~60アンペアぐらいは必要なので、必ず内覧時に確認しましょう。

また、窓の立て付けも劣化してずれていることが多く、風の強い日には、すきま風が入ることで「ヒューヒュー」音が鳴り響くうえ、冬は非常に寒いので注意しましょう。

3-4. 住むシミュレーションをしっかりした上で契約する

ここだ！という物件に出会えた後も、もう一度このページで紹介したポイントを振り返りましょう。

特に「近隣の相場と比べて家賃は高すぎないか」、このページで解説してきた「耐震問題や立地条件は問題なさそうか」を考えることがおすすめです。

また、大規模マンションや賃料の高いマンションなどは、住人の口コミを見れるサービスもあるので、最後に確認をしておくことがおすすめです。

おすすめサイト：マンションノート

「マンションノート」は、100万件以上の口コミが投稿される、日本最大級のマンション口コミサイトです。

今住んでいるマンションの口コミを投稿すれば、無料で口コミを見ることができます。

4. リノベーション物件選びにおすすめの賃貸サイト2選と探し方

先ほどの比較の通り、リノベーション物件は「SUUMO」「HOME’S」で探すのがおすすめです。

それぞれがどんなサイトなのか、またどうやってリノベーション物件で検索すればいいかを解説していきます。

4-1. SUUMO：物件数No1！大手が運営する最大級のポータルサイト

「SUUMO」はリクルートグループが運営する日本最大級の不動産ポータルサイトで、多くの不動産会社がこぞって物件を載せています。

数ある賃貸サイトの中で最もおすすめな理由は、とにかく掲載数が多く、また希望の条件で物件を絞りやすいことです。

リノベーション物件を含めると700万近くある物件を様々な切り口で検索ができ、「リノベーション物件」以外にも、「リノベーション物件×タワーマンション」「リノベーション物件×ルーフバルコニー」など、さまざまな要望で物件を絞り込めます。

SUUMOでリノベーション物件を探すには？

路線やエリアを絞った後、「検索条件追加」から「すべてのこだわり条件」を選択、「リノベーション物件」にチェックをすればリノベーション物件だけを絞り込めます。

SUUMOのデータ

4-2. HOME’S：SUUMOと並ぶ大手ポータルサイト

「HOME’S」は不動産だけでなく、引越しや介護など暮らしに関連するサービスを提供する上場企業、株式会社LIFULLのポータルサイトです。

こちらも物件数は常時500万件掲載されていて、エリアによってはSUUMO以上にリノベーション物件の掲載数があります。

使いやすさも申し分なく、SUUMO同様ストレスなく使えます。より幅広い物件を見たい、という方はSUUMOと合わせて使うことで、よりたくさんの物件を調べることが可能です。

HOMESでリノベーション物件を探すには？

エリアや路線を絞ったら「詳細条件を指定する」を押し、ページ下部にある「リフォーム・リノベーション済」にチェックをすればリノベーション物件だけを絞れます。

HOME’Sのデータ

5. プロが選ぶ賃貸におすすめのリノベーションシリーズ3選

基本的に、「SUUMO」「HOME’S」で、重視するポイントで絞り込めば、選びやすいはずです。

ただ、最近はリノベーション物件の数が多くなっていて、一部では借りたあとに後悔するような部屋もあるので、選ぶのに苦労するかもしれません。

そこで、賃貸の営業をしていた経験から、デザイン性、品質、コスパなどを踏まえて特に賃貸でおすすめしたいリノベーション物件を紹介します。

オススメは大手のシリーズ物件

中堅企業〜大手のリノベーション物件であれば、配管や部屋の品質が高い水準で保たれているため、住んだあとに失敗しにくいです。

なので、後悔しないおしゃれなリノベーション物件がいい人は下記のシリーズから選びましょう。

5-1. レジディアシリーズ

「レジディアシリーズ」は伊藤忠アーバンコミュニティが手がける賃貸マンションです。

麻布十番や六本木など、都心でも人気が高いエリアに数多くの物件が建つ、高級賃貸の人気シリーズです。

取り扱っているタワーマンションや高級物件に、空き区画が出たら順にリノベーションをして、新たに物件の価値を高めることに力を入れています。

リノベーションされた部屋の内装

上記引用：伊藤忠

過去に募集のあった部屋の例

5-2. リズムシリーズ

「リズムシリーズ」は1R・1Kタイプを中心に、リズム株式会社が手がける人気リノベーションシリーズです。

平均賃料は10万円前後となっていて高すぎる金額ではないので、新たに募集が出てもすぐに終了してしまうほど人気があります。

また、水回りはシンプルな設備を使用してコストを抑え、部屋の内装デザインにコストをかけているので、一段とレベルが高くなっています。

リズムシリーズの部屋の内装

上記引用：リズム株式会社

過去に募集のあった部屋の例

5-3. アークハウスシリーズ

「アークハウスシリーズ」は、東京を中心に「日本ビルディング経営企画」が手がけるシリーズマンションです。

自社で所有するマンションの空いた区画をフルリノベーションしているので、設計やデザインの幅が広く、他では出会えないような素敵な部屋が数多くあります。

また、古い物件はリノベーションして蘇らせていますが、築浅のアークハウスシリーズは、数多くのメディアでも特集されるほどおしゃれなデザイナーズ物件となっています。

アークハウスシリーズの部屋の内装「ARK HOUSE」

アークハウスシリーズのデザイナーズ物件

上記引用：日本ビルディング

過去に募集のあった部屋の例

6. まとめ

リノベーション物件を賃貸する前に知っておくべきことをまとめましたが、いかがでしたでしょうか？

改めて注意点をお伝えすると、下記の7つです。

上記に悩むことのないよう、以下のポイントに気をつけて物件を選んでいきましょう。

• SUUMO(https://suumo.jp)、HOME’S（https://www.homes.co.jp）などの、リノベーション物件に強いサイトを使う
• 複数の不動産会社を通して、複数物件を内覧して選ぶ
• 契約条件を念入りに確認して、トラブルが起きても対処できる証拠を残して契約する

このページがあなたのお部屋探しのお役に立てることを心から祈っています。

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