OYO LIFEってどんなサービス?今までの賃貸との違いや注意点を徹底解説!
「OYO LIFEってどんなサービス?」「本当にスマホ一つで借りられるの?」など、OYO LIFEについて気になっていませんか?
「OYO LIFE(オヨライフ)」は、スマホアプリからホテルを予約するように部屋を借りることができる画期的なサービスでした。
面倒な契約もない上に初期費用不要で、家具やインターネットも完備されているため、早ければ翌日でも生活を始めることができるものでした。
ただし、当然ながら家賃はかなり高くなってしまい、住む期間が短い方にはおすすめできるサービスではなく、現在は新規の申し込みを停止しています。
不動産業界で長年働いてきた私が、このサービスがどんなものだったのか、下記の流れで徹底的に解説していきます。
- OYO LIFE と今までの賃貸サービスとの違い
- 実際にどんな部屋があるの?
- OYO LIFEの評判は?いい口コミ・悪い口コミのまとめ
- 実際に住んでわかったOYO LIFEの問題点とメリット
- OYO LIFEの信頼性について
このページを読めば、今までのサービスと何が違ったのか、メリットやデメリットはなにかなど、OYO LIFEについての全てのことがわかります。
OYO LIFEの最新動向
OYO LIFEは、サービスの不振もあり、「OYO Japan」から「KC Technologies株式会社」に引き継がれました。
今入居している方は、そのまま住み続けられますが、現在新規の申し込みや延長を停止しています。
目次
1. OYO LIFE と今までの賃貸サービスとの違い
「OYO LIFE」は、インドの大手ホテル会社OYO(オヨ)とヤフー株式会社によって設立された、「OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN 株式会社」が2019年3月から開始した賃貸サービスです。
コンセプトは「旅するように暮らす」で、ホテルを借りる感覚でマンションなどを借りられるサービスでした。
借りたい人にとって、今までのSUUMOなどの不動産サービスとは下記の面で違いがありました。
- スマホ一つで家を借りられる
- 初期費用がかからない
- 家具家電やWi-Fiが完備されている
- 毎月様々なキャンペーンを行っている
- 月々の家賃は若干高くなる
1-1. スマホ一つで家を借りられる
OYO LIFEはスマホ1つで賃貸物件を借りることができました。
今まで、賃貸物件を借りたくなった時は、家を探して、不動産屋に行き、書類を用意して..と期間も手間も多くかかりました。
一方で、OYO LIFEであれば、まるでホテルに予約するかのような感覚で、スマホのみで手続きができ、早ければ決めた次の日から住めたのです。
退去するときもスマホ一つで終わるので、簡単に引越しができるサービスでした。
1-2. 初期費用がかからない
OYO LIFEで借りる場合は、敷金・礼金・仲介手数料がかかりませんでした。
入居前の清掃費だけは1万円前後かかりますが、それ以外は基本的に月々の家賃と共益費のみです。
通常の賃貸サービスだと入居時に、家賃何ヶ月分も初期費用がかかることが多いのですが、それが約1万円の清掃費だけで済みました。
1-3. 家具家電やWi-Fiが完備されている
OYO LIFEの物件は家具や家電、Wi-Fiも完備されていました。
初期費用を抑えられることに加え、手ぶらで引越しをすることも可能で、まさにホテルを変える感覚で、次の物件に引越しやすくなるサービスでした。
1-4. 毎月様々なキャンペーンを行っている
OYO LIFEでは、利用者の増加を狙って、毎月様々なキャンペーンを行っていました。
現在は新規申し込み自体を停止していますが、過去には「3日間無料お試し」などのキャンペーンがありました。
過去のキャンペーン例(抜粋)
- スペシャルプライス(築浅物件を通常よりお得に借りれる)
- ドリームイン博多の5部屋限定で賃料1万円OFF+予約手数料99%0FF
1-5. 月々の家賃は高くなる
ここまではいいこと尽くしでしたが、欠点としては、毎月の家賃が高くなることでした。
大手賃貸サイト「SUUMO」で扱われていた、同じマンションの条件が近い他の部屋と比べてみました。
マンション名 | OYOで借りる場合 | SUUMOで探す場合※ | ||||
賃料+共益費 | 初期費用 | 間取り/広さ | 賃料+共益費他 | 初期費用 | 間取り/広さ | |
スカイコート後楽園第3 | 103,000円 | 10,000円 | 1R/16.33㎡ | 76,500円 | 263,200円 | 1R/16.33㎡ |
フェニックス麻布狸穴公園 | 135,000円 | 10,000円 | 1K/24.15㎡ | 109,188円 | 353,740円 | 1K/22.75㎡ |
GENOVIA新宿御苑greenveil | 153,000円 | 10,000円 | 1K/25.66㎡ | 125,000円 | 318,600円 | 1K/25.71㎡ |
※SUUMOに過去に掲載されていた情報をもとにしています。初期費用は敷金+礼金+仲介手数料+他明記があるもので算出しています。SUUMO利用時は必ず細かい金額を確認しましょう。
マンションにもよりますが、毎月の賃料が2~3万円ほど高くなる傾向でした。
一方、敷金・礼金など初期費用は30万円以上削れることが多く、また家具・家電も無料と考えると引越し時の費用はだいぶ削れました。
しかし、月々の賃料が高い分、長い期間住むつもりの方は、損することもあるサービスでした。
OYO LIFEはこんな人におすすめだった
ここまでを踏まえ、まずは結論をいうと、OYO LIFEは下記のような人におすすめのサービスでした。
- とにかく初期費用を抑えて引越しをしたい人
- すぐに次引っ越す予定がある人
- 契約時の面倒な手間を省きたい人
- 色々な物件を試してみたい人
ただし、毎月の賃料は高くなるため、長く暮らす家を探している人には向かないサービスです。
初期費用や家具・家電が不要なことを考慮しても、1年以上住む家を探す方は、割高になる可能性が高く、それが流行らなかった理由の一つです。
また、物件数は多くなく、利用できる物件の種類やエリアが限られるのも使いにくくなっていた原因の一つでした。
2. 実際にどんな部屋があるの?
では、実際にOYO LIFEではどんな部屋を借りることができたのか、解説していきます。
事前登録を行うと、物件情報が見れる仕組みですが、下記のようにサービス開始直後から、物件数はそこそこありました。
選べるタイプは3タイプ
最終的に、選べる部屋のタイプは下記の3種類でした。
- マンションタイプ:10~15万円
- 戸建てタイプ:25~万円
- シェアハウスタイプ:4~6万円
用途や予算に合わせて3つのタイプを選ぶことができましたが、物件の多くは「マンションタイプ」で、戸建てやシェアハウスの物件の扱いはほとんどありませんでした。
①マンションタイプ
※画像はイメージ
10~15万円の価格帯のマンションタイプは、一人暮らしに最適な、1Rや1Kの部屋が多いです。
ただ、立地が良かったり、築浅な建物など、一人暮らし向けの物件の中では賃料が比較的高いものが多くありました。
最終的に、確認できた物件のおよそ9割がこのマンションタイプの物件でした。
このタイプで掲載があった部屋の一例
マンション名 | 場所 | 賃料+共益費 | 清掃費 | 間取り/広さ | 参考(他社情報等) |
オリエントマンション品川 | 京急本線「北品川駅」歩1分 | 92,000+10,000 | 10,000 | 1K/17.45㎡ | SUUMOで類似した部屋が賃料6.4万・共益費1.1万で掲載実績あり(敷金・礼金等が必要) |
グランド・ガーラ銀座 | 東京メトロ「銀座駅 」歩8分 | 145,000+10,000 | 10,000 | 1K/24.12㎡ | SUUMOで類似した部屋が賃料10.7万・共益費1.2万で掲載実績あり(敷金・礼金等が必要) |
シンシア早稲田 | 東京メトロ「江戸川橋駅」歩7分 | 123,000+10,000 | 10,000 | 1K/24.12㎡ | SUUMOで類似した部屋が賃料8.4万・共益費0.9万で掲載実績あり(敷金・礼金等が必要) |
日神デュオステージ笹塚東館 | 京王線「笹塚駅」歩3分 | 104,000+10,000 | 10,000 | 1R/20.89㎡ | SUUMOで類似した部屋が賃料7.3万・共益費0.5万で掲載実績あり(敷金・礼金等が必要) |
②戸建てタイプ
※画像はイメージ
25~万円の価格帯の戸建てタイプは、ファミリーでの生活に最適な、2LDKの部屋が中心です。
物件数は多くはないので、他のサービスも合わせて使って探さないと出会える物件数は不十分でした。
ただし、他の賃貸サイトにはほとんど掲載されていない希少な物件も中にはありました。
このタイプで掲載があった部屋の一例
物件名 | 場所 | 賃料+共益費 | 清掃費 | 間取り/広さ |
広尾5丁目戸建 | 渋谷区広尾5丁目 | 356,000+10,000 | 10,000 | 2LDK/75.58㎡ |
六本木6丁目戸建 | 港区六本木6丁目 | 786,000+10,000 | 10,000 | 2LDK/93.59㎡ |
③シェアハウスタイプ
※画像はイメージ
4~6万円の価格帯でシェアハウスにも住めました。
シェアハウスとは、キッチンやシャワー、トイレなどを他の入居者と共同で使う代わりに賃料が抑えられる物件で、入居者同士の交流が楽しめることもメリットでしら。
このタイプで掲載があった部屋の一例
物件名 | 場所 | 賃料+共益費 | 清掃費 | 間取り/広さ | 参考(他社情報等) |
久が原3丁目コーポ第2 | 東急池上線 「久が原駅」歩5分 | 38,000+10,000 | 10,000 | 1K/7.1㎡ | – |
Takaido 206 | 京王井の頭線「高井戸駅」歩12分 | 38,000+10,000 | 10,000 | 1K/7.3㎡ | LIFLEで類似した部屋が賃料約4.8万・初期費用1万で掲載実績あり |
3. OYO LIFEの評判は?いい口コミ・悪い口コミのまとめ
OYO LIFEは、うまく使うと賃貸が簡単になり、初期費用も削れる、非常に便利なサービスでした。
ただ、悪い口コミもあり、全員が満足できているわけではありませんでした。
この章では、TwitterなどのSNSにあったOYO LIFEを実際に利用した方のいい口コミ・悪い口コミをそれぞれ詳しく解説していきます。
3-1. OYO LIFEのいい口コミとその理由
OYO LIFEのいい口コミとしては、下記のようなものがありました。
新生活で楽しみにしていること。
念願の一人暮らし、
すでに漫喫しているのだ。
自分仕様の部屋を考えるのが
楽しいのだ😊
オヨライフは
家具付きなので入居と同時に
すぐに暮らせるのが
気に入っているのだ。
(お湯の出が悪くて電話したら
すぐ対応してもらったので
感謝していますのだ🙏)
いい口コミの内容としては、下記が多かったです。
- スマホ一つで手軽に契約できる
- 敷金・礼金・仲介手数料がかからない
- 家具家電付きで快適に生活できる
手間のかかる契約もなく、ホテル感覚で手軽に物件を決められる点を評価している利用者が特に多い印象でした。
3-2. OYO LIFEの悪い口コミとその理由
OYO LIFEの悪い口コミとしては、下記のようなものがありました。
これは虚偽です。
オヨライフを利用しないことをおすすめします。
#oyolife で借りた部屋カビだらけで、サポートは対応待ちで1時間繋がってない。
だいぶ許容範囲デカい人じゃないと、これはキレるだろうなあ。
仮に旅行なら、宿無しになる。
居住に関する緊急事態は特別回線用意しないとダメだな。
どう考えても1週間は入居遅れそうだけど、対応はいかに。
悪い口コミの内容としては、下記が多かったです。
- 家賃以外の費用が発生する
- サポート体制が不十分
- ポストやキーBOXのナンバーが違うなど、管理体制がずさん
問い合わせに対してレスポンスが遅いなど、サポート体制についての口コミが多く見られました。
こういったサポートへの不満も、サービスがうまくいかなかった理由と考えられます。
4. 実際に住んでわかったOYO LIFEの問題点とメリット
上記のようにいい声がある中で、OYOLIFEの物件はどうなのか、2019年の夏ころに実際に恵比寿駅周辺にある物件に住んでみました。
その結果、3つの問題点と、メリットが見えてきました。
4-1. 住んでわかったOYO LIFE 3つの問題点
OYO LOFEの物件に住んだ結果、物件にもよりますが、下記の3つは問題だと感じました。
- 生活必需品が揃っていない
- 物件を確認した上で使うことが難しい
- 設備のクオリティも決して高くはない
問題点① 生活必需品が揃っていない
ホテルを借りる感覚で暮らせると聞いて期待していましたが、生活に必要なものが揃っておらず、我慢するか、自分で購入する必要がありました。
具体的に、下記のものは生活に必要なのに、私が借りた家にはついていませんでした。
- テレビ
- ドライヤー
- アイロン
その他、ゴミ袋 ・ティッシュ ・シャンプー ・歯ブラシ ・歯磨き粉 ・ハンドソープ ・ボディソープ ・洗顔料 ・洗濯用洗剤 などもついておらず、ホテルのようには暮らせませんでした。
問題点② 物件を確認した上で使うことが難しい
スマホ一つで借りられるというのがメリットですが、部屋の中を見て契約できないというのは大きなデメリットだと思いました。
例えば今回の部屋だと、洗濯機が外についていたり、洗面台が狭いなどのデメリットがありましたが、入居前には気づけませんでした。
これらを把握できていれば、別の物件を選んだかもしれません。
手軽に入居できるということは、じっくり検討できないと言うことなので、注意しましょう。
問題点③設備のクオリティも決して高くはない
また、私が住んだ家に関しては、備え付けの家具も決していいものではありませんでした。
- 家電は聞いたことのないメーカーのもの
- マットレスが固くて寝にくい
上記のような問題もあり、すごく快適に住めた訳ではありませんでした。
4-2. 住んでわかったOYO LIFEのいい面
反対に住んで実際にわかったいい面を紹介します。
①写真通りの物件に住める
まず、OYO LIFEの物件は、写真とはあまり差がなく、いい意味でも、悪い意味でも写真通りの物件でした。
掲載されている写真は信用できると言えます。
②入居・退去は簡単
普通の賃貸も経験したことがありますが、入居時・退去時は普通の賃貸よりも楽です。
まず、入居時はポストに鍵が入っているため、不動産会社に受け取りに行くという手間はありません。
また、退去時は通常の賃貸と同じようにスタッフが立ち会うことになります。退去日に完璧に掃除ができていなかったのですが、45Lのゴミ袋1つ分までゴミは無料で回収してくれたため、退去時も手軽でした。
5. OYO LIFEの信頼性について
OYO LIFEについては、サービス開始時に「インドの会社って大丈夫?」「お得なサービスには裏があるんじゃないの?」と不安に思う方も多くいました。
ここではサービス開始時の運営会社「OYO」の詳細や、初期費用を抑えてお得に使えた理由を解説していきたいと思います。
5-1. OYOはインド最大手のホテルチェーン
OYO(オヨ・ホテルズ)は個人経営で、品質がバラバラだった、インドの低価格ホテルをチェーン化して、一気に成長してきた企業です。
2013年に設立し、創業2年でインド最大のホテルチェーンに成長、現在では世界で30万の客室を持っているグローバル企業です。
時価総額は約5,000億円と言われ、インドなどでのホテル運営やITのノウハウを生かして、日本の不動産賃貸業に参入しました。
5-2. OYO LIFEのビジネスモデル
OYO LIFEは空き家や空き部屋をオーナーからOYO借り、それを利用者に貸し出すという仕組みのサービスでした。
利用者が支払う賃料と、オーナーから借りる賃料の差が、OYOの取り分というわけです。
お得なのに裏があるわけではなく、なるべく安く借り入れ、ホテル運営の実績や最先端のIT技術を活用し、家を借りたい人に無駄なく貸していくことで、初期費用ゼロでもきちんと利益を出せる仕組みでした。
そのため、不動産のオーナーとしては、空室が埋まらない..というリスクを減らせるので、多少賃料を下げても、積極的にOYOに貸したいと思う人も一定数いました。
6. まとめ
OYO LIFEのサービスについて、仕組みから今までの賃貸サービスの違いまでを解説してきましたが、いかがでしたか?
OYO LIFEは、煩わしい手続きの多かった不動産賃貸をグッと便利にできるサービスでした。
初期費用を抑えたい、面倒な手続きは嫌だ、ちょっと住んでみたいエリアがあるという方にぴったりで、気軽に物件を探せました。
ただし、口コミや、実際に住んだ経験から、以下の注意点があるサービスでした。
- 毎月の家賃は普通に借りるよりも高くなる
- サポートが今ひとつ
- 家具・家電が揃っておらずクオリティも高くないことがある
現在、新規契約者の受付はしていませんが、今後サービスが再開されることがあれば、上記のことに注意して利用しましょう。
このページを参考に、あなたがより良い家探しができることを心から祈っています。