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賃貸の保証金とは?必要な理由と最安で部屋を借りる全知識

「賃貸を借りるときの保証金ってなに?」「保証金と敷金は違うの?」など、賃貸の保証金について疑問に思っていませんか?

賃貸の保証金は、なにかあったときの保証として預けておくお金で、敷金と同じ役割を果たすものですが、内容を知らずに契約すると、返金されないこともあるので注意が必要です。

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下の4つのことをご紹介します。

  1. 保証金を求められる3つの理由とその役割
  2. 保証金の相場と注意点
  3. 知らないと損するオフィスの保証金3つの償却パターン
  4. オフィスでの保証金の仕訳に関して

すべて読めば、なぜ保証金が必要とされているのか知ることができ、償却の種類を見極め損することなく賃貸物件を契約することができるでしょう。

1. 保証金を求められる3つの理由とその役割

保証金とは、地域によって呼び方は変わりますが、敷金とイコールと考えておいて構いません。

一般的に保証金は、関西での呼び方で、関東では「敷金」が主流ですが、意味合いはほぼ一緒です。

そして、敷金と同様に「残った金額は退去のときすべて返金する」と法律で定められています。

もともと返金すると決まっているのに、保証金を求められる理由は3つあります。

  • 退去したときの修繕費として事前に徴収
  • 滞納したときの担保として事前に徴収
  • 財力がどれぐらいあるのかの確認

理由を1つずつ解説します。

1-1. 退去したときの修繕費として事前に徴収

部屋を汚したり、設備を壊したりして退去されたときのために、事前に徴収します。

なぜなら、退去したあと元の入居者に請求するには、時間も労力もかかってしまい、最悪の場合連絡が取れなくなってしまうこともあるためです。

このようなことから、物件を貸し出すオーナー(貸主)の、リスクを減らすために保証金は求められています。

1-2. 滞納したときの担保として事前に徴収

家賃を滞納した時に、家賃に充てる目的もあります。

滞納をしたときは、連帯保証人が契約者に代わって家賃を支払いますが、連絡が取れなかったり、早急な対応をしてもらえないことが多くあります。

その期間オーナーに迷惑がかかるので、補填できる費用として保証金を事前に求められます。

1-3. 財力がどれぐらいあるのかの確認

保証金を収めることに支障がない、財力ある人を見極めるために、保証金を求めてくることもあります。

退去時に返ってくる保証金を「1ヶ月分だけでも安くしてください」と言われると、オーナーは「この人は保証金も預けられないぐらい生活が厳しいのかな」と感じます。

そうなると、家賃を滞納される可能性が高そうと判断され、入居を断るオーナーもいますので、できる限り「保証金を安くしてほしい」と言わないことが望ましいです。

2. 保証金の相場と注意点

この章では、実際に保証金を求められている人に向けて、相場や注意点を紹介します。

注意せずに契約してしまうと、「高額な保証金をとられた」「退去時に思っていたほど返ってこない」などの事態になります。

2-1. 保証金の相場は?

住宅の保証金の相場は、関東:3~4ヶ月・関西:4~5ヶ月で、オフィスの保証金は、6~12ヶ月が相場です。

意味合いは一緒でも、保証金と敷金だと、保証金の方が高く設定される傾向にあります。

ただし、上記よりも明らかに高額な保証金を求めてくる不動産会社や大家もいるので、その場合、納得できなければ物件を探し直すことをおすすめします。

2-2. 敷引きとは?

もともと「返金しない保証金・敷金」として、契約条件で取り決めをするもので、関東だと礼金に近いものです。

例えば、関東で「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」のところ、関西では「敷金3ヶ月・敷引き1ヶ月」の設定になり、どちらにしろ、入居時に家賃3ヶ月分を支払い、うち1ヶ月分は返ってこないお金として扱われます。

実質の支払う金額に差はありません。

契約する前に敷引きの金額を確認する

敷引きは礼金に近いものなので「敷引き1~2ヶ月分」が相場と考えましょう。

退去のときにいくら抗議をしても、契約を交わしていればどうにもならないので、しっかりと内容を確認することが大切です。

2-3. 保証金は契約途中に追加となることもある

契約書の内容次第では、保証金が、契約の途中で追加されるケースがあります。

よくあるケースが「ペットを飼育したとき、保証金2ヶ月を預ける」という内容です。

敷引きの設定も追加される

ペットを飼ったときは、退去のとき部屋が汚くなる可能性が高いので、保証金の追加と一緒に敷引きを設定されることが多いです。

ただ、追加した保証金を超える敷引き設定にはならず、仮に保証金2ヶ月追加したら、敷引きは1ヶ月か2ヶ月に設定されるでしょう。

2-4. 保証金は基本的に安くならない

1章でも伝えましたが、保証金は基本的に返ってくるお金なので、安くするという概念がありません。

ただし、相場以上の高すぎる保証金を求められ、敷引きも設定されていないときは、単に多く預けているだけになるので、一度確認した方がいいでしょう。

保証金ではなく、「敷引き」を交渉する

礼金を交渉するのと同じように、敷引きが1ヶ月・2ヶ月で設定されていたら、交渉のチャンスです。

仮に、10万円の物件で敷引き2ヶ月だと、礼金分とクリーニング代を差し引いても損することになるので、「解約時に、必要なクリーニング代だけ請求する契約にしてください」と言って交渉しましょう。

2-5. 敷引きが設定されていないときの交渉は?

そのときは、下記の項目をなしにするか、少しでも安くしてもらえるように交渉しましょう。

  • 仲介手数料
  • 火災保険
  • 鍵交換費用
  • 安心入居サポート・消臭消毒オプション

仲介手数料

検討している物件が他の仲介会社で「仲介手数料無料もしくは半額」で募集しているか、ネットから物件名で検索して調べてみましょう。

どこの会社も安く募集していないなら「39roomに問い合わせをして、仲介手数料3.9万円にしてもらいましょう。

火災保険

通常2万円ほどの火災保険は、自分で選ぶことができるので5千円~1万円ほどのプランにすれば、1万円以上お得になります。

全労済」か「楽天損保」の火災保険が安いので、不動産会社にここの会社で加入を希望すると伝えましょう。

鍵交換費用

鍵交換費用は、オーナーが支払うことが妥当と国が定めているので、負担してもらうように伝えましょう。

国交省ガイドラインには下記の通り記載されています。※21ページ記載

鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合) (考え方)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。

私の経験上、「鍵交換費用を渋って契約がなしになるぐらいなら、オーナーが負担する」となったケースが比較的多いです。

安心入居サポート・消臭消毒オプション

基本的に任意となり、民間のサービスで補填できる内容なので、必要ないと伝えましょう。

大手不動産会社の物件だと、何も説明されないまま精算書に組み込まれているので、注意が必要です。

2-6. 保証金は出来るだけ多く返してもらう

地域に応じて、基本的に敷引きされない分に関しては返ってくるので、部屋を大事に綺麗に使っていきましょう。

ただし、綺麗に使っていたのに返ってこないときは、返還を求めたほうがいいので、下記の記事を参考にして、最大限の返還を目指しましょう。敷金の解説ですが、保証金であっても同じです。

不動産業者が教える「敷金」を最大限返還してもらうための全知識

オフィスの場合は、他にもいろいろなパターンで保証金が減っていくことがありますので、続けて3章を確認しましょう。

3. 知らないと損するオフィスの保証金3つの償却パターン

オフィスを借りるときは、敷引きではなく償却として差し引かれることが多く、償却には以下の3つのパターンがありますので、詳しく解説していきます。

  • 良心的な「実費償却」
  • 敷引きと同じ役割の「解約時償却○○ヶ月分」
  • 危険な「年○○%償却」

3-1. 良心的な「実費償却」

こちらは、退去したあとの原状回復費用にかかる、実費金額だけ差し引いて返金してくれる方法です。

必要以上に差し引かれることはないので、良心的な償却方法と言えるでしょう。

3-2. 敷引きと同じ役割の「解約時償却○○ヶ月分」

呼び方は異なりますが、敷引きと同じ役割を果たす償却方法です。

契約するときに預けた保証金から、「解約時には○○ヶ月分を差し引いて、残った金額を返金します」という内容です。

3-3. 危険な「年○○%償却」

こちらは、契約から1年ごとに○○%ずつ保証金が減っていく内容となり、契約者が損する償却方法です。

契約更新のとき、保証金が減っているときは追加で支払う必要があり、更新料も必要な契約だと「追加保証金+更新料」と非常に高額な費用を請求されます。

契約のときは必ず確認すること

保証金は返ってくるものと思い込み、契約のときに償却の細かい部分まで確認しない人が多く、さらに悪徳な不動産会社は詳しく説明しないこともあります。

こうならないために、保証金の金額だけでなく、償却や敷引きがどんな形で設定されているのか、必ず確認したうえで契約するように心がけましょう。

4. オフィスでの保証金の仕訳に関して

オフィスを借りるときに支払った保証金は、どのような会計処理になるのか、契約内容によって返金額が異なりますので、わかりやすく2つのケースで解説します。

  1. 解約時に返ってくケース
  2. 解約時に返ってこないケース

4-1. 解約時に返ってくるケース

退去するときに返ってくる保証金は、差入保証金として資産計上することになり、返ってくる金額なので経費計上はできません。

このとき、経費処理していると税務調査で問題となる可能性がありますので、注意しましょう。

ただし、原状回復費用が差し引かれる場合、そちらは退去のときに費用計上することができます。

4-2. 解約時に返ってこないケース

償却が設定されていて返ってこない保証金は、税務上の繰延資産となり資産計上したうえで、一定の償却期間にわたって償却をします。

長く使うオフィスの場合は、5年間で償却をしていきます。

しかし、一般的に賃貸契約は2年か3年が多いので、5年未満のときは月割で均等償却することが必要となります。

資産・経費計上するときの勘定項目は?

  • 資産計上するときの勘定科目は「長期前払費用」
  • 経費計上するときの勘定科目は「長期前払費用償却」

上記の中で、長期前払費用が20万円未満のときは、一時の経費とすることができます。

ただ、償却の金額だけで計算するのではなく、物件を借りるために支払った権利金(礼金や償却など)の費用の合計額で判断しましょう。

5. まとめ

賃貸の保証金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

単に預けるだけと思っていると、退去のときさらに追加請求されることもありますので、内容をしっかり確認してから契約しましょう。

また、希望の物件が見つかったとき、安易に「保証金を安くして!」とは言わないようにしましょう。オーナーから入居を断られる可能性があるので、気をつけてください。

あなたが賃貸を借りるとき、保証金関係でトラブルなく契約できることを願っています。