要注意!タワーマンションを買ってはいけない5つの理由とプロが教える真実
「タワーマンションは買ってはいけないと言われているけど実際どうなの?」「買ったら後悔する?」などタワーマンションは買うべきでないのか疑問に感じていませんか?
タワマン購入には確かに落とし穴があり、知らずに購入すると、大損するリスクさえあります。ただし、すべての人が、買ってはいけないわけではありません。
長年不動産業界で働いた経験と、実際にタワーマンションに住んだことがある経験から、「タワーマンションは買ってはいけない?」に対して以下の流れで解説をしていきます。
すべて読めば、タワーマンションはなぜ買ってはいけないと言われているのかから、購入するならどうすればいいかまで、タワーマンション購入前に知っておくべきすべてのことがわかります。
1. 「タワーマンションは買ってはいけない」と言われる5つの理由
一部の不動産の専門家が「タワーマンションは絶対に買ってはいけない」と言っています。
実際にタワーマンションに住んだ経験と、不動産業界で働いてきた経験から言うと、タワーマンションのデメリットをしっかり理解した上であれば問題ないです。
まずは、なぜタワーマンションを買ってはいけないと言われるのか、よく言われている下記の理由を解説していきます。
- 修繕費の高騰で、将来スラム化する可能性がある
- 資産価値の維持ができない可能性がある
- 住民の質に懸念が残る
- 毎月出ていくお金も多い
- 理想と現実のギャップが出る可能性がある
1-1. 修繕費の高騰で、将来スラム化する可能性がある
タワーマンションの修繕費とは、将来大規模な修繕をするための費用ですが、多くのタワーマンションで足りない、と言われています。
これは、分譲での販売時、安く見せるように、抑えて募集することが多いからです。
そのため、将来直すべき設備が直せなかったり、修繕費の大幅な増額が懸念されます。
修繕できればいいのですが、修繕費の値上げの同意が取れなかったり、滞納者が増えた場合は、十分な修繕費が足りず、スラム化(荒れ放題)の状態になるリスクがあります。
新しいうちはまだ良いのですが、数十年先、そのマンションがどうなるかはわかりません。
1-2. 資産価値の維持ができない可能性がある
タワーマンションの購入代金はほとんどが建物代と考えられています。
広大な土地に建てられているタワーマンションも、入居戸数を考えると、土地の持分はごくわずかになるためです。
計算すると、70~80%が建物代、というマンションが多く、土地代が多めになる一戸建てと比較すると下記のように資産価値が落ちやすいとも言われます。
基本的に、土地の資産価値はほとんどが落ちませんが、建物はどんどん古くなっていくので、トータルで見ると、資産価値を維持しにくいと言う人もいます
1-3. 住民の質に懸念が残る
また、タワーマンションは住人が多いからこそ「色々な人が住んでいること」がデメリットです。
自宅でホームパーティをして夜中までバカ騒ぎをしたり、その人たちの客なのか、住人以外の人が遅い時間にもマンション内にいることもあり、子育てをする私にとっては少し心配でした。
タワーマンションには多くの人、様々な層の人が住んでいることで、こういった悩みを持ちやすいです。
分譲でも賃貸の住民も多い
分譲向けのタワーマンションでも、個人投資家などが賃貸用に購入し、貸し出しているケースは多々あります。
そのため、隣人がコロコロ変わるという可能性もありますので、購入して長く住もうという方は要注意です。
1-4. 毎月出ていくお金も多い
先ほども出たとおり、タワーマンションを購入すると毎月の修繕費がかかります。
その他、タワーマンションの便利な施設・サービスを支える「管理費」、上の階にいけば行くほど割高になる「固定資産税」など、買った後に出ていくお金も多いです。
賃貸の場合は、原則家賃+管理費のみなので賃貸の方が得、という方もいます。
1-5. 理想と現実のギャップが出る可能性がある
その他、下記のような理由でそもそものタワーマンションのデメリットを原因に、購入すべきでないと言う人もいます。
下記のデメリットを入居してから知った場合、買うんじゃなかった、と感じる可能性はあります。
高階層・低階層それぞれの悩み
タワーマンションには高階層~低階層の人が住んでいるため、下記のように階層に応じた悩みを持ちやすいです。
高層階の方は「エレベーターで下まで降りるのに時間がかかる」と悩んでいる人が多いです。
反対に、低層階の方は、「階層で格差を感じる」と悩んでいる人が見栄っ張りの人に多いです。
宅配便の受け取りが面倒
個人的にタワーマンションに住んで一番面倒だと思ったのが宅配便です。
一般的なタワーマンションは上記のようにオートロックが複数ある分、インターホンに何度も対応しなければいけません。
また、エレベーターなどに時間がかかったり、他の部屋を回って来ることもあるので、部屋に来るまでに時間がかかります。
私が2つめに住んだタワーマンションは、インターホンが押されてから5分以上かかることもありました。
共用施設の予約が取れない
タワーマンションの目玉の一つは、パーティルームなどの共用施設かと思います。
しかし、特にパーティルームの予約はなかなか取れるものではありません。
私も友人を招いてホームパーティをしようと思ったことがありましたが、私が住んでいたところですと、月に1回抽選になるのですが、週末などは倍率が高くなかなか当たりませんでした。
自由に使えるものではないかもしれない、ということを念頭に置いてきましょう。
ベランダに物が干せない・置けない
高層階になると、ベランダは強風が激しく、洗濯物が干せなかったり、落ちるおそれのある物は置くことができませんでした。
44階はもちろんですが、23階の部屋も物は干せませんでした。
ただし、浴室乾燥機や、乾燥機付きの洗濯機が完備されていれば、洗濯はそこまで困らないはずです。
その他のデメリット
- 高層階は夏場暑い
- 外出が面倒になる
- 駅の近くで騒音が大きい
など、様々なデメリットを指摘している人もいます。ただ、物件、部屋や住む人によっても悩みは変わってきます。
重要なのは、住んだシーンを想定して、どんな悩みがあるのかを事前に覚悟しておくことです。
2. では、本当にタワーマンションは買うべきでないのか
では、本当に買うべきではないの?と心配になるかもしれませんが、買うべきか、買うべきでないかは人によって異なります。
実際、タワーマンションにはメリットがたくさんあります。
2-1. タワーマンションのメリット
- 眺望がいい
- 高いステータス性
- 周辺環境の利便性が高い
- セキュリティ性が高い
- 耐震性・防音性に優れる
- 建物内に便利な施設が充実
- コンシェルジュサービスが便利
- 上層階は虫が出にくい
上記のようなメリットを受けられるので、タワーマンション自体はおすすめです。
購入をしなくても、賃貸でもこういった恩恵は受けられますので、検討してみましょう。
2-2. 買って後悔するかは人によって変わる
上記のように、メリット豊富なタワーマンションですが、特に買って後悔するのは、下記のような人です。
- 上手なマンション選びをできていない
- なんとなく持ち家の方がいいと思って購入した
- 数十年先までのことまで検討しなかった
上手なマンション選びをできていない
そもそも物件選びを間違えている人です。
タワーマンションと一括りにされていますが、マンションによって、住み心地も、資産価値の落ちにくさも180度異なります。
マンションの選び方で失敗すると確実に後悔しますので、次の章でも解説します。
なんとなく持ち家の方がいいと思って購入した
タワーマンションを購入する方の中には「毎月家賃を払うなら持ち家の方がいいと思った」など深く考えずにタワーマンションを購入する人がいます。
タワーマンションは、一戸建てのように土地が丸々手に入るわけではないので、持ち家にするメリットは薄くなりがちです。
なんとなくで、何千万円も損している人もいますので、「本当に持ち家が得か」はより慎重に検討しましょう。
数十年先までのことまで検討しなかった
目先数年のことだけではなく、3~50年先まで考えて購入しましょう。
タワーマンションの住人の中で、「一生タワーマンションに住み続けたい」という方は実は1.8%しかいません。(参考)
特に大規模修繕が築30年のタイミングで行われます。その時にどうなっているか、必ず考えた上で購入をするようにしましょう。
2-3. 私はどうしたか
参考までに、私の経験を言うと、タワーマンションにずっと賃貸で借りていましたが、検討の末に、購入はしませんでした。
私は過去に下記のタワーマンションに住んだ事があります。
- 東京都中央区のタワーマンション44F(約2年)
- 東京都港区のタワーマンション23F(約2年)
- 東京都目黒区のタワーマンション5F(約1年)
タワーマンションはずっと賃貸で、今は一戸建てを購入して、郊外から出勤しています。
悩んだ中で思ったのは、ライフスタイルや、住居によって買うべき人・買ってはいけない人は分かれるということです。住んだ経験・不動産業界の経験から、一概に「買ってはいけない」というわけではないと思っています。
ただ、人生を左右する買い物になるはずなので、次の章のポイントを踏まえ、しっかり検討しましょう。
私が一戸建てにした理由
私が一戸建てを選んだ決め手は、1章で紹介した「将来の修繕費」「資産価値の維持」「住民の質」です。
3. タワーマンションを買って後悔しないための8つのポイント
私は、このページのポイントを踏まえ、よく考えたので、後悔しない選択をできました。
実際ここまで読んでも、購入したいという方は、タワーマンションを買って後悔しないために、下記のポイントを押さえましょう。
- 価格が落ちにくいタワーマンションを選ぶ
- 事前に内覧で住みやすさを確認すること
- 共用施設を精査すること
- 必ず複数の物件を見ること
- マンションの住人の口コミを必ず見ておくこと
- トータルコストで考えること
- プロの意見も聞いておくこと
- 「賃貸」という選択肢をもう一度考えること
逆に、このポイントさえ押さえていれば、後悔する可能性をぐっと抑えることができます。
3-1. 価格が落ちにくいタワーマンションを選ぶ
下記の観点で少しでも価格が落ちにくいマンションを選んでおけば、最悪売ればいいので、リスクは少ないです。
- 立地:何年先でも人気のエリア、特に駅から近い物件を選ぶ
- ブランド:大手が力を入れていて、知名度・ステータスの高いブランドを選ぶ
特に重要なのが立地で、不動産において最も重要な要素と言っても過言ではありません。
正直、立地さえ良ければ入居者も後を絶たないので、最悪賃貸で貸し出せば大損はしません。
反対に、今後の人口減少とともに住みたい人がいなくなるエリアでは、十分な修繕もできず、スラム化がより深刻化していく可能性があります。
関東近郊で特におすすめのエリア
東京都ですと、港区(特に、南青山・赤坂)・渋谷区(特に渋谷)・新宿区(特に西新宿)は人気が根強く、価格は落ちにくいと考える専門家が多いです。
東京都以外ですと、住みたい街ランキングで常に上位の武蔵小杉(神奈川)、大宮(埼玉)がおすすめです。
通勤・通学に際しての交通の便の良さを特に意識して、「住みたい街ランキング」も参考にエリアを決めましょう。もちろん、あなたが住みたいか、という観点も忘れてはいけません。
3-2.事前に内覧で住みやすさを確認すること
実際に住んで満足できるかも、じっくり見ておく必要があります。
下記は住んでから「こんなはずじゃなかった」と感じる人が多い観点ですので、内覧時確認しましょう。
周辺環境 | 駅から実際に歩いてみる(電車のホームからどのくらいの距離か確認) |
小中学校からの距離 | |
今の生活で便利に感じている施設(クリーニングなど)を事前に書き出し、チェックする | |
マンションの共用部 | エントランス・エレベーター・ゴミ置場などの清掃は行き届いているか |
コンシェルジュの有無、時間、サービスの内容 | |
エレベーターの台数や待ち時間 | |
ゴミ捨て場は各フロアにあるか、24時間出せるか | |
マンションの住人はストレスなく同じマンションに住めそうな人か | |
部屋 | 眺望・日当たりは良いか/再開発などで悪化しないか |
高速道路や電車の騒音はないか | |
収納スペースは十分にあるか | |
壁が薄くないか(軽く叩いてみる) | |
洗濯物は干せそうか |
3-3. 共用施設を精査すること
あなたの欲しい共用施設が付いているかは、必ず確認、整理すべきです。
ただ、共用施設が豊富、は一見メリットですが、デメリットでもあります。
共用施設がタワーマンションの魅力一つではありますが、共益費や賃料が上がる傾向にあるので、使わない共用施設は共益費の「払い損」につながります。
自分に必要ない共用施設はどれくらいあるか、費用を考慮した時にコスパはどうかも判断材料にしましょう。
3-4. 必ず複数の物件を見ること
タワーマンションに済んだことがない方は、複数の物件を内覧した上で決定するといいでしょう。
同じエリア、同じ条件の物件を多くチェックできれば物件ごとのデメリットや相場がわかってくるはずです。
必ず3棟以上の物件をここまでの観点含め、確かめるようにしましょう。
3-5. マンションの住人の口コミを必ず見ておくこと
「思いの外、小学校から遠い」「周辺のスーパーまでの道のりが不便」など、住まなければわからない物件のデメリットはこの他にもたくさんあるはずです。
そのため、すでに住んでいる人がいるマンションの場合は、マンションの住人の口コミを見れる下記のようなサービスで、興味のあるマンションに付いて住民の声を確認しておきましょう。
おすすめサイト:マンションノート
「マンションノート」は、100万件以上の口コミが投稿される、日本最大級のマンション口コミサイトです。
今住んでいるマンションの口コミを投稿すれば、無料で口コミを見ることができます。
3-6. トータルコストで考えること
タワーマンションを購入した後も「管理費」「修繕費」はかかってきます。また「ローンの利息」も、「固定資産税」などもかかります。
特に修繕費に関しては、より多くの人が興味を持つようにあえて抑えて募集をしているケースがあります。そんなパターンだといざ修繕が必要な時に、修繕費が足りず、思わぬ出費を強いられます。
修繕費は適正かどうかも踏まえて、トータルコストで考えましょう。
タワーマンションの購入時かかる主な費用
- 物件価格
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 登記費用・登録免許税
- 固定資産税
- 不動産取得税
- ローン事務手数料
- 毎月の管理費・修繕費
上記は一例ですが、購入費用以外にも様々な名目でお金がかかります。初期費用、毎月支払う費用をしっかりシミュレーションした上で購入しましょう。
3-7. プロの意見も聞いておくこと
上記のコスト面など難しい観点も多いので、一回プロの意見も聞いておくことがおすすめです。
ただ、特定のタワーマンションのみを扱っている会社やモデルルームの人に相談すると、デメリットを隠されたり、他社のマンションを教えてくれません。
そのため、複数のタワーマンションを公平に扱っている会社に相談するのがおすすめです。
- どの業者のマンションも中立に扱っているか
- 営業をしないと公言しているか
- 無料で相談だけでもできるか
- 大手企業が運営している
の4点でおすすめ業者を出すとすると、下記の2社がおすすめです。
- 「LIFULL HOMES 住まいの窓口」
- 「スーモカウンター」(新築のみ)
中古で検討している方は「LIFULL 」、新築で検討している方はどちらにも話を聞きに行き、担当者や提案内容が良さそうな方を選ぶのがおすすめです。
3-8. 「賃貸」という選択肢をもう一度考えること
購入前にもう一度「賃貸の方がいいのでは?」と考えるようにしましょう。
購入をすると、身動きが取りにくくなったり、ここまでのデメリットを強く感じる可能性があります。一度賃貸でもシミュレーションを行い、もう一度購入という選択が正しいのか精査しましょう。
賃貸のタワーマンションを探す際は、「SUUMO」「HOME’S」などの大手のポータルサイトを使いましょう。
ポータルサイトがおすすめな理由
ポータルサイトとは、下記のように、各不動産会社が、自社で扱う物件を掲載しているものです。
あなたが物件①に興味を持てば不動産会社Aに問い合わせることになります。
タワーマンションの場合、下記のように部屋ごとに扱っている不動産会社が違うということもあり、それらをまとめて見れるため、より理想の物件を調べやすいです。
※田町駅の某タワーマンションの空室一覧(抜粋)
1つの物件を問い合わせれば、同じ条件の物件を紹介してくれるケースが多いです。上記のポータルサイトに掲載のない物件も出てくるケースも多いので、よりたくさんの会社に問い合わせることがおすすめです。
1件でも多くの物件を見て、後悔しない部屋選びをしましょう。
絞り込んで効率よく検索を
ポータルサイトはタワーマンション 以外の物件も豊富に掲載されているためタワーマンションだけを絞って効率よく検索しましょう。
「SUUMO」も「HOME’S」もエリアを絞った上で詳細条件選択欄の「その他」の中の「タワーマンション」にチェックすれば絞り込み可能です。
4. まとめ
タワーマンションを買ってはいけないと言われている理由、実際にどうなのかを解説してきましたが、いかがでしたか?
タワーマンションには、確かに買ってはいけないと言われる合理的な理由がありますが、本当に買うべきでないかは、選び方やライフスタイル次第です。
惑わされず、本当にあなたにあった選択肢を考えましょう。
どうしても決められない時は、下記のような営業をしないと宣言している大手の窓口に話を聞いてみるのもおすすめです。
- 「LIFULL HOMES 住まいの窓口」
- 「スーモカウンター」(新築のみ)
このページがあなたの最高の住まい選びのお役に立てることを心から祈っています。