転出届の郵送完全ガイド|注意点と書き方・送り方の全手順
「転出届は郵送できるのか?」「郵送で転出届はどうやって出せばいい?」など引越し時、転出届を郵送で出したいと考えていませんか?
転出届は郵送でも出せますが、注意点が満載なので、役所に無理なく行ける人は役所に行くべきです。
このページでは、役所の窓口で6年間働き、個人的にも4回以上引越しを経験してきた筆者が、転出届の郵送の注意点や方法について下記の流れで紹介します。
全て読めば、転出届は郵送で出せるか、どうやって郵送すべきかから、郵送時の注意点までわかり、転出届の郵送で失敗することがなくなるでしょう。
1. 転出届の郵送前に知っておくべき4つの注意点
転出届は郵送で提出することが可能です。
ただし、以下の注意点があるため一部の人にしか推奨できない方法です。
- 郵送用紙は自分でプリントアウトする必要がある
- 切手代は自己負担、返送用封筒にも切手を貼る必要がある
- 処理が終わるまでに1週間程度時間がかかる
- 転入届は郵送ができない
以上を踏まえ、転出届の郵送を検討していいのは、役所の遠くに引越した場合など「役所に行くのが困難」な方だけです。
注意点を1つずつ紹介しますから、必ず納得した上で実施しましょう。
1-1. 郵送用紙は自分でプリントアウトする必要がある
窓口で出す場合は、窓口に用紙がありますが、郵送で送る場合は、以下のような専用の用紙を自分でプリントアウトする必要があります。
引用:東京都新宿区
プリンターがない場合は、漫画喫茶・職場などプリンターが使える場所で印刷する必要があります。
その他、身分証明書などをコピーする必要もあり、プリンターが使えない方は郵送するのが大変です。
コンビニも一応使える
身近にプリンターがない方は、以下のようなコンビニでもプリントアウトできます。
ただ、USBメモリーなどに入れて持っていくか、事前にアプリなどを使って用紙をインターネット上に登録するなど手間がかかるので役所に行った方が早いです。
役所には印刷された用紙が置いてあります。
1-2. 切手代は自己負担、返送用封筒にも切手を貼る必要がある
郵送ですから、もちろん切手代はかかります。
転出届自体を送るだけなら84円ですが、個人情報満載の用紙や保険証などを送るので、以下のように「特定記録」か「簡易書留」で送るべきです。
特定記録 | +160円 | 出した記録が残る郵便 |
簡易書留 | +320円 | 手渡しして、サインをもらえる郵便 |
上記どちらかは、郵便局で出す必要があり、役所の窓口に行くのと同じくらいの手間がかかってしまいます。
また、急いでいる場合は速達で送る必要があり、その場合はさらに+290円となり金銭的には高くなります。
返信用封筒にも切手が必要
マイナンバーカード(もしくは住民基本台帳カード)を持っていない方の場合、役所から「転出証明書」をもらい、引越し先の役所に出さなくてはいけません。
転出証明書を送り返してもらうための封筒もあなたが用意し、一緒に送る必要があります。
その際、返信用封筒にも切手を貼らなければならず、上記の金額分(84円+オプション代)の切手を貼らなくては行けません。
1-3. 処理が終わるまでに1週間程度時間がかかる
郵送の場合、不備がなくても転出届の処理が終わり、返送されるまでに1週間程度かかります。
そして、転出証明書をもらった上で、転入届を引越しから14日以内に出さなければならず、返送を待っていると間に合わない可能性があります。
余裕を持って、引越しから1週間以内にはポストに入れるべきで、その場合でも不備があったら14日以内に間に合わないこともあります。
14日以内に届出ができないと、罰金などになる可能性もあるので、直接窓口に行った方が確実です。
1-4. 転入届は郵送ができない
転出届を出した後は、引越し先の役所で「転入届」を出す必要がありますが、こちらは郵送はできないので注意しましょう。
転出届は引越し後も出せるため、遠方に引越した方のために郵送でも受け付けています。
一方、転入届は引越し後(=役所の近くに引っ越してきた後)にしか出せないので、郵送を許可している自治体はありません。
転出届を無理して郵送で出しても、結局引越し後に新住所で役所にいかなければいけません。
また、「転出届」「転入届」で封筒や用紙をまとめて用意することもできません。
可能であれば転出届は役所で出そう
以上のように転出届の郵送は面倒なことが多く、おすすめしにくい方法です。
そもそも「郵送」は、遠くに引越した人のための救済のような役割で、役所の近くに住んでいる方にとっては使いにくいです。
足腰が悪い方も、郵便局などに行く必要はあるため、完全に家にいながら出せるものではないことに注意しましょう。
2. 転出届を郵送で送るための手順や書き方
それでも郵送で送りたい方、遠方で郵送でしか送れなさそうな方に向けて郵送で送るための手順を以下の流れに合わせ紹介していきます。
- 郵送用紙を印刷する
- 必要な書類を集める
- 転出届に記入する
- 封筒に宛先を書く
- 返信を受ける(マイナンバーカードがない方)
1つずつ具体的な方法や注意点を解説します。
2-1. 郵送用紙を印刷する
まずは郵送用の用紙を各自治体のホームページから印刷します。
特に指定がない場合、A4サイズで、通常のコピー用紙で印刷すれば問題ありません。
用紙や、送付先については「自治体名 転出届 郵送」で調べれば出てきますが、人口の多い自治体については下記にまとめました。
他の自治体もホームページで公開しているので、確認し、印刷しましょう。
その際、自治体ごとの細かい提出ルールがないかも確かめておくと安心です。
2-2. 必要な書類を集める
転出届を郵送する際に必要な書類は、用紙以外にもたくさんあります。
まず、必ず必要な書類は以下の通りです。
必ず必要な書類
- 届出をする人の本人確認書類のコピー
- 送るための封筒・切手
本人確認書類として、免許証・パスポート・マイナンバーカードなどの、公的機関が発行した顔写真付きのものをコピーして送りましょう。
また封筒には制限はありませんが、「特定記録」「簡易書留」以外にも、レターパックという追跡ができる封筒を使うのもおすすめです。
やや高いですが、コンビニや郵便局で買うことができ、ポストに入れれば送れます。
レターパックプラス | レターパックライト |
520円 | 370円 |
手渡しし、受領印をもらってくれる | 郵便受けにいれてくれる |
場合によっては必要な書類
その他、場合によっては下記の書類を同封する必要があります。
特に、「返信用封筒」は多くの方が必要になるので、マイナンバーカードを発行していない方は、必ず同封しましょう。
返信用封筒 | マイナンバーカードを持っていない(発行していない)場合 |
国民健康保険証 | 国民健康保険に加入している人 |
印鑑カード | 印鑑登録をしている人(自治体によって、返却が不要なケースもある) |
介護保険被保険者証 | 介護保険を受給している人 |
助成金の資格証 | 自治体の助成金をもらっている人 |
返信用封筒に関して、レターパックを入れておいても問題ありません。
また、返信用封筒以外の書類は役所に返すものですが、返さなくてもいい自治体もあります。
送れば破棄してくれる可能性が高いですが、送っていいのか心配なら事前に確認しておきましょう。
2-3. 転出届に記入する
次に転出届に記入をします。
間違えると手続きに時間がかかるので、正確に記入しましょう。自治体ごとに用紙は違いますが、書くべき内容はほぼ同じです。
ここでは具体的な事例をもとに書き方を紹介します。
引用:熊本県熊本市
上記見本の①~⑥の項目についてそれぞれの項目で何を書くべきか、紹介します。
①届け出を出す人の情報
まず、届け出をする人の情報(氏名、連絡先)を記入します。
そして、実印ではなくてもいいですが、印鑑を押します。
連絡先に関しては、不備があった場合、確実に対応できるよう、日中に出られる番号を書いておきましょう。
②郵送用のチェック項目
自治体によっては、郵送時、間違いがないようにチェック項目を作っているものもあります。
封筒に入れる直前に埋めるといいでしょう。
また、マイナンバーを使った転出(特例転出)かを確認する項目がある自治体もあります。
マイナンバーカード(もしくは住民基本台帳カード)を持っていて返信用封筒を入れない方はチェックを入れましょう。
③引越し日、予定日
日にちに関しては以下の通りに記載します。
- 引越し日:生活の拠点が変わる日(引越し後の方は変わった日)
- 届け出日(あれば):転出届をポストに入れる日にち
④引越す人全員の情報
引越しをする人全員の名前を書きます。そのため、家族分をまとめて提出する場合は以下の情報を書けるようにしておきましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 世帯主との続柄(本人、夫、妻、子など)
- 学校・学年(自治体によって必要)
⑤引越し前後の住所情報
今の住所、新しい住所とその世帯主を書きます。
実家にいて、世帯主がわからなければ事前に両親に確認しましょう。
また、一人暮らしの場合は世帯主はあなたになり、これから一人暮らしを始める方も「新しい住所」の世帯主はあなたです。
⑥本籍、筆頭者
自治体によっては、用紙に「本籍」「筆頭者」の記載を求められます。
これらは結婚した時に決めるもので、「今の住所」や「世帯主」がそれぞれ「本籍」や「筆頭者」ではない可能性があります。
結婚している方は婚姻するときに定めたもので、未婚の方は下記の可能性が高いです。
本籍 | 実家 |
筆頭者 | 両親のうち、結婚した際に、苗字を使われた方が筆頭者 離婚や筆頭者が死亡しても変更されない |
わからなければ両親などに聞いておきましょう。
2-4. 封筒に宛先を書き送る
「市区町村名+転出届+郵送」で検索すると、自治体ごとに郵送先が出てきますので、封筒にはその住所を書きます。
書き方のポイントとしては以下の通りです。
- 役所の担当名に「御中」をつける
- 切手を貼る(84円、書留などの場合は別料金)
- スムーズに処理してもらえるよう、赤字で「転出届在中」と書く
- 裏面に届かなかったときの返送先を書く
これで必要書類を入れてポストに投函すれば大丈夫です。
特定記録郵便・簡易書留などを出す場合は、郵便局へ行き、送ります。
速達を出す際は、郵便番号の上を赤く塗り、+290円余分に切手を貼り、ポストに入れましょう。
返信用封筒の書き方
マイナンバーカードを持っていない場合、自治体から返信してもらう用の封筒も転出届と一緒に封筒に入れましょう。
切手(84円)を貼り、新住所か旧住所で送って欲しい住所を書きましょう。
自分宛なので「行」をつけ、裏面は自治体の指定がある場合以外何も書かなくて大丈夫です。
返信用封筒にはいくらの切手を貼るべき?
244円(普通郵便84円+特定記録郵便160円)を必須にしている自治体が一部あるので、迷ったら244円を貼り、「特定記録郵便」と書いておきましょう。
自治体ごとの郵送の案内の中に、推奨している金額などが書かれているので、確認すると確実です。
2-5. 返信を受ける(マイナンバーカードがない方)
マイナンバーカード(住民基本台帳カード)を持っておらず、返信用封筒を入れた方は、「転出証明書」が届くので、それを使って、転入届を出すことになります。
受け取ったら保管し、引越し日の14日以内にそれを持って転入届を出しにいきましょう。
3. 転出届について知っておくべきこと
郵送の注意点や方法以外に、転出届について知っておくべき、以下のポイントについて紹介していきます。
- そもそも転出届が必要な人
- いつからいつまで出せるか
- 家族の分はまとめて出せるか
- 世帯の人以外(代理人)にはお願いできるか
- 郵送ではない場合どこで出せばいいか
3-1. そもそも転出届が必要な人
市区町村の外に引越す人だけで、そもそも転出届を出さなくてもいい人もいます。
具体的には下記の2パターンで、当てはまれば引越し前の市区町村の役所に対してすべき手続きはありません。
- 同じ市区町村内で引越す方
- 政令指定都市内で「区」が変わる方
同じ市区町村内で引越す方
「転出届」は住んでいる市区町村に「出ていきます!」と申告するためのものですから、市区町村が変わらない場合は不要です。
引越し後14日以内に、「転居届」を出して、「自治体内で引越しました!」と申告をすれば問題なく、転出届は不要です。
政令指定都市内で「区」が変わる方
下記の政令指定都市内で引越し、区が変わるだけの場合は、引越し先の区役所で「転入」手続きをすれば転出の手続きは不要です。
北海道札幌市/宮城県仙台市/埼玉県さいたま市/千葉県千葉市/神奈川県横浜市,川崎市,相模原市/新潟県新潟市/静岡県静岡市,浜松市/愛知県名古屋市/京都府京都市/大阪府大阪市,堺市/兵庫県神戸市/岡山県岡山市/広島県広島市/福岡県北九州市,福岡市/熊本県熊本市
例えば、大阪市福島区→大阪市天王寺区などで、この場合は転出届などの、引越し前の役所の手続きは不要です。
引越ししてから14日以内に引越し先の区役所に行きましょう。
3-2. いつからいつまで出せるか
引越し日(生活の拠点が変わる日)の前後14日です。
ただし、転出届を出した後でないと転入届が出せないことに注意しましょう。
転入届を出すことを踏まえて、転出届を出す必要があります。
3-3.家族の分はまとめて出せるか
15歳以上であれば、同じ世帯の人の分の手続きは特に書類も必要なく、代理でできます。
世帯全員で引越す場合は誰かがまとめてできますから、「世帯の誰かが行く」と考えておけば間違いありません。
マイナンバーカードがあれば、全員分持っていきましょう。
3-4. 世帯の人以外(代理人)にはお願いできるか
不可能ではありませんが、下記の注意点がありますので、郵送と同じく、どうしても行けない場合だけ検討しましょう。
- 各自治体決められた委任状を手書きで書く必要がある(フォーマットは「〇〇市 委任状」で検索)
- 必要な個人情報を全て伝えておく必要がある
自治体ごとのルールもありますので、一度役所に電話し「代理で手続きをお願いしたい」と相談しましょう。
3-5. 郵送ではない場合どこで出せばいいか
本来、転出届は、引越し元の自治体の役所や支所(事務所)で出す必要があります。
「自治体名+転出届」などで検索すれば窓口は出てきます。
別の市区町村へ行く下記のケースでは、引越し元のA市役所で「転出届」を出し、引越し先のB市役所で「転入届」を出す必要があります。
市区町村内の引越しで「転居届」を出す場合は、現在住んでいる市区町村の役所の窓口で対応してもらえます。
4. 引越し時、役所でやるべき手続きまとめ
転出届以外に、通常の引越し時、役所などですべき手続きはたくさんあります。
郵送する方は、このページを参考に転出書類と一緒に、必要書類を送れば引越し前の役所での手続きは終わります。
直接役所に行く方は、必要な手続きを確認し、実施しましょう。
また、引越し先の役所での手続きや警察署などでの手続きは郵送ができないので注意しましょう。
4-1. 引越し前の役所ですべき住所変更
市区町村が変わる方は、引越し前の役所で、下記の手続きをする必要があります。
手続き | 転居 | 転出 | やるべき人 | |
□ | ①転出届の提出 | – | ◎ | 違う市区町村に引越しをする人 |
□ | ②印鑑登録の抹消 | – | ○ | 違う市区町村に引越しをする人で、印鑑登録をしている人 |
□ | ③国民健康保険の手続き | – | ○ | 国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ④児童手当の住所変更 | – | ○ | 児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ⑤介護保険被保険者証の返納 | – | ○ | 要支援・要介護の認定を受けている方で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ⑥原付の廃車手続き | – | ○ | 原付を持っていて、他の市区町村に引越す方 |
- 「転居」=同一市区町村内、「転出」=別の市区町村への引越し
- 「◎」=全ての人がすべき、「○」=一部の人がすべき、「-」=不要
郵送でもできますが、上記の抜け・漏れがないよう、直接窓口にいくことを推奨します。
窓口に持って行くものとしては下記のものに加え、それぞれの申告に必要な+αのものです。
- 本人確認証(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード)
- 印鑑
基本的に役所に用紙があり、役所に行けば窓口も教えてくれるので、まずは何の手続きが必要で、何を持っていくべきか、この章で確認しましょう。
同一市区町村内で転居する方は、ここでは手続きせず、転居後に「4-2. 引越し後に役所ですべき手続きリスト」の手続きを行えば問題ありません。
①転出届の提出
やるべき人 | 違う市区町村に引越しをする人 |
やること | 役所の窓口、もしくは郵送で転出の届け出をする |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認証(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード) □印鑑 □(マイナンバーカード) |
その市区町村から出て行くことを、役所に届け出ます。
役所に用紙があるので、直接行けば書き方も教えてもらえます。東京都中央区の例ですと、下記のような用紙で、「住民異動届」という名前の用紙になっていることが多いです。
引用:東京都中央区ホームページ
ここで転出証明書をもらって、それを次の役所に提出することになります。
また、マイナンバーカードを提出すれば、転出証明書を省略できますので、お持ちの方は持っていきましょう。
②印鑑登録の抹消
やるべき人 | 違う市区町村に引越しをする人で、印鑑登録をしている人 |
やること | 役所の窓口で、印鑑登録の抹消を行う |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認証 □登録している印鑑 □印鑑カード |
印鑑登録は市区町村ごとに行っているので、転出するときは今の市区町村の窓口で「印鑑登録廃止申請書」を提出し、登録の抹消をしておきます。
ただし、自治体によっては転出届を出せば、印鑑登録が自動的に抹消されるところもあります。転出届を出す際に確認してみましょう。
郵送でない場合は、返却が必要か窓口で聞けるので、無駄に送ることがなくなります。
③国民健康保険の手続き
やるべき人 | 国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、資格喪失の手続きを行い、保険証を返還する |
必要なもの | □国民健康保険証(転出する家族全員分) □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
国民健康保険に加入している方(主に自営業の方など職場の健康保険に加入していない方)は、引越す際に今の自治体で資格喪失の手続きが必要です。
転出後14日以内に行えば問題ありませんが、転出届などと一緒にやってしまえば楽なので、役所に行ったタイミングで手続きしましょう。
④児童手当の住所変更
やるべき人 | 児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、児童手当受給事由消滅届を提出 |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
今と違う市区町村に引越す方は、今の自治体からの支給を止めるために「児童手当受給事由消滅届」を提出します。引越し後15日以内に行えばいいですが、こちらも引越し前のこのタイミングで行なっておくとスムーズです。
引越し先で再度申請が必要ですが、その際「課税証明書」などの年収を証明する書類が必要なケースがあるため、このタイミングで取得しておいた方がスムーズです。
引越し先によってはこの手続き自体が不要なこともあるので、役所に行く前に引越し先の自治体に必要な手続きや書類などを確認しておきましょう。
⑤介護保険被保険者証の返納
やるべき人 | 要支援・要介護の認定を受けている方で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、資格喪失手続きを行い、「介護保険受給資格証」をもらう |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □介護保険被保険者証 |
介護保険の給付も次の住所でも引き継げます。役所に、介護保険被保険者証を返納し、資格喪失の手続きをします。
その際、「介護保険受給資格証」を受け取って、転居先の役所行った際に手続きを行います。(自治体によっては受給資格証を発行しておらずマイナンバーでの手続きになります。)
⑥原付の廃車手続き
やるべき人 | 原付を持っていて、他の市区町村に引越す方 |
やること | ナンバープレートを返却し、廃車申告受付証をもらう |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □ナンバープレート □印鑑 □標識交付証明書(ある場合) |
別の市区町村へ引越す場合は、引越し前に役所にナンバープレートを返却し、廃車申告受付証をもらいます。
引越し先で必要ですので、廃車申告受付証は無くさないようにしましょう。
引越し先まで原付で行く方は要注意!
ナンバープレートを返すと、公道を走れなくなります。
引越し先まで原付で行きたいという方は、引越し前には手続きをせず、引越し先で廃車と登録の手続きを一緒に行います。
郵送で転出する方も手続きは転入後に行いましょう。
4-2. 引越し後に役所ですべき手続きリスト
下記の12個は引越したらなるべく1週間以内、遅くても14日以内に引越し先の役所などでしておくべき手続きです。
やること | 転居 | 転出 | やるべき人 | |
□ | ①転入届の提出 | – | ◎ | 他の市区町村から引越してきた人 |
□ | ②転居届の提出 | ◎ | – | 同一の市区町村で引越しを行った人 |
□ | ③印鑑登録 | – | ○ | 印鑑登録が必要な人 |
□ | ④国民健康保険の住所変更 | ○ | ○ | 国民健康保険に加入している人 |
□ | ⑤国民年金の住所変更 | ○ | ○ | 自営業や無職の人 |
□ | ⑥マイナンバーの住所変更 | ◎ | ◎ | 全ての人 |
□ | ⑦妊婦健康診査受診票の交換 | – | ○ | 妊娠中や出産後の人で、別の市区町村から引越してきた人 |
□ | ⑧児童手当の申請/住所変更 | – | ○ | 児童手当を受け取っている人 |
□ | ⑨転校手続き | ○ | ○ | お子さんが転校する方 |
□ | ⑩介護保険の申請/住所変更 | – | ○ | 要介護・支援認定を受けている場合 |
□ | ⑪犬の住所変更手続き | ○ | ○ | 犬を飼っている方(猫の場合は不要) |
□ | ⑫原付の住所変更 | – | ○ | 原付を持っている人で他の市区町村から引越して来た人 |
- 「転居」=同一市区町村内、「転出」=別の市区町村への引越し
- 「◎」=全ての人がすべき、「○」=一部の人がすべき、「-」=不要
これらは郵送することができず、直接役所に行く必要があります。
法律で期限が決められた手続きもあり、忘れると罰則を受ける可能性があるので、確実に行なっておきましょう。
持って行くものとしては下記のものに加え、それぞれの申告に必要な+αのものです。
- 本人確認証(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード)
- 印鑑
代理で手続きを行いたい場合は委任状や代理人の本人確認書類・印鑑などが必要です。事前に役所に自治体ごとのルールを確認しておきましょう。
①転入届の提出
やるべき人 | 他の市区町村から引越してきた人 |
やること | 新住所の役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □転出証明書(転出時にマイナンバーカードを使った人はマイナンバーカード) □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
引越し前の自治体でもらった「転出証明書」を持って、引越しから14日以内に新住所の役場の窓口に行きます。
転入届は役所に置いてありますから、それを書いて、窓口に行けば受け付けてくれます。
また、免許証の住所変更などに住民票があると便利なので、1~2枚発行しておいてもいいでしょう。
②転居届の提出
やるべき人 | 同一の市区町村内で引越しを行った人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
同一の市区町村内で引越しを行う人は、引越してから14日以内に転居届を出します。
転居届は役所に置いてありますから、それを書いて、窓口に行けば受け付けてくれます。
また、免許証の住所変更などに住民票が必要ですので、ここで2~3枚発行しておきましょう。
横浜市、大阪市など「政令指定都市内」で区が変わった人だけは例外で、新住所の区役所に転入届を出す必要があります。
この際、転出届は不要です。
③印鑑登録
やるべき人 | 印鑑登録を今までもしていた人で市区町村を変えた人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 □登録料(50円前後、自治体による) |
必須ではありませんが、今まで印鑑登録をしてきた人で、市区町村が変わった方は、合わせてここで印鑑登録をしておきましょう。
④国民健康保険の住所変更
やるべき人 | 国民健康保険に加入している人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | <別の市区町村から引越してきた人> □窓口に行く人の本人確認書類 □転出証明書(転出時にマイナンバーカードを使った人はマイナンバーカード) □印鑑 □キャッシュカードか通帳+銀行印(一部の自治体で必要) <同じ市区町村内での引越しの人> □転居する全員の健康保険証 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
会社員でない人(自営業者、フリーランス、農林漁業の方、無職の方)は健康保険の手続きをしておきましょう。
引越してから14日以内に上記の書類を持っていけば、役所の窓口で手続き可能です。
⑤国民年金の住所変更
やるべき人 | 自営業や無職の人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □加入している人全員分の国民年金手帳 □印鑑 |
会社員でない人(自営業者、フリーランス、農林漁業の方、無職の方)は国民年金の手続きも必要です。
引越し元での手続きは必要ありませんが、同一市区町村内での転居の方も、別の市区町村から転入した方も、上記書類を持って、窓口に行きましょう。
⑥マイナンバーの住所変更
やるべき人 | 全ての人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □同一世帯全員分のマイナンバーカード □印鑑 |
引越してから14日以内にマイナンバーの変更手続きも必要です。
転入届や、転居届を出す際に、印鑑と、同一世帯全員分のマイナンバーカードを持っていきましょう。
引越しから90日、住所変更をしていないと、失効してしまい再発行料(1,000円)が必要になります。
緑色の通知カードを持っていて、マイナンバーカードを発行していない場合は手続きは不要です。
⑦妊婦健康診査受診票の交換
やるべき人 | 妊娠中や出産後の人 |
やること | 新しい住所の妊婦健康診査受診票などを交換する |
必要なもの | □母子手帳 □未使用の検診補助券 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
母子手帳は引越ししても手続きは不要ですが、下記は新しい自治体のものと交換しておきましょう。
- 妊婦健康診査受診票
- 妊婦超音波検査受診票
- 妊婦子宮頸がん検診受診票
東京都内の方は、そのまま使えるケースもありますが、このタイミングで確認しておきましょう。
母子手帳と、古い自治体でもらった上記受診票を持って窓口に行きましょう。
⑧児童手当の申請/住所変更
やるべき人 | 児童手当をもらっている人 |
やること | 児童手当認定請求書(他の自治体からの転入時)/変更届け(自治体内での引越し時)を提出する |
必要なもの | □請求者の口座情報がわかるもの(通帳など) □請求者の課税証明書 □請求者の健康保険証のコピー □印鑑 |
別の市区町村から引越してきた方は、必ず15日以内に区役所で児童手当認定請求申請を行いましょう。
上記を持っていけば手続きはできますが、自治体によって必要書類が変わるので、事前に電話などで確認しておくと確実です。
同一市区町村内での引越し時は届出が必要な自治体もあるため、転居届提出時に確認しましょう。
⑨学校の転校手続き
やるべき人 | お子さんが転校する方(公立の小中学校の場合) |
やること | 役所の窓口で書類をだし、「転入学通知書」をもらう |
必要なもの | □在学証明書(前の学校でもらえる) □教科書給与証明書(前の学校でもらえる) |
私立に転校するお子さん、高校生のお子さんは、学校ごとのルールや手続きを事前に希望する学校に問い合わせて手続きを行いましょう。
公立の小中学校に転校する場合は、引越し先の区役所での手続きが必要になります。
転入手続きをする際に区役所の窓口で、前の学校でもらった、以下の書類を提示すると、「転入学通知書」を受け取れます。
- 在学証明書
- 教科書給与証明書
この3つの書類を新しい学校に持っていけば、転校手続きができます。
⑩介護保険の申請/住所変更
やるべき人 | 要介護・支援認定を受けている人 |
やること | 区役所で「介護保険受給資格証」を提出し、再度認定を受ける (同一区内、政令指定都市の場合は住所変更を行う) |
必要なもの | □介護保険受給資格証 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
転入日から14日以内に、引越し元で受け取った「介護保険受給資格証」を持参し、引越し先の役所の窓口で介護認定の申請をしましょう。
14日を過ぎると介護認定の新規申請をしなければいけなくなり、手間がかかります。
また、同じ自治体内で引越す方は、「住所変更」が必要ですので転居届などを出すときに「介護保険受給資格証」を持っていき確認しましょう。
⑪犬の住所変更手続き
やるべき人 | 犬を飼っている方(猫の場合は不要) |
やること | 役所や保健所で、ペットの登録住所の変更を行う |
必要なもの | □鑑札 □窓口に行く人の印鑑 |
転出前の自治体、(市区町村内で転居の場合今の自治体)で交付された「鑑札」を持って役場や保健所へ行きます。
窓口や、狂犬病予防注射済票の要否など自治体によって異なるので、「ペット 引越し xx市」などで調べてから行きましょう。
「鑑札」を無くしてしまった場合の対応も、市区町村によって異なるので、なくした方は問い合わせてみましょう。
国から指定された特定動物を飼っている方へ
トラ、ワニなど特定動物に指定されているペットを飼っている方は、動物種・飼養施設ごとに都道府県知事などの許可が必要です。
引越しの際は手続きが必要か、各自治体に問い合わせておきましょう。環境庁:「特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について」
⑫原付の住所変更
やるべき人 | 原付を持っている人で別の市区町村から引越して来た人 |
やること | 役所で前の自治体の廃車申告受付証を提出し、ナンバープレートをもらう |
必要なもの | □廃車申告受付証 □ナンバープレート(原付で移動してきた人) □標識交付証明書(原付で移動してきた人) □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
原付に関して、同一市区町村内で引越しをする場合は、転居届を出せば、手続きは不要です。
ただ、ごく一部の自治体では自治体内での転居でも、標識交付証明書やナンバープレートを提出し、手続きが必要です。標識交付証明書を持ち原付で手続きに行くか、事前に引越し先の役所に問い合わせておきましょう。
別の自治体から引越してきた方は、前の住所の役所でもらった「廃車申告受付証」を新住所の役所に提出します。印鑑や本人書類を持っていきましょう。標識交付証明書とナンバープレートがもらえます。
また、原付で引越し先まで移動してきた人は、今まで使っていたナンバープレート/標識交付証明書を提出すれば新しいナンバープレートを受け取れます。
4-3. 警察署などですべき住所変更
役所以外でも警察署などで以下の手続きが必要です。
やること | 転居 | 転出 | やるべき人 | |
□ | ①免許証の住所変更 | ○ | ○ | 免許証を持っている人 |
□ | ②車庫証明書の申請 | ○ | ○ | 自動車を持っている人 |
□ | ③自動車の住所変更手続き | ○ | ○ | 自動車を持っている人 |
□ | ④バイクの住所変更手続き | ○ | ○ | バイクを持っている人 |
これらも郵送ではできないので、役所に行った帰りに寄れるとスムーズです。
①免許証の住所変更
やるべき人 | 免許証を持っている人 |
やること | 警察署・もしくは免許センターや免許試験場で変更手続きを行う |
必要なもの | □運転免許証 □申請用写真(都道府県が変わる場合) □新住所が証明できるもの(住民票・マイナンバーカード・消印付き郵送物など) □印鑑 |
役所の帰りに、新住所の警察署や免許センターに寄って、免許証の住所を変更しておきましょう。
用紙は上記施設にありますので、必要書類を持っていけば受け付けてくれます。
受け付けてくれる場所は「免許証 引越し先のエリア名」などで検索すれば出てきます。
②車庫証明書の申請
やるべき人 | 自動車を持っている人 |
やること | 警察署で必要書類の記入・手続きを行う |
必要なもの | □車検証 □保管場所使用権原疎明書面(自分の土地を使用する場合) □保管場所使用承諾証明書(駐車場を借りて利用する場合) □賃貸借契約書(駐車場を借りて利用する場合) |
二輪の小型自動車などを除くすべての自家用車で車庫証明が必要ですが、その住所変更も警察署で免許証と一緒にしておきましょう。
下記の書類が警察署にありますので、スムーズに書けるように車検証などを準備しておきましょう。各都道府県の警察署ホームページからもダウンロード可能です。
- 保管場所証明申請書
- 保管場所標章交付申請書
- 車庫の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面(自分の土地を使用する場合)
また、駐車場を借りて利用する場合は保管場所使用承諾証明書または賃貸借契約書が必要です。
③自動車の住所変更手続き
やるべき人 | 自動車を持っている方 |
やること | 運輸支局で必要書類の記入・手続きを行う |
必要なもの | □車検証 □住民票(発行3ヶ月以内) □自動車保管場所証明書(証明の日から40日以内) □印鑑 |
運輸支局等(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で自動車の住所変更を行います。上記の書類を持って申請に行きましょう。
申請書や納付書が申請先にありますので、それを利用することもできますし、上記運輸支局のホームページからダウンロードも可能です。
また、管轄が変わり、ナンバープレートが変わる場合はナンバープレートが必要です。変わるのか分からなければ事前に問い合わせをしておきましょう。
④バイクの住所変更
やるべき人 | バイクを持っている方 |
やること | バイクの種類に応じて運輸支局で手続きを行う |
必要なもの | バイクの種類による |
バイクに関しては、排気量で手続きが変わりますので、下記のように排気量に合わせて手続きを行いましょう。
ナンバーが変更になるか、何を持っていけばいいか、事前に新住所を管轄する陸運支局に確認してから行くとスムーズです。
排気量126cc~250ccの場合
新しい住所の運輸支局へ下記の書類を持っていき、手続きを行います。
- 軽自動車届出済証(無くした場合は旧住所の運輸支局で再発行)
- 自動車損害賠償責任保険証書
- 軽自動車税申告所
- 新しい住所の住民票
- 印鑑
- 外したナンバープレート(管轄が変わる場合)
同じ管轄内での引越しでも手続きが必要で、運輸支局で申請書を購入、提出することにうなります。また、ナンバープレートを交換する場合は交付代が600円程度かかります。
排気量251cc以上の場合
新しい住所の運輸支局へ下記の書類を持っていき、手続きを行います。
- 自動車検査証(無くした場合は旧住所の運輸支局で再発行)
- 新しい住所の住民票
- 印鑑
- 外したナンバープレート(管轄が変わる場合)
同じ管轄内での引越しでも手続きが必要で、運輸支局で申請書を購入、手数料納付書と合わせて提出することになります。また、ナンバープレートを交換する場合は交付代が600円程度かかります。
5. まとめ
転出届の郵送について紹介してきましたが、いかがでしたか?
転出届は郵送でも手続き可能ですが、以下の注意点があります。
- 郵送用紙は自分でプリントアウトする必要がある
- 切手代は自己負担、返送用封筒にも切手を貼る必要がある
- 処理が終わるまでに1週間程度時間がかかる
- 転入届は郵送ができない
一部の人にしかおすすめできず、無理せず役所に行けるのであれば、直接行ってしまった方が手続きは簡単です。
このページがあなたの住民票関連の手続きのお役に立てることを心から祈っています。