転居届の完全ガイド|必要な手続き・持ち物から郵便局の手続きまで
「引越す時に、転居届は出すべき?」「転居届の手続きはどこで何をしたらいいの?」など転居届の手続きは必要か、具体的に何をすべきか気になっていませんか?
転居届は「同じ市区町村の中で引越す方」が住んでいる自治体の役所で出す届け出で、忘れると罰金を取られることがあります。
このページでは、役所で6年間働き、個人的にも4回以上引越しを経験してきた筆者が、引越し時の転居届に関して知っておくべきことを下記の流れで紹介します。
全て読めば、転居届はどんな場合に出すべきか、どうやって出すべきか、その他引越し時にすべき手続きはあるのかがわかり、転居届で失敗することがなくなるでしょう。
目次
1. 引越しの転居届で知っておくべき6つのこと
転居届は同じ市区町村内で引越すときに「この市区町村の中で住所を変えます」と伝えるための届け出です。
きちんと手続きをしないと、公的な郵便が届かないといった生活の支障があるだけでなく、罰金を取られることもあります。
このページでは転居届について、基本的なことから、細かい疑問まで解説していきますが、失敗しないために知っておくべき以下の6つのポイントをまとめました。
それぞれについて1つずつ丁寧に解説をしていくので、この6点を確認すれば、転居届で失敗することはなくなるでしょう。
1-1. そもそもどんな人が出すべきか
転居届が必要なのは、同じ市区町村の中で引越す人だけで、そもそも転居届を出さなくてもいい人もいます。
具体的には下記の2パターンで、当てはまれば出すべきなのは転居届ではありません。
- ①別の市区町村へ引越す方
- ②政令指定都市内で「区」が変わる方
①別の市区町村内へ引越す方
「転居届」は住んでいる市区町村に「自治体の中で住む場所を変えます」と申告するためのものですから、市区町村が変わる場合は別の手続きが必要です。
A市からB市に引越す下記のケースでは、A市の役所に「転出届(出ていきますという届)」、B市の役所に「転入届(これからこの市区町村で住みますという届)」を出すことになります。
転居届は1回で済みますが、別の市区町村に行く場合2回の手続きが必要だということを意識しておきましょう。
②政令指定都市内で「区」が変わる方
下記の政令指定都市内で引越し、区が変わる場合は、転居届ではなく、引越し先の区役所で「転入届」の提出が必要です。
北海道札幌市/宮城県仙台市/埼玉県さいたま市/千葉県千葉市/神奈川県横浜市,川崎市,相模原市/新潟県新潟市/静岡県静岡市,浜松市/愛知県名古屋市/京都府京都市/大阪府大阪市,堺市/兵庫県神戸市/岡山県岡山市/広島県広島市/福岡県北九州市,福岡市/熊本県熊本市
例えば、大阪市福島区→大阪市天王寺区などで、この場合は転出届などの、引越し前の役所の手続きはせずに、引越し後に区役所で「転入届」を出すことになります。
1-2. いつからいつまでに出すべきか
転居届は引越し日(生活の拠点が変わる日)から、その14日後までに提出することが必要です。
「転出届」とは出すべき期間がかわるので、注意しましょう。
1-3. どこで手続きをすべきか
転居届の手続きは住んでいる自治体の役所や支所(事務所)などの窓口で行います。
「自治体名+転居届」などで検索すれば窓口は出てきます。
転出届は引越し元の役所、転入届は引越し先の役所で行います。
1-4. 手続きには何が必要か
3つの手続きで、それぞれ持っていくべきなのは以下の書類です。
同じ市区町村内での引越し | 転居届 | ・窓口に行く人の本人確認書類 ・印鑑 ・マイナンバーカード(ある人のみ、家族全員分) |
別の市区町村内への引越し | 転出届 | ・窓口に行く人の本人確認書類 ・印鑑 ・マイナンバーカード(ある人のみ、家族全員分) |
転入届 | ・窓口に行く人の本人確認書類 ・印鑑 ・マイナンバーカード(ある人のみ、家族全員分) ・転出証明書(前の市区町村でもらった人) |
専用の用紙は役所の窓口にあり、書き方などがわからなければ教えてもらえます。
東京都中央区の例ですと、下記のような用紙で、「住民異動届」という名前の用紙になっていることが多いです。
引用:東京都中央区ホームページ
マイナンバーカードは必要?
マイナンバーカードが手元にある場合、マイナンバーカードも住所変更手続きをしないと失効してしまうので、合わせて手続きましょう。
マイナンバーカードは身分証としても使えるので、マイナンバーカード+印鑑でも転居届の手続きは可能です。
マイナンバーカードも手続きしたい場合は、手続きする家族全員分のマイナンバーカードを持っていきましょう。
その他、転居届などを出す際は、役所で引越し時すべきことが他にもあります。
そのため、一例ですが以下のような、上記以外の書類も持っていくとまとめて手続きできます。
- 年金手帳(自営業や無職の方)
- 保険証(国民健康保険に加入している方)
状況別にどんな手続きが必要か、何を持っていけばいいかは「4. 住民票の手続き以外に役所ですべき手続きリスト」でまとめています。
必要な情報は?
自治体によって用紙は違いますが、以下の情報があれば埋められるでしょう。
- 引越す人全員の生年月日、性別、世帯主との関係、職業、学年
- 引越す人の本籍・筆頭者
- 届出をする人の氏名、連絡先
- 今までの住所、新しい住所とそれぞれの世帯主(単身ならあなた)
- 引越し日(予定日)
1-5. 家族の場合、誰が役所に行けばいいのか
世帯の中の1人(15歳以上)が行けば、世帯全員分の手続きができます。
同じ世帯の方であれば、委任状も必要なく、代わりにまとめて手続きができるのです。
同じ世帯ではない家族は、原則「代理人」の手続きになり、委任状が必要ですが、ごく一部の自治体では委任状不要で手続きを認めています。
事情があれば役所に電話して聞いてみましょう。
世帯全員で引越さないときの注意点
世帯の中で一部の人しか引越さない場合は注意が必要で、「世帯主」「引越す人」以外の手続きは委任状を求めてくる自治体がまれにあります。
具体的に言うと、以下の世帯で「子」だけが引越す場合に、「引越しする人」「世帯主」どちらにも当てはまらない「妻」が代わりに手続きする場合です。
ほとんどの自治体では、このケースでも委任状を不要にしていますが、ごく一部の自治体で必要です。全員で引越すわけではない場合、「引越しする人」「世帯主」以外が行くケースは問い合わせておくと確実です。
1-6. 転居届はどうやって書けばいいのか
各自治体内容が違いますが、役所に見本が置いてありますし、わからない箇所は教えてもらえます。
ただ、事前に書き方を知りたい方のために、2つの自治体の用紙を使いながら、書き方について解説します。
家族で引越しをする場合(東京都中央区の用紙)
引用:東京都中央区
一人暮らしを始める場合(三重県津市の用紙)
引用:三重県津市
自治体によって用紙は違いますが、転居届で書くべきことは①~⑥まで数字をつけた6つの内容です。
- ①引越し日、届け出日
- ②届け出を出す人の情報
- ③届け出の内容
- ④引越し前後の住所情報
- ⑤引越す人全員の情報
- ⑥本籍、筆頭者
それぞれ何をどう書くべきか紹介していきます。
①引越し予定日、届け出日
日にちに関しては以下の通りに記載します。
- 引越し日:生活の拠点が変わった日
- 届け出日:転居届を出す日にち(窓口に行く日)
②届け出を出す人の情報
届け出をする人の情報(氏名、連絡先、引越す人との関係)を記入します。
そして、実印ではなくてもいいですが、印鑑を押します。自治体によっては印鑑が不要なこともあります。
連絡先に関しては、不備があった場合、確実に対応できるよう、日中に出られる番号を書いておきましょう。
③届け出の内容
自治体によっては、東京都中央区のように、「転居届」の用紙で、「転入届」なども出せるようになっています。
その場合、出したい届け出(今回は転居届)を選びましょう。
④引越し前後の住所情報
今の住所、新しい住所とその世帯主を書きます。
実家にいて、世帯主がわからなければ事前に両親に確認しましょう。
また、一人暮らしの場合は世帯主はあなたになり、これから一人暮らしを始める方も「新しい住所」の世帯主はあなたです。
⑤引越す人全員の情報
引越しをする人全員の名前を書きます。そのため、家族分をまとめて提出する場合は以下の情報を書けるようにしておきましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 世帯主との続柄(本人、夫、妻、子など)
- 学校・学年(自治体によって必要)
マイナンバーカードなどを持ってきているかなどの記載を求められることもあります。
⑥本籍、筆頭者
自治体によっては、用紙に「本籍」「筆頭者」の記載を求められます。
記入欄がある自治体でも、「転居届の場合は不要」と書かれている自治体もあるため、記入欄があり、指定がない場合のみ書きましょう。
「本籍」「筆頭者」は結婚した時に決めるもので、それぞれ「今の住所」や「世帯主」ではない可能性があります。
結婚している方は婚姻するときに定めたもので、未婚の方は下記の可能性が高いです。
本籍 | 実家 |
筆頭者 | 両親のうち、結婚した際に、苗字を使われた方が筆頭者 離婚や筆頭者が死亡しても変更されない |
わからなければ両親などに聞いておきましょう。
その他、「児童手当」「医療助成」を受けているか、「国籍」(外国人の方)などその他の項目がある自治体もあります。
ただ、世帯主含め、わからない項目は窓口で書き方を教えてくれます。
2. その他手続きに関してよくある質問とその回答
その他転居届に関してよくある質問に回答していきます。
2-1. 代理人(世帯の人以外)での手続きはできますか?
不可能ではありませんが、下記の注意点があります。
- 各自治体決められた委任状を手書きで書く必要がある(フォーマットは「〇〇市 委任状」で検索)
- 転出届の記載に必要な個人情報を全て伝えておく必要がある
- 自治体によってはホームページに用紙が公開されておらず、「転居届」の用紙を役所に取りに行く必要がある
- マイナンバーカードなどの貴重品を預ける必要がある
どうしても行けない場合だけ検討しましょう。
委任状は具体的にどうやって書くべき?
自治体によって用紙が違いますが、書き方について、「横浜市」の委任状を元に紹介します。
委任状引用元:横浜市
自治体ごとに形は違いますが、書く事は①~④の4項目です。あなたの直筆で、それぞれを埋めます。
①代理人の情報 | 住所や生年月日などお願いする人の情報を書く。 |
②委任する手続き | 「転居届に関すること」と書く 他の手続きも依頼する場合:自治体ごとに1つずつ用紙を分けるパターン、まとめて書けるパターンがある。書く欄に合わせて記入する。 |
③記入日 | 委任状を記入した日を書く。 |
④あなたの情報と印鑑 | あなたの情報(提出時のもの)を書き、印鑑を押す。 |
印鑑は押す欄がなくても、あなたの名前のところに、忘れないように押しておきましょう。
委任状と一緒に持って行ってもらうもの
転出届を委任状で頼む場合、以下の書類を持って行ってもらいましょう。
□代理人の本人確認書類(原本)
□代理人の印鑑
□あなた(頼む人)の本人確認書類(コピー)
□世帯全員分のマイナンバーカード(ある人)
また、先ほど紹介した書くべき情報を、きちんと伝え、スムーズに書いてもらえるようにしましょう。
2-2. 郵送での手続きはできますか?
郵送の手続きは、以下のように「転出届」の場合のみ可能で、転居届は郵送では送れません。
同じ市区町村内での引越し | 転居届 | ×できない |
別の市区町村内への引越し | 転出届 | ○できる |
転入届 | ×できない |
「遠くへ引越してしまったけど、転出届を出していない」という方向けの救済なので、引越し先の役所での手続き(転居届や転入届)は郵送ではできません。
転出届を郵送する手順
転出届を郵送する流れとしては以下の通りになります。
- 自治体のホームページから転出届を探し、プリントする
- 転居届に記載する
- 本人確認書類のコピー、返信用封筒を入れ郵送
返信用封筒は、「転出証明書」などを送り返してもらうためのもので、切手を貼っておく必要があります。
また、マイナンバーカードを本人確認書類にする場合、「転出証明書」自体いらないので、返信用封筒が不要になります。
自治体ごとの細かいルールや郵送先、転出届は「自治体名 転出届 郵送」で調べれば出てきます。
2-3. 転居届は引越し前に出せますか?
出せません。
引越し後のルールで、相談しても受け付けてはもらえません。
2-4. 転居届の提出が遅れるとどうなりますか?
引越ししてから14日後までに転居届などの住民票の手続きをするのがルールで、遅れると罰金になる可能性もあります。
「住民基本台帳法」という法律にも「5万円以下の罰金」になることが書かれています。
住民基本台帳法 第五十二条正当な理由がなくて第二十二条から(略)第三十条の四十八までの規定による届出をしない者は、五万円以下の過料に処する。
実際に罰金を取られた人もおり、Twitterでも以下のような声が複数ありました。
遅くなると100%罰金を取られるわけではありませんが、忘れずに、計画を立てて行いましょう。
2-5. 引越し日は嘘をついてもいいのでしょうか?
多少(1ヶ月程度)なら嘘をついても、役所はわからないのが実情です。
ただし、引越し日で嘘をつくことも、法律違反になりますから、正直に生活の拠点が変わった日にちを書いておくべきです。
悪質とみなされると罰金の対象になりますから、遅れてしまった場合はすぐに役所に行き相談しましょう。
3. 郵便局の転居届とは?書き方や出すタイミング
役所への転居届とは別に、郵便局に転居届を出すことができます。
郵便局に「転居」の届け出をしておくことで、古い住所に届く郵便物を新しい住所に無料で転送してくれます。
新住所になるのを伝えていなかった相手、利用中のサービスなどからの手紙を確実に受け取るために、引越しの際には必ず出しておきましょう。
3-1. 郵便局の転居届を出すベストなタイミングは?
引越しの10~14日前がベストです。
郵便局への手続きはいつでも可能ですが、「届出を出した日から1年間」の転送になり、期日をすぎるとまた手続きが必要なので早すぎるのもおすすめしません。
転送開始自体には3~7営業日かかるので、おすすめのタイミングは10~14日前です。
3-2. どうやって手続きをすればいいのか
郵便局の転居届は基本的に以下の2つの方法で出すことができます。
- インターネット
- 郵便局の窓口
その他、窓口でもらった用紙をポストに入れて提出することもできますが、外出せずにいつでも手続きできる、インターネット(スマートホン)の手続きを選ぶ方が多いです。
Webから手続きを行う場合
スマホがあれば、「e転居」という郵便局のサービスで手続きができ、簡単な方法です。
流れは以下の通りで、確認の電話をする必要があるので、電話のできる環境での手続きがおすすめです。
窓口で手続きを行う場合
下記の2つの書類を持って郵便局に行き、「引越すので転送を申し込みたい」と伝えましょう。
- 本人確認書類:本人の運転免許証、各種健康保険証など
- 旧住所の証明:古い住所が確認できる運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードまたは住民票など
3-3. 転居届の受付状況を確認する方法
「e転居」から確認ができます。
10桁の転居届受付番号が必要で、提出した方法ごとに以下のように確認できます。
- インターネット:受付完了メールに記載
- 郵便局の窓口、ポスト:お客様控・記入要領の右上に記載
3-4. 転居届を解除したい場合
転送の解除、中止はできないので届出を出してから、1年間経つのを待つ必要があります。
ただ、旧住所で受け取りたい場合は、「新住所→旧住所」にもう一度転送手続きをすることで旧住所に転送されるようになります。
4. 住民票の手続き以外に役所ですべき手続きリスト
転居届や転入届・転出届の他に、引越し時は役所ですべき手続きがたくさんあります。
下記の2つに分けてリストにしましたから、漏れがないように進めましょう。
同じ市区町村内での引越しの場合、転出届は不要で、その他にも引越し前に役所ですべき手続きはありません。
同一市区町村内で転居する方は、転居後に「4-2. 引越し後に役所ですべき手続きリスト」の手続きを行いましょう。
4-1. 引越し前にすべき手続き(他の市区町村に引越す方のみ)
市区町村が変わる方は、引越しの日の1~2週間前に一度役所に行き、転出届以外に、下記の手続きを行いましょう。
手続き | 転居 | 転出 | やるべき人 | |
□ | ①. 印鑑登録の抹消 | – | ○ | 違う市区町村に引越しをする人で、印鑑登録をしている人 |
□ | ②. 国民健康保険の手続き | – | ○ | 国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ③. 児童手当の住所変更 | – | ○ | 児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ④. 介護保険被保険者証の返納 | – | ○ | 要支援・要介護の認定を受けている方で、別の市区町村へ移る人 |
□ | ⑤. 原付の廃車手続き | – | ○ | 原付を持っていて、他の市区町村に引越す方 |
- 転居:同じ市区町村内での引越し、転出:別の市区町村への引越し
- 「◎」=全ての人がすべき、「○」=一部の人がすべき、「-」=不要
持って行くものとしては下記のものに加え、それぞれの申告に必要な+αのものです。
- 本人確認証(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード)
- 印鑑
基本的に役所に用紙があり、役所に行けば窓口も教えてくれるので、まずは何の手続きが必要で、何を持っていくべきか、この章で確認しましょう。
①印鑑登録の抹消
やるべき人 | 違う市区町村に引越しをする人で、印鑑登録をしている人 |
やること | 役所の窓口で、印鑑登録の抹消を行う |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認証 □登録している印鑑 □印鑑カード |
印鑑登録は市区町村ごとに行っているので、転出するときは今の市区町村の窓口で「印鑑登録廃止申請書」を提出し、登録の抹消をしておきます。
ただし、自治体によっては転出届を出せば、印鑑登録が自動的に抹消されるところもあります。転出届を出す際に確認してみましょう。
②国民健康保険の手続き
やるべき人 | 国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、資格喪失の手続きを行い、保険証を返還する |
必要なもの | □国民健康保険証(転出する家族全員分) □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
国民健康保険に加入している方(主に自営業の方など職場の健康保険に加入していない方)は、引越す際に今の自治体で資格喪失の手続きが必要です。
転出後14日以内に行えば問題ありませんが、転出届などと一緒にやってしまえば楽なので、役所に行ったタイミングで手続きしましょう。
③児童手当の住所変更
やるべき人 | 児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、児童手当受給事由消滅届を提出 |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
今と違う市区町村に引越す方は、今の自治体からの支給を止めるために「児童手当受給事由消滅届」を提出します。引越し後15日以内に行えばいいですが、こちらも引越し前のこのタイミングで行なっておくとスムーズです。
引越し先で再度申請が必要ですが、その際「課税証明書」などの年収を証明する書類が必要なケースがあるため、このタイミングで取得しておいた方がスムーズです。
引越し先によってはこの手続き自体が不要なこともあるので、役所に行く前に引越し先の自治体に必要な手続きや書類などを確認しておきましょう。
④介護保険被保険者証の返納
やるべき人 | 要支援・要介護の認定を受けている方で、別の市区町村へ移る人 |
やること | 役所の窓口で、資格喪失手続きを行い、「介護保険受給資格証」をもらう |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □介護保険被保険者証 |
介護保険の給付も次の住所でも引き継げます。役所に、介護保険被保険者証を返納し、資格喪失の手続きをします。
その際、「介護保険受給資格証」を受け取って、転居先の役所行った際に手続きを行います。(自治体によっては受給資格証を発行しておらずマイナンバーでの手続きになります。)
⑤原付の廃車手続き
やるべき人 | 原付を持っていて、他の市区町村に引越す方 |
やること | ナンバープレートを返却し、廃車申告受付証をもらう |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □ナンバープレート □印鑑 □標識交付証明書(ある場合) |
別の市区町村へ引越す場合は、引越し前に役所にナンバープレートを返却し、廃車申告受付証をもらいます。
引越し先で必要ですので、廃車申告受付証は無くさないようにしましょう。
引越し先まで原付で行く方は要注意!
ナンバープレートを返すと、公道を走れなくなります。
引越し先まで原付で行きたいという方は、引越し前には手続きをせず、引越し先で廃車と登録の手続きを一緒に行います。
4-2. 引越し後にすべき手続き(全ての方が要確認)
下記の13個は引越したらなるべく1週間以内、遅くても14日以内に役所などでしておくべき手続きです。
やること | 転居 | 転出 | やるべき人 | |
□ | ①. 印鑑登録 | – | ○ | 印鑑登録が必要な人 |
□ | ②. 国民健康保険の住所変更 | ○ | ○ | 国民健康保険に加入している人 |
□ | ③. 国民年金の住所変更 | ○ | ○ | 自営業や無職の人 |
□ | ④. 妊婦健康診査受診票の交換 | – | ○ | 妊娠中や出産後の人で、別の市区町村から引越してきた人 |
□ | ⑤.児童手当の申請/住所変更 | – | ○ | 児童手当を受け取っている人で、別の市区町村から引越してきた人 |
□ | ⑥. 転校手続き | ○ | ○ | お子さんが転校する方 |
□ | ⑦. 介護保険の申請/住所変更 | – | ○ | 要介護・支援認定を受けている場合で他の市区町村から引越してきた人 |
□ | ⑧. 犬の住所変更手続き | ○ | ○ | 犬を飼っている方(猫の場合は不要) |
□ | ⑨. 原付の住所変更 | – | ○ | 原付を持っている人で他の市区町村から引越して来た人 |
□ | ⑩. 免許証の住所変更 | ○ | ○ | 免許証を持っている人 |
□ | ⑪. 車庫証明書の申請 | ○ | ○ | 自動車を持っている人 |
□ | ⑫. 自動車の住所変更手続き | ○ | ○ | 自動車を持っている人 |
□ | ⑬. バイクの住所変更手続き | ○ | ○ | バイクを持っている人 |
- 転居:同じ市区町村内での引越し、転出:別の市区町村への引越し
- 「◎」=全ての人がすべき、「○」=一部の人がすべき、「-」=不要
法律で期限が決められた手続きもあり、忘れると罰則を受ける可能性があるので、確実に行なっておきましょう。
持って行くものとしては下記のものに加え、それぞれの申告に必要な+αのものです。
- 本人確認証(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード)
- 印鑑
代理で手続きを行いたい場合は委任状や代理人の本人確認書類・印鑑などが必要です。事前に役所に自治体ごとのルールを確認しておきましょう。
⑩~⑬までのグレーにした手続きは役所ではなく、警察署などでの手続きですが、合わせて行いましょう。
①. 印鑑登録
やるべき人 | 印鑑登録を今までもしていた人で市区町村を変えた人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 □登録料(50円前後、自治体による) |
必須ではありませんが、今まで印鑑登録をしてきた人で、市区町村が変わった方は、合わせてここで印鑑登録をしておきましょう。
②. 国民健康保険の住所変更
やるべき人 | 国民健康保険に加入している人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | <別の市区町村から引越してきた人> □窓口に行く人の本人確認書類 □転出証明書(転出時にマイナンバーカードを使った人はマイナンバーカード) □印鑑 □キャッシュカードか通帳+銀行印(一部の自治体で必要) <同じ市区町村内での引越しの人> □転居する全員の健康保険証 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
会社員でない人(自営業者、フリーランス、農林漁業の方、無職の方)は健康保険の手続きをしておきましょう。
引越してから14日以内に上記の書類を持っていけば、役所の窓口で手続き可能です。
③. 国民年金の住所変更
やるべき人 | 自営業や無職の人 |
やること | 役所の窓口で届けを出す |
必要なもの | □加入している人全員分の国民年金手帳 □印鑑 |
会社員でない人(自営業者、フリーランス、農林漁業の方、無職の方)は国民年金の手続きも必要です。
引越し元での手続きは必要ありませんが、同一市区町村内での転居の方も、別の市区町村から転入した方も、上記書類を持って、窓口に行きましょう。
④. 妊婦健康診査受診票の交換
やるべき人 | 妊娠中や出産後の人 |
やること | 新しい住所の妊婦健康診査受診票などを交換する |
必要なもの | □母子手帳 □未使用の検診補助券 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
母子手帳は引越ししても手続きは不要ですが、下記は新しい自治体のものと交換しておきましょう。
- 妊婦健康診査受診票
- 妊婦超音波検査受診票
- 妊婦子宮頸がん検診受診票
東京都内の方は、そのまま使えるケースもありますが、このタイミングで確認しておきましょう。
母子手帳と、古い自治体でもらった上記受診票を持って窓口に行きましょう。
⑤. 児童手当の申請/住所変更
やるべき人 | 児童手当をもらっている人 |
やること | 児童手当認定請求書(他の自治体からの転入時)/変更届け(自治体内での引越し時)を提出する |
必要なもの | □請求者の口座情報がわかるもの(通帳など) □請求者の課税証明書 □請求者の健康保険証のコピー □印鑑 |
別の市区町村から引越してきた方は、必ず15日以内に区役所で児童手当認定請求申請を行いましょう。
上記を持っていけば手続きはできますが、自治体によって必要書類が変わるので、事前に電話などで確認しておくと確実です。
同一市区町村内での引越し時は届出が必要な自治体もあるため、転居届提出時に確認しましょう。
⑥. 学校の転校手続き
やるべき人 | お子さんが転校する方(公立の小中学校の場合) |
やること | 役所の窓口で書類をだし、「転入学通知書」をもらう |
必要なもの | □在学証明書(前の学校でもらえる) □教科書給与証明書(前の学校でもらえる) |
私立に転校するお子さん、高校生のお子さんは、学校ごとのルールや手続きを事前に希望する学校に問い合わせて手続きを行いましょう。
公立の小中学校に転校する場合は、引越し先の区役所での手続きが必要になります。
転入手続きをする際に区役所の窓口で、前の学校でもらった、以下の書類を提示すると、「転入学通知書」を受け取れます。
- 在学証明書
- 教科書給与証明書
この3つの書類を新しい学校に持っていけば、転校手続きができます。
⑦. 介護保険の申請/住所変更
やるべき人 | 要介護・支援認定を受けている人 |
やること | 区役所で「介護保険受給資格証」を提出し、再度認定を受ける (同一区内、政令指定都市の場合は住所変更を行う) |
必要なもの | □介護保険受給資格証 □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
転入日から14日以内に、引越し元で受け取った「介護保険受給資格証」を持参し、引越し先の役所の窓口で介護認定の申請をしましょう。
14日を過ぎると介護認定の新規申請をしなければいけなくなり、手間がかかります。
また、同じ自治体内で引越す方は、「住所変更」が必要ですので転居届などを出すときに「介護保険受給資格証」を持っていき確認しましょう。
⑧. 犬の住所変更手続き
やるべき人 | 犬を飼っている方(猫の場合は不要) |
やること | 役所や保健所で、ペットの登録住所の変更を行う |
必要なもの | □鑑札 □窓口に行く人の印鑑 |
転出前の自治体、(市区町村内で転居の場合今の自治体)で交付された「鑑札」を持って役場や保健所へ行きます。
窓口や、狂犬病予防注射済票の要否など自治体によって異なるので、「ペット 引越し xx市」などで調べてから行きましょう。
「鑑札」を無くしてしまった場合の対応も、市区町村によって異なるので、なくした方は問い合わせてみましょう。
国から指定された特定動物を飼っている方へ
トラ、ワニなど特定動物に指定されているペットを飼っている方は、動物種・飼養施設ごとに都道府県知事などの許可が必要です。
引越しの際は手続きが必要か、各自治体に問い合わせておきましょう。環境庁:「特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について」
⑨. 原付の住所変更
やるべき人 | 原付を持っている人 |
やること | 役所で前の自治体の廃車申告受付証を提出し、ナンバープレートをもらう |
必要なもの | □廃車申告受付証 □ナンバープレート(原付で移動してきた人) □標識交付証明書(原付で移動してきた人) □窓口に行く人の本人確認書類 □印鑑 |
原付に関して、同一市区町村内で引越しをする場合は、転居届を出せば、手続きは不要です。
ただ、ごく一部の自治体では自治体内での転居でも、標識交付証明書やナンバープレートを提出し、手続きが必要です。標識交付証明書を持ち原付で手続きに行くか、事前に引越し先の役所に問い合わせておきましょう。
別の自治体から引越してきた方は、前の住所の役所でもらった「廃車申告受付証」を新住所の役所に提出します。印鑑や本人書類を持っていきましょう。標識交付証明書とナンバープレートがもらえます。
また、原付で引越し先まで移動してきた人は、今まで使っていたナンバープレート/標識交付証明書を提出すれば新しいナンバープレートを受け取れます。
⑩. 免許証の住所変更
やるべき人 | 免許証を持っている人 |
やること | 警察署・もしくは免許センターや免許試験場で変更手続きを行う |
必要なもの | □運転免許証 □申請用写真(都道府県が変わる場合) □新住所が証明できるもの(住民票やマイナンバーカード、消印付きの郵便物など) □印鑑 |
役所の帰りに、新住所の警察署や免許センターに寄って、免許証の住所を変更しておきましょう。
用紙は上記施設にありますので、必要書類を持っていけば受け付けてくれます。
受け付けてくれる場所は「免許証 引越し先のエリア名」などで検索すれば出てきます。
⑪. 車庫証明書の申請
やるべき人 | 自動車を持っている人 |
やること | 警察署で必要書類の記入・手続きを行う |
必要なもの | □車検証 □保管場所使用権原疎明書面(自分の土地を使用する場合) □保管場所使用承諾証明書(駐車場を借りて利用する場合) □賃貸借契約書(駐車場を借りて利用する場合) |
二輪の小型自動車などを除くすべての自家用車で車庫証明が必要ですが、その住所変更も警察署で免許証と一緒にしておきましょう。
下記の書類が警察署にありますので、スムーズに書けるように車検証などを準備しておきましょう。各都道府県の警察署ホームページからもダウンロード可能です。
- 保管場所証明申請書
- 保管場所標章交付申請書
- 車庫の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面(自分の土地を使用する場合)
また、駐車場を借りて利用する場合は保管場所使用承諾証明書または賃貸借契約書が必要です。
⑫. 自動車の住所変更手続き
やるべき人 | 自転車を持っている方 |
やること | 運輸支局で必要書類の記入・手続きを行う |
必要なもの | □車検証 □住民票(発行3ヶ月以内) □自動車保管場所証明書(証明の日から40日以内) □印鑑 |
運輸支局等(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で自動車の住所変更を行います。上記の書類を持って申請に行きましょう。
申請書や納付書が申請先にありますので、それを利用することもできますし、上記運輸支局のホームページからダウンロードも可能です。
また、管轄が変わり、ナンバープレートが変わる場合はナンバープレートが必要です。変わるのか分からなければ事前に問い合わせをしておきましょう。
⑬. バイクの住所変更
やるべき人 | バイクを持っている方 |
やること | バイクの種類に応じて運輸支局で手続きを行う |
必要なもの | バイクの種類による |
バイクに関しては、排気量で手続きが変わりますので、下記のように排気量に合わせて手続きを行いましょう。
ナンバーが変更になるか、何を持っていけばいいか、事前に新住所を管轄する陸運支局に確認してから行くとスムーズです。
排気量126cc~250ccの場合
新しい住所の運輸支局へ下記の書類を持っていき、手続きを行います。
- 軽自動車届出済証(無くした場合は旧住所の運輸支局で再発行)
- 自動車損害賠償責任保険証書
- 軽自動車税申告所
- 新しい住所の住民票
- 印鑑
- 外したナンバープレート(管轄が変わる場合)
同じ管轄内での引越しでも手続きが必要で、運輸支局で申請書を購入、提出することにうなります。また、ナンバープレートを交換する場合は交付代が600円程度かかります。
排気量251cc以上の場合
新しい住所の運輸支局へ下記の書類を持っていき、手続きを行います。
- 自動車検査証(無くした場合は旧住所の運輸支局で再発行)
- 新しい住所の住民票
- 印鑑
- 外したナンバープレート(管轄が変わる場合)
同じ管轄内での引越しでも手続きが必要で、運輸支局で申請書を購入、手数料納付書と合わせて提出することになります。また、ナンバープレートを交換する場合は交付代が600円程度かかります。
5. まとめ
転居届について、誰がどんな手続きすべきか、転居届以外に何をすべきか解説してきましたがいかがでしたか?
転居届は、市区町村に「この市区町村の中で引越します!」と届けるためのもので、忘れると罰金になります。
引越し日~14日後まで出せますので、早めの手続きを意識しましょう。
このページがあなたの転居届などの手続きのお役に立てることを心から祈っています。