30代の終活入門|これからの人生を充実させるやり方まとめ
「30代で終活をする人はいるの?」「30代で終活するにはどうすれば良い?」と、30代で終活をしようと考えていませんか?
30代は終活は早いと思う方もいるでしょうが、終活は自分の生き方を見直し、後悔なく生きるためのものなので、30代でも役に立ちます。
このページは、終活支援に500件以上携わってきた私が、30代の終活のメリットや手順についてまとめたものです。
このページを読めば、30代でも人生の役に立つ終活ができるようになるので、ぜひご覧ください。
1. 30代の終活はまだ早い?
そもそも終活とは「後悔の無い死をむかえるための準備活動」のことで、30代で早すぎるということはありません。
2019年の楽天インサイトの調査によれば、20~60代の中で一番終活に興味を持っているのは、30代ということが分かりました。
30代は、結婚や昇進、転職など、様々なイベントがあるので、それで人生の在り方を考える人が増える年代です。
そんな30代で終活をすることは、次のようなメリットがあります。
- 残りの人生でしたいことを明確にできる
- 持ち物の整理ができる
- ライフプランを見直すきっかけになる
それぞれ紹介します。
30代の終活のメリット① 残りの人生でしたいことを明確にできる
終活では、これまでの人生を振り返り、これからの人生を考えます。
「35歳の壁」という言葉があるように、30代は転職が可能な最後の時期でもあるので、残りの人生を考える上で大切な時です。
エンディングノートを書くと自分の人生の棚卸しができ、残りの人生でしたいことをまとめたりできるので、特に人生に迷いがある人はしてみると良いでしょう。
30代の終活のメリット② 持ち物の整理ができる
終活では、残った親族の負担を減らすため、持ち物の処分や整理を行います。
「自分の服はこんなに必要か?」「本が多すぎるから電子化しようか」など、減らせるものはいくらでもあるはずです。
持ち物を減らすと、生活がスッキリし、部屋がきれいになるなど、いろいろなメリットがあります。
終活に興味を持つ人は、断捨離やミニマリズムに興味を持つ人は多いはずです。
そういう思想を参考に、自分の持ち物を整理すると、終活にもなるし、自分の人生の充実にもつながるのでおすすめです。
30代の終活のメリット③ ライフプランを見直すきっかけになる
残りの人生で何をしたいかを検討すると、自分がどのように生活していくかの見直しにつながります。
例えば、「家を建てたい」「子育てをする」などの希望があれば、どうやってお金をやりくりするかを考える必要が出てきます。
資産計画がなければ、ライフプランも絵に描いた餅になってしまいます。
30代では結婚している方も多いでしょうから、夫婦2人で資産計画やライフプランを見直すのも良いでしょう。
2. 30代の終活でするべきこと5選
30代の終活でするべきことは次の5つです。
- エンディングノートを書く
- 不要なものを処分する
- デジタル終活をする
- 残りの人生ですることを決める
- 老後までの資産設計をする
まだまだ30代は焦ることはありませんので、できそうなことから初めてみましょう。
2-1. エンディングノートを書く
終活を始めるにあたって、一番役に立つのがエンディングノートを書くことです。
エンディングノートとは、死亡した時に遺された人のため、次のようなことをまとめるものです。
自分のこと | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス、経歴、自分史年表など |
親族・知人・友人の情報 | |
保険証、年金手帳、マイナンバーなどの公的な情報 | |
財産 | 預貯金(貯金額、金融機関情報) |
有価証券(銘柄、株数、証券会社) | |
不動産(所有地や物件の情報) | |
貴重品(貴金属・芸術品など) | |
保険(生命保険・損害保険など) | |
負債(借金・ローン・返済額・借入先情報) | |
終末期関連 | 遺言書の有無 |
介護や後見人のこと | |
介護や終末期医療のこと | |
葬儀やお墓のこと | |
その他 | ペット(引取先・飼い方についてなど) |
SNSや利用サイトの情報 |
エンディングノートは書く項目が多く、「自分にはまだ必要ないかも?」と思うこともあるでしょうが、その場合は、自分の書きたいことだけをまとめておけばOKです。
ただ、30代でも、次のようなことをまとめておくのがおすすめです。
- 財産
- 経歴、自分史年表
- これからしたいこと
残りの人生に役立つ項目を書いておくと良いですね。
また、下記のような書くべき内容を整理したノートが売られていますから、購入し時間があるときに埋めるのもおすすめです。
30代で使うならこのエンディングノート!
『自分史年表+エンディングノート』(K&B)は、若い人に最もおすすめのエンディングノートです。
自分史年表やこれからしたいことをまとめることができるので、残りの人生が長い皆様にピッタリです。
他のエンディングノートは高齢者向きという感じなので、市販のエンディングノートがほしい方は、こちらをチェックしてみましょう。
2-2. 不要なものを処分する
終活するなら、自分の持ち物を見直し、使うものと使わないものを選別し、不要なものを処分しましょう。
終活でする荷物整理は、残された家族がする整理が楽になるだけでなく、自分にも次のようなメリットがあります。
- 片付けが楽になる
- 無駄遣いが減る
- 住居にスペースができる
メルカリやヤフオクを使って、不要なものを減らすと、お金を稼ぐこともできるので、捨てるより売ることを考えてみましょう。
持ち物を整理する際の3つのポイント
どのように整理して良いか分からない場合は、下記3つを意識しましょう。
- 1年以上使っていないものを捨てる
- メルカリなどで持ち物を換金する
- 量が多い場合は、不用品回収を依頼する
一番おすすめなのは、不要になった持ち物を『メルカリ』などのサイトで売却して、換金することです。
最初は面倒に思うかもしれませんが、お金になると嬉しくなるので、サクサク続けられたりします。
量が多ければ、回収会社を使おう
もし、捨てる量が多いなら、不用品回収会社に依頼するのがおすすめです。「トラックに不用品を乗せ放題」で1~2万円程度で回収してくれるので手間がかかりません。
おすすめの探し方は、『くらしのマーケット』を使うことで、あなたの地域の不用品回収、引っ越し、クリーニングなど、様々なことを依頼できる業者を探すことができます。
2-3. デジタル終活をする
デジタル終活とは、SNSアカウントや月額課金サービス情報を整理しておくことです。
エンディングノート等に、ウェブの利用状況やパスワードをまとめたり、使っていないサービスを解約しておきましょう。
- ブログやnote、ホームページ
- SNSデータ・・・Line、ツイッター、Facebook、Instagramなど
- クラウドストレージ・・・iCloud、DropBox、Evernote、GoogleDriveなど
- Netfilixやabemaなどのサブスク
情報を整理しておかないと、死後もお金を請求され続ける恐れもあるので注意が必要です。
デジタル終活を本格的にしたいなら、こちらのページ「デジタル遺品の整理方法まとめ|知らないと危険なトラブル回避法」をご覧ください。
2-4. 残りの人生ですることを決める
終活とは人生の最後で後悔しないために行うものです。
死ぬ間際にやっておかないと後悔することをリストアップしましょう。
- 家を建てる
- 海外旅行をする
- 車を買い換える
- 陶芸をする
- 農業をする
- ピアノに挑戦する
- アルプスに登る
このように、リストアップしていき、順番を付けていきます。
これに合わせて「人生でしたくないリスト」も書くのもおすすめで、自分の人生でするべきことが定まっていきます。
ライフプランづくりと費用目安
自分がしたいことを列挙した後は、費用はどれくらいかかるのかをチェックしておきましょう。
下の表は、主なイベントにかかる平均費用です。
これ以外にもやりたいことがあるなら、「◯◯ 平均費用」と検索して、相場をチェックしてみてください。
一軒家 | 3,000万円(月8.8万円) |
子育て(15年) | 540万円(月3万円) |
老後生活 | 2,000万円 |
世界一周航海 | (2人で)1,000万円 |
葬儀 | 200万円 |
お墓 | 150万円 |
上の表の数字は目安であり、工夫次第で高くも安くもできます。
まずは目安を付けておき、本気で実現したいことは詳しく費用を調べ、おさえられる所をチェックしておくと良いでしょう。
専門家に聞きたい方は、「日本FP協会」の公式ページから希望に合うFP(ファイナンシャルプランナー)を見つけることができます。
2-5. 老後までの資産設計をする
残りの人生でやりたいことを決めた後は、それを実現するための資産設計をしていきましょう。
将来の見通しを立てたいという方はキャッシュフロー表を作成するのがおすすめです。
下の表は「日本FP業界のホームページ」にあるキャッシュフロー表ですが、これを埋めると、毎年の収支と年間貯蓄額をまとめることができ、結婚やマイホームなど、自分が希望するライフイベントに備えることができます。
キャッシュフロー表を作ることは、貯蓄に合わせてライフイベントを見直したり、所得を増やすための指針づくりにも有効です。
将来のお金に不安があるなら、ぜひ作って見ましょう。
30代で知っておくべき資産の増やし方
30代は会社で重要な役職に就いて年収がグンと上がる人がいる一方で、転職を繰り返してなかなか年収が上がらない人もいます。
銀行にお金を預けても金利はほとんど付きませんので、少しでも収入を増やしたいなら、資産を増やす方法を勉強していきましょう。
下の表は、簡単なお金の増やし方をまとめたものです。
すべきこと | ポイント |
余計な出費をおさえる | ・家計簿を作り、お金遣いを見直す ・コンビニの利用を減らす等 |
毎月一定の額を貯金する | ・月収の一定額を貯金する ・財形貯蓄(給与天引きの貯蓄)を利用する |
投資の勉強をする | ・株や投資信託、FXなどの勉強 ・NISAを活用する |
節税をする | ・ふるさと納税の活用 ・iDecoで老後の積立をする |
特に大切なのは、支出を見直し、余計な出費をなくし、毎月一定額の貯金をすることです。
また、銀行に預金していても利子はほとんどつかないので、iDecoやNISAを使うなどして、自分のライフプランのため、貯金を増やしていきましょう。
30代ならすでに始めている人も多いですが、まだ利用していない人は早めにチェックすることをおすすめします。
iDecoやNISAの違いと始め方
iDecoとは私的年金制度のことで、非課税で一定額を積み立てられることができますが、老後まで引き出すことはできません。
一方、NISAは少額投資非課税制度のことで、投資で得られた利益を非課税でもらうことができ、いつでも引き出すことができます。
NISAには普通のNISAと、つみたてNISAがありますが、それぞれの違いをまとめたのが下の表です。
NISA | つみたてNISA | iDeco | |
年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20~60歳 |
非課税投資枠 (年間) | 120万円 | 40万円 | 14.4~81.6万円 |
非課税枠 | 800万円 | 600万円 | 上限なし |
運用期間 | 5年 | 20年 | 60歳まで |
途中換金 | 自由 | 自由 | 60歳まで不可 |
投資方法 | 自由 | 一定額の積立 | 一定額の積立 |
iDecoは60歳まで引き出せないので、資金的に余裕がある方にのみおすすめです。
NISAと、つみたてNISAはどちらかを選択することになります。
すでに投資知識があるならNISA、あまり投資知識がないなら、運用期間が長く、コツコツ貯められるつみたてNISAがおすすめです。
NISAやiDecoは「楽天証券」など、証券会社で口座を作るといつでも始めることができます。
ふるさと納税のやり方
ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄附ができる制度で、これを利用すると、所得税が還付されるだけでなく、返礼品をもらうことができます。
普通のサラリーマンでも利用することができるので、ぜひ一度活用してみましょう。
『ふるさとチョイス』は、1,000以上の自治体から納税先を選ぶことができます。
どれくらいの額を納税できるかは、自分の年収によって異なるので、こちらのサイトでシミュレーションすると分かります。
ふるさと納税を一度やると、普通に所得税を納めるのがアホらしくなるはずなので、ぜひ一度やってみると良いでしょう。
3. 30代の終活で知っておくべき3つのポイント
30代で終活する際は、次のことをおさえておくと良いでしょう。
- 保険は最小限にする
- 遺産の使い方を決めたいなら遺言書を書く
- 本を読んで勉強をする
それぞれ解説します。
ポイント① 保険は最小限にする
所得が少ない中で、高額の保険に入るのはおすすめしません。(特に独身)
入院が必要な病気になっても、健康保険に入っていれば高額療養費制度があるので、自己負担は心配するほどの額にならないはずです。
死亡などで家族に迷惑をかけるのが嫌なら、月2,000円程度の「県民共済」に入っていれば十分なカバーになるはずです。
高額な保険金を支払って、保険貧乏にならないように注意してください。
ポイント② 遺産の使い方を決めたいなら遺言書を書く
終活というと、遺言書を書くことをイメージする方は多いですが、次のような場合でも無い限り、書く必要はありません。
- 財産分与を指定したい
- 遺産を寄付したい
遺言書を書かない場合、財産は配偶者や子どもなどの親族に相続されます。
もし、「血縁関係の無い人に渡したい」「寄付したい」などの希望があるなら、書いても良いでしょう。
遺言書について詳しく知りたい方は、こちらのページ「遺言書とは?遺言書を残さないで後悔しないための全知識」をご覧ください。
ポイント③ 本を読んで勉強する
30代はまだまだ人生の前半ですから、本を読んでじっくり人生の知見を増やしていくことをおすすめします。
ここでは、若年層の終活で有益になる本をご紹介しておきます。
荷物を減らすヒントになる本
『ぼくたちに、もうモノは必要ない』は、日本でミニマリズムを広めた本の一冊です。
ミニマリズムは「持ち物を減らすことで、生活を豊かにする」ことを志向することです。
終活をする上で、持ち物整理に役立つはずです。
ミニマリズムの本は他にも沢山あるので、これ以外も読みたい方は、Amazonや書店でチェックすると良いでしょう。
残りの人生を充実させるためのヒントになる本
『シンプルリスト』は、残りの人生に何をしたいかを考えたい人におすすめの1冊です。
自分の人生の羅針盤となるようなリストを作る参考になるはずです。
作者のドミニック・ローホーさんは、禅など日本文化の造詣が深く、生活を簡素にすることでより豊かな心持ちになれる「シンプルライフ」を提案しています。
終活に興味のある方には、彼女の全ての本全てがおすすめなので、ぜひチェックしてみてください。
安心の老後をむかえるためのヒントになる本
『iDeCo&つみたてNISAで安心老後をつくろう』は、iDecoとNISAの入門書におすすめの本です。
「投資は損することが怖い」と思う方は多いですが、低リスクでコツコツ積み立てる方法を知ることができます。
「将来が不安」「老後が不安」と思う方は、まずここから勉強していくのがおすすめです。
4. 30代の終活に関するQ&A
30代の終活についてよくある疑問をQ&A形式にしてまとめました。
クリックすると、該当部分にリンクします。
4-1. お墓や遺影を決めておく必要はありますか?
30代で、お墓や遺影を決めておくのは時期尚早で、必要性は薄いです。
もちろん、あなたが決めたいなら決めても良いですが、お墓や納骨堂の契約をしたりして、高額な出費をするのは避けましょう。
30代はまだまだ人生これからで、いろいろな出費がありますから、終活で金銭的に消耗しないようにしてくださいね。
4-2. 終活セミナーは役に立ちますか?
終活セミナーは、高齢者向きに開催されているので、30代の方にはあまり向いていないケースが多いです。
30代の方なら、このページに書いてある通り、エンディングノートを書き、ものを整理するくらいで十分なはずです。
どうしても行きたいなら、行く前に「30代でも役に立つか」について開催者に尋ねると良いでしょう。
終活についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページ「終活とは何か?最高のエンディングをむかえるための完全ガイド」をご覧ください。
4-3. 断捨離とは何ですか?
断捨離とは、不要なものを処理して、生活を充実させることです。
ものを減らして、人生を充実させようとしている点で、ミニマリズムと同じ思想です。
ネットで調べると、「これで生活できるの?」と心配になってしまう人が結構いますが、皆さんは捨てすぎに気をつけてくださいね。
4-4. どうやってものを減らすのがおすすめですか?
一番おすすめなのは、メルカリやヤフオク、ラクマなどを使って、持ち物を売って減らすことです。
特に、メルカリは商品を売るのが簡単なので、2,200万人以上が利用しているので、知っておいて損はありません。
それに、メルペイで安く買い物できるので、節約にもおすすめです。
4-5. idecoやNISAのおすすめ証券会社はどこですか?
投資初心者が使いやすい「つみたてNISA」で比較したのが下の表です。
証券会社 | 取扱投資信託本数 | 支払い方法 | メリット |
楽天証券 | 158 | 5 | ・楽天ポイント付与 ・楽天市場のポイントアップ |
SBI証券 | 160 | 3 | ・Tポイント付与 |
マネックス証券 | 150 | 2 | ・マネックスポイント付与 |
松井証券 | 152 | 2 | ・松井証券ポイント付与 |
auカブコム証券 | 150 | 2 | ・100万円で1ポイント付与 |
一番のおすすめは、扱える商品数が多く、クレジットカード払いができるなど、支払い方法の種類が豊富な「楽天証券」です。
初めてでも使い勝手はよく、ネット証券の顧客満足度調査(J.D. パワー 2019年 個人資産運用 顧客満足度調査)でも1位を獲得し、利用者からの評判もいいです。
証券口座の残高に応じて、毎月楽天ポイントがもらえるので、一石二鳥です。
5. さいごに
30代の終活についてご紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?
30代は転職が難しくなる年代でもあるので、将来の自分をじっくり考える必要がある年代です。
終活は自分の現状をまとめたり、身の回りを整理したりと、自分の過去を振り返り、未来を考えることでもあるので、30代でも決して意味がないということはありません。
このページが、読者の皆様の終活にお役に立つことをお祈りします。